タブレットで気軽にインターネットアクセス、
クラウド活用で業務効率も向上。

佐賀県のほぼ中央に位置し、日本一の干潟である有明海に面する小城市様。北部には天山山系がそびえ、南部にはムツゴロウ・シオマネキ保護区が広がるなど豊かで貴重な自然環境に恵まれている。また、同市では、令和元年8月豪雨災害を教訓に、全国で初めてソーラーカーポート（駐車場型太陽光発電設備）と蓄電池を市庁舎に導入し、系統電力に頼らないオフグリッド電力供給を実現。さらに、災害時におけるインターネットでの情報収集力の強化を図るとともに、会議のペーパーレス化や行政サービスの向上も目指し、タブレットと「Google Workspace」を導入。インターネットを利用しやすい環境整備に加え、クラウドサービスの積極的な活用を進めることで災害対策強化と業務効率化を達成している。

小城市役所様がDXを推進する上で、大きな課題になっていたのがインターネット接続環境の改善だった。田中様は「庁内では基幹系ネットワークとインターネット接続系ネットワークを切り離して運用していますが、インターネットに接続できる端末が少なく、年々拡大するインターネット利用に環境整備が追いついていませんでした。そうしたなか、令和元年8月豪雨災害の際、気象情報や河川の水位情報などインターネット上の情報アクセスに苦労したことが環境整備へのきっかけになりました。さらに、以前から検討していた会議のペーパーレス化や、新型コロナウイルス感染症対策のためのウェブ会議が可能なシステム提案を公募型プロポーザル方式で求め、KDDI まとめてオフィスからタブレットと『Google Workspace』を導入しました。同社に決めた理由は、スモールスタートが可能なコスト面の魅力と、手厚い保守サービスにありました」と経緯を語る。

タブレットをインターネット接続端末として活用することで、災害時の情報収集はもちろん、各種クラウドサービスが容易に利用できるようになった。田中様は「災害発生時には、災害対策本部にタブレットを数台並べて気象情報や河川水位、排水機場のウェブカメラを常に表示しておくことで迅速な情報収集・共有が可能になりました」と効果を語る。
また、タブレットと「Google Workspace」のGoogle ドライブ機能により、会議のぺーパーレス化も実現。友田様は「多くの資料を使う部長会議や経営戦略会議のほか、庁内で行われるほとんどの会議でペーパーレスが可能になり、会議用の紙と印刷コストを約80%削減できました。さらに、資料の印刷・製本や事前配布なども不要になり、業務の省力化にもつながっています」と語る。

また、新型コロナウイルス感染症対策のためのウェブ会議もタブレットで容易に行えるようになった。江頭様は「以前は、インターネット接続端末を会議室に移動し、LANケーブルを引き込むなど、セッティングに時間を要しましたが、今ではタブレットひとつで簡単にウェブ会議ができるようになりました」と言う。さらに、市民サービスの向上にもタブレットが効果を発揮。友田様は「確定申告会場でタブレットを使って国税庁のサイトにアクセスしてわかりやすくご説明したり、ウェブでのワクチン接種予約が難しい市民の方に対して、タブレットで一緒に操作案内をすることができるようになり大変喜ばれています」と言う。
田中様は「セルラーモデルのタブレットなので、基幹系ネットワークと完全に切り離し、どこでも気軽にインターネットアクセスができるのも大きな魅力です。今後はさらに台数を増やすことも検討しつつ、さらなるDX推進に取り組んでいきたいと考えています」と語る。

小城市様のタブレット・「Google Workspace」活用イメージ