作業の見える化から、
現場のはたらく未来の変革に挑む。
向島ドック株式会社
作業の見える化から、
現場のはたらく未来の
変革に挑む。
向島ドック株式会社
1929年に尾道で創業した向島ドック株式会社様。国内トップクラスの船舶修繕企業として年間約400隻に及ぶ内航船の修繕を手掛けながら、船舶を自社で直接保有するフリート事業や、船を使ったレジャーを扱うマリーナ事業にも領域を広げています。本記事では、そんな向島ドック様で業界の常識を打ち壊すような改革を牽引してきた久野社長、パートナーとして改革に伴走してきたKDDI まとめてオフィスの営業担当2名で会談を実施。現場のDX化とオフィスの変革がもたらした「はたらき方」の変化や、業界そのものの改革を見据えた今後の展望について話しました。
Profile
プロフィール
-
向島ドック株式会社
久野 智寛社長
Tomohiro Kuno
向島ドック株式会社社長。1999年にアイシン精機株式会社(現 株式会社アイシン)に入社し、製造現場でキャリアを積む。39歳でメキシコ現地法人の副社長を務めた後、2016年に向島ドックに転職。直後から現場作業の見える化と標準化を通じた働き方改革に取り組んでいる。
-
KDDI まとめてオフィス
原 眞奈美
Manami Hara
2014年入社。中国支社 法人営業部グループリーダー。「はたらく未来を変えていく。」というスローガンを実現するためのチームづくりと未来から逆算した提案で、お客さまの描く改革の実現を支えている。
-
KDDI まとめてオフィス
乾 幸一郎
Koichiro Inui
1998年 日本高速通信(KDDIの前身会社)入社。2013年からKDDI まとめてオフィス西日本 中国支社に出向。お客さま目線のコミュニケーションを大切にしながら、ビジョンをともに叶えるパートナーとして、DX推進・サポートに注力している。
Profile
プロフィール
-
向島ドック株式会社
久野 智寛社長
Tomohiro Kuno
向島ドック株式会社社長。1999年にアイシン精機株式会社(現 株式会社アイシン)に入社し、製造現場でキャリアを積む。39歳でメキシコ現地法人の副社長を務めた後、2016年に向島ドックに転職。直後から現場作業の見える化と標準化を通じた働き方改革に取り組んでいる。
-
KDDI まとめてオフィス
原 眞奈美
Manami Hara
2014年入社。中国支社 法人営業部グループリーダー。「はたらく未来を変えていく。」というスローガンを実現するためのチームづくりと未来から逆算した提案で、お客さまの描く改革の実現を支えている。
-
KDDI まとめてオフィス
乾 幸一郎
Koichiro Inui
1998年 日本高速通信(KDDIの前身会社)入社。2013年からKDDI まとめてオフィス西日本 中国支社に出向。お客さま目線のコミュニケーションを大切にしながら、ビジョンをともに叶えるパートナーとして、DX推進・サポートに注力している。
デジタル化がもたらした、船舶修繕業の現場改革。
向島ドック 久野様
KDDI まとめてオフィスさんとは、2019年に高耐久スマホTORQUE(トルク)の導入をきっかけにお付き合いが始まりました。TORQUEを現場の社員に一人一台配布することは、私が向島ドックに転職した直後から進めてきた働き方改革にあたって、必要不可欠でした。
KDDI まとめてオフィス 原
ご提案にあたり、向島ドック様にご意見を伺ったところ、現場での利用を想定した頑丈さを要望されていました。TORQUEは耐衝撃性に秀でており、運送業や建設業のお客さまに特に強いお引き合いをいただいている製品です。向島ドック様は、耐衝撃性に加え、海の近くで働く上で欠かせない高い防水性にも魅力を感じてくださっていましたね。
向島ドック 久野様
TORQUE配布は、作業の効率化を行うにあたって、現場社員に日々の作業をTORQUEへ入力してもらって、現状を把握するための施策でした。そもそも船は自動車と違って一隻一隻の仕様が異なります。一隻の船を修繕するために、どれくらいの工数が掛かり、誰が何を何時間かけて作業しているのかについて、改革以前はほとんど把握できていない状態でした。結果として、正確な見積もりを作れず人員の無駄が出たり、逆に急な業務が発生したりという非効率が生じていました。この状況を変えるべく、まず社員のヘルメットにRFID※を取り付けて作業状況のデータ収集を開始。誰がどこで何をしているかという、「仕事の見える化」が少し進んだところで、さらなる細かいファクトを集めるために「社員が作業に取り組むたびに、作業名と開始時間、終了時間を入力できるシステム」を開発しました。そのシステムを入れるための物理的な端末がTORQUEです。
※電磁波や電波を送受信することで、モノや人を識別する自動認識技術
KDDI まとめてオフィス 乾
ここまで具体的なビジョンを持って、改革の推進をされるお客さまは非常に稀です。私たちも、なんとかご期待にお応えしようと急いでご提案をまとめたのを覚えています。
向島ドック 久野様
あの時の乾さんは、ファーストコンタクトからご提案まで一週間という速さで驚きました。何より、私たちがITツールを通じて何を為したいかという本質にしっかりと耳を傾け、すぐに同じ熱量でビジョンに向き合ってくださり大変頼もしかったです。おかげさまで、改革は着実に進み、これまで社員の「KKD(経験・勘・度胸)」に依存してきた修繕見積もりからの脱却や、データに基づく工数積算と精緻な見積もり作成の実現に近づいています。あとは実績を積み上げながら、予実検証のPDCAを高速でまわしていくことで、工程設計や現場社員の最適配置、異なる作業現場ごとのキャパシティのフル活用、さらにはデータによるお客さまの船の将来的なトラブル予測が可能となり、生産性の向上が社員の処遇改善にもつながると確信しています。これは業界としても画期的な進展となるでしょう。
ビジョンへの深い共感が、「まさにこれが欲しかった」提案を生む。
KDDI まとめてオフィス 乾
私は他のお客さま先で、向島ドック様が取り組まれている改革のお話を事例としてよく引き合いに出させていただいているのですが、非常に幅広い業界のお客さまが食いつくように興味を示されます。そして実際に向島ドック様まで見学にお連れすると、非常に感動して帰っていかれるんです。
向島ドック 久野様
改革を推進した背景には、私がもともと自動車業界の出身で、長年ものづくりの現場に携わってきた結果、「良いものづくりを突き詰めていくと、最終的には生産現場の保守・点検にたどりつく」と感じたことにあります。向島ドックは直接のものづくり業でこそありませんが、日本の内航海運を修繕で支える重要な事業を担う会社です。自分のセカンドキャリアを全て投入するならここしかないと思い、この業界に入りました。自動化の進んだ自動車産業に比べ、船の修繕業は人手がかかる分、人件費の割合が大きくなりがちな産業です。しかし、だからこそ、改革の余地がたくさん残されているのではないかと可能性を感じたんです。現場の仕事を見える化し、組織として同じ価値基準で動くことができれば、はたらき方は確実に変えられるという確信がありました。その先で「人が組織をつくり、組織が人をつくる」というような持続的かつ進化的な集団も生み出せるはずだと思ったのです。乾さんが見学に連れてきてくださる企業さまも、業界にかかわらず、組織やはたらき方に対して同様の理想を抱いていらっしゃるのではないかと思います。
KDDI まとめてオフィス 乾
見学にこられた企業さまの反応を見るに、向島ドック様の改革は、いずれ船舶修繕という範囲を超えて、広く製造業や建設、運送といった業界にも波及していくのではないかと思っています。私たちも、目先の課題解決だけでなく、将来的なインパクトまで考えながらご提案しています。
向島ドック 久野様
KDDI まとめてオフィスさんはいつも、私たちが「ちょっと困ったな」「これはどうしたらいいだろうか」と思った時にタイミングよく訪れてくれて、「これはどうでしょうか?」と商品やサービスのご紹介をくださるんです。「まさにこれが欲しかった!」というものをご提案くださるので、こちらの考えていることが分かっているようで驚くばかりです。ですがそれは、日頃から私たちが何を成し遂げたいかというビジョンの本質を深く理解した上で、こちらを注視してくださっているからこそ成せる技なのだと思い、いつも感謝しています。
KDDI まとめてオフィス 原
業界の常識に囚われず、どんどん新しいことを取り入れていく向島ドック様の姿勢に、弊社としても大変共感しているんです。私たちも「未来のはたらき方を変えたい」という想いは同じです。ビジョンを叶えるパートナーのような気持ちで伴走しています。
DXによる変化の実感が、社員の意識を変え、会社の進化にもつながる。
KDDI まとめてオフィス 原
大きな改革を行う際、現場からの反発があることで中途半端な改革に終わってしまうことを懸念する企業さまも多くいらっしゃいます。向島ドック様でもTORQUEへの毎回の作業入力は、「新たな手間になる」という反発もあったのではないかと思いますが、久野社長の強い推進力で大きく変えていかれた印象があります。
向島ドック 久野様
確かに現場からも経営層からもさまざまな反発はあり、その度に泥臭い話し合いを行ってきました。ですが現場については、とにかく面倒でも入力を続けてもらうと、ある時ふと社員が「仕事の徒労感が減った・給料が上がった・休みが取れるようになった」などの実感をするタイミングがあったんです。その時に「それはあなたが一生懸命に手元のTORQUEに入力してくれたからですよ」と再度伝えると、作業を行う理由が各人の中で腑に落ちる。こうなると改革は一気に進みます。また仕事の見える化が進んだことで、新人の育成もしやすくなりました。今の若い人は特に、「見通しがつかないこと」「無駄なこと」を嫌う傾向にあります。DXで効率化を進め、常に「今何をすればいいか」が明確になった結果、離職率も下がりました。さらに、乾さんの紹介で来られた企業さまをはじめ、他の会社さまが見学に来てくださると、社員たちも「自分たちのやっていることは、もしかして凄いことなのかもしれない」と自信や誇りを持ってくれるんです。
KDDI まとめてオフィス 乾
見学に伺わせていただくことが、向島ドックの社員様にとってもポジティブな影響を及ぼしているとのこと、嬉しい限りです。
向島ドック 久野様
仕事への誇りと、経済的な豊かさ。その二つが向上することで、最近では徐々に自分たちのあり方や方向性を社員自身が考えられる段階に入ってきた手応えがあります。象徴的だったのは、20数名の幹部社員が自分たちで経営理念をつくってきたことです。私からは一切口出ししなかったのですが、出来上がってきたものを見ると、彼らがちゃんと会社の大事にしているものを理解しているのが汲み取れた。あの時は身体に電気が走るようでした。きっと向島ドックは、私がいつか引退しても、向かうべき方向を自分たちで見定めて進んでいけると思えました。
さらに創造的なはたらき方を進める、「はたらく場」の提供。
KDDI まとめてオフィス 原
TORQUEの導入以後、複合機やMicrosoft 365 with KDDI、クラウドPBXなど、さまざまなサービスをご活用いただいています。例えば、社外のお客さまからの問い合わせは、ガイダンスに従ってダイヤルすることで、目的の受付先に着信させる機能などを導入し、業務の効率化につなげています。また、2024年にはオフィスのレイアウト変更も弊社でお手伝いさせていただきました。
向島ドック 久野様
オフィスのレイアウト変更の実施にあたっては、乾さんから事前に何を成し遂げたいかを入念にヒアリングしていただき、その目的にフィットした事務用品メーカー様に繋いでいただきました。さらにはそのメーカー様のオフィスや工場の見学までセッティングいただき、とても感謝しています。
KDDI まとめてオフィス 乾
あのときは、ご提案に伺う前に、私の方で数社の協力会社さまにプレゼンをしてもらっていたんです。その上で、向島ドック様に一番合うと思ったメーカー様を選び、ご紹介をさせていただきました。その後はメーカー様に直接お会いいただいて、会話をしながら向島ドック様のニーズを直接把握してもらうことで、実りあるご提案につなげられればと思ったのです。
向島ドック 久野様
メーカー様のオフィスや工場の見学を通して、私はオフィスにただ綺麗さや効率だけでなく、「新しいものを生み出すためのコミュニケーションが発生すること」を求めているのだとはっきりと分かりました。私の希望で工場長さんをアテンドいただいたのですが、やはり「現場」を持つ会社のオフィスをどうつくっていくかという点で、お互いに同じような悩みを抱えていることが分かり、そうした当事者性から生まれる製品やご提案には非常に信頼が置けました。また、私は会議一つとっても、メンバーの座席の位置関係でアウトプットが変わると考えています。新オフィスでは、日々の執務空間でも座席を固定せず、しかしフリーアドレスにもせず、その時々で最適な座席を組むというひと手間をかけています。ここでは、オフィスのレイアウト変更より前に、KDDI まとめてオフィスさんにクラウドPBXの導入を手伝っていただいて、固定電話に縛られない環境がすでにあったことが、さらなる創造的なはたらき方の実現につながる結果になりました。
業界を超えてノウハウを広げ、地方に根ざす企業のロールモデルへ。
向島ドック 久野様
将来的には、社員が作業をする際に、TORQUEに作業上の注意事項が表示され、未然に事故が防げるようなことも実現したいと思っています。安全管理の脱・属人化により、KKD(経験・勘・度胸)からの脱却を推進し、誰が安全管理者になっても現場の安全レベルが保たれる環境をつくり出したいです。作業データをクラウドに保存しておくことで、今いる社員のスキルの平準化という「横軸」だけでなく、人口減少の中にあってもノウハウを次の世代に引き継げるという時間的な「縦軸」の効果も生まれます。そうすることで、20年後の人手不足を20年分の蓄積を持って迎え撃つことができるんです。私たちは、こうした取り組みやデータ自体を最終的に全て社外にもオープンにしていこうと思っています。そうすればきっと、会社を超えて共感が生まれ、仲間が増え、行動が変わり、業界全体が盛り上がる。いずれは日本の内航海運や物流を支える人のはたらき方、その構造・環境をガラッと変えていけるのではと思いますし、尾道の街のシンボルとして、向島ドックが地方の一都市の発展の仕方や、雇用も含めた中小企業のあり方のモデルにもなれると考えています。
KDDI まとめてオフィス 乾
現場の生産性向上は、業界を超えた共通の課題です。向島ドック様の事例は、もはや船舶の修繕という業界の中にとどまる話ではなく、業界や地方の垣根を超えて影響を及ぼしていくに違いありません。その壮大なビジョンに向かい、私たちも常に最新の技術を提供しながら改革の伴走を続けたいと思っていますし、今後も積極的に私の担当するお客さまにもご紹介していきたいと思います。
KDDI まとめてオフィス 原
AIのビジネス活用といった最新の技術から、安定した通信基盤といった幅広いKDDIグループのアセットを使えることも、私たちKDDI まとめてオフィスの強みの一つです。将来いっそう人手不足が進むことが予測される中で、業界の垣根を超えてお客さま同士をつなげ、アイデアの共創を起こすことも、私たちが今後できる貢献だと考えています。これからも向島ドック様のパートナーとして、同じビジョンをしっかりと見据えながら、改革を進める久野様をはじめとした皆様を多方面から支援させていただければ幸いです。
※記載された情報は、掲載日(2024年9月30日)現在のものです。
デジタル化がもたらした、船舶修繕業の現場改革。
向島ドック 久野様
KDDI まとめてオフィスさんとは、2019年に高耐久スマホTORQUE(トルク)の導入をきっかけにお付き合いが始まりました。TORQUEを現場の社員に一人一台配布することは、私が向島ドックに転職した直後から進めてきた働き方改革にあたって、必要不可欠でした。
KDDI まとめてオフィス 原
ご提案にあたり、向島ドック様にご意見を伺ったところ、現場での利用を想定した頑丈さを要望されていました。TORQUEは耐衝撃性に秀でており、運送業や建設業のお客さまに特に強いお引き合いをいただいている製品です。向島ドック様は、耐衝撃性に加え、海の近くで働く上で欠かせない高い防水性にも魅力を感じてくださっていましたね。
向島ドック 久野様
TORQUE配布は、作業の効率化を行うにあたって、現場社員に日々の作業をTORQUEへ入力してもらって、現状を把握するための施策でした。そもそも船は自動車と違って一隻一隻の仕様が異なります。一隻の船を修繕するために、どれくらいの工数が掛かり、誰が何を何時間かけて作業しているのかについて、改革以前はほとんど把握できていない状態でした。結果として、正確な見積もりを作れず人員の無駄が出たり、逆に急な業務が発生したりという非効率が生じていました。この状況を変えるべく、まず社員のヘルメットにRFID※を取り付けて作業状況のデータ収集を開始。誰がどこで何をしているかという、「仕事の見える化」が少し進んだところで、さらなる細かいファクトを集めるために「社員が作業に取り組むたびに、作業名と開始時間、終了時間を入力できるシステム」を開発しました。そのシステムを入れるための物理的な端末がTORQUEです。
※電磁波や電波を送受信することで、モノや人を識別する自動認識技術
KDDI まとめてオフィス 乾
ここまで具体的なビジョンを持って、改革の推進をされるお客さまは非常に稀です。私たちも、なんとかご期待にお応えしようと急いでご提案をまとめたのを覚えています。
向島ドック 久野様
あの時の乾さんは、ファーストコンタクトからご提案まで一週間という速さで驚きました。何より、私たちがITツールを通じて何を為したいかという本質にしっかりと耳を傾け、すぐに同じ熱量でビジョンに向き合ってくださり大変頼もしかったです。おかげさまで、改革は着実に進み、これまで社員の「KKD(経験・勘・度胸)」に依存してきた修繕見積もりからの脱却や、データに基づく工数積算と精緻な見積もり作成の実現に近づいています。あとは実績を積み上げながら、予実検証のPDCAを高速でまわしていくことで、工程設計や現場社員の最適配置、異なる作業現場ごとのキャパシティのフル活用、さらにはデータによるお客さまの船の将来的なトラブル予測が可能となり、生産性の向上が社員の処遇改善にもつながると確信しています。これは業界としても画期的な進展となるでしょう。
ビジョンへの深い共感が、「まさにこれが欲しかった」提案を生む。
KDDI まとめてオフィス 乾
私は他のお客さま先で、向島ドック様が取り組まれている改革のお話を事例としてよく引き合いに出させていただいているのですが、非常に幅広い業界のお客さまが食いつくように興味を示されます。そして実際に向島ドック様まで見学にお連れすると、非常に感動して帰っていかれるんです。
向島ドック 久野様
改革を推進した背景には、私がもともと自動車業界の出身で、長年ものづくりの現場に携わってきた結果、「良いものづくりを突き詰めていくと、最終的には生産現場の保守・点検にたどりつく」と感じたことにあります。向島ドックは直接のものづくり業でこそありませんが、日本の内航海運を修繕で支える重要な事業を担う会社です。自分のセカンドキャリアを全て投入するならここしかないと思い、、この業界に入りました。自動化の進んだ自動車産業に比べ、船の修繕業は人手がかかる分、人件費の割合が大きくなりがちな産業です。しかし、だからこそ、改革の余地がたくさん残されているのではないかと可能性を感じたんです。現場の仕事を見える化し、組織として同じ価値基準で動くことができれば、はたらき方は確実に変えられるという確信がありました。その先で「人が組織をつくり、組織が人をつくる」というような持続的かつ進化的な集団も生み出せるはずだと思ったのです。乾さんが見学に連れてきてくださる企業さまも、業界にかかわらず、組織やはたらき方に対して同様の理想を抱いていらっしゃるのではないかと思います。
KDDI まとめてオフィス 乾
見学にこられた企業さまの反応を見るに、向島ドック様の改革は、いずれ船舶修繕という範囲を超えて、広く製造業や建設、運送といった業界にも波及していくのではないかと思っています。私たちも、目先の課題解決だけでなく、将来的なインパクトまで考えながらご提案しています。
向島ドック 久野様
KDDI まとめてオフィスさんはいつも、私たちが「ちょっと困ったな」「これはどうしたらいいだろうか」と思った時にタイミングよく訪れてくれて、「これはどうでしょうか?」と商品やサービスのご紹介をくださるんです。「まさにこれが欲しかった!」というものをご提案くださるので、こちらの考えていることが分かっているようで驚くばかりです。ですがそれは、日頃から私たちが何を成し遂げたいかというビジョンの本質を深く理解した上で、こちらを注視してくださっているからこそ成せる技なのだと思い、いつも感謝しています。
KDDI まとめてオフィス 原:
業界の常識に囚われず、どんどん新しいことを取り入れていく向島ドック様の姿勢に、弊社としても大変共感しているんです。私たちも「未来のはたらき方を変えたい」という想いは同じです。ビジョンを叶えるパートナーのような気持ちで伴走しています。
DXによる変化の実感が、社員の意識を変え、会社の進化にもつながる。
KDDI まとめてオフィス 原
大きな改革を行う際、現場からの反発があることで中途半端な改革に終わってしまうことを懸念する企業さまも多くいらっしゃいます。向島ドック様でもTORQUEへの毎回の作業入力は、「新たな手間になる」という反発もあったのではないかと思いますが、久野社長の強い推進力で大きく変えていかれた印象があります。
向島ドック 久野様
確かに現場からも経営層からもさまざまな反発はあり、その度に泥臭い話し合いを行ってきました。ですが現場については、とにかく面倒でも入力を続けてもらうと、ある時ふと社員が「仕事の徒労感が減った・給料が上がった・休みが取れるようになった」などの実感をするタイミングがあったんです。その時に「それはあなたが一生懸命に手元のTORQUEに入力してくれたからですよ」と再度伝えると、作業を行う理由が各人の中で腑に落ちる。こうなると改革は一気に進みます。また仕事の見える化が進んだことで、新人の育成もしやすくなりました。今の若い人は特に、「見通しがつかないこと」「無駄なこと」を嫌う傾向にあります。DXで効率化を進め、常に「今何をすればいいか」が明確になった結果、離職率も下がりました。さらに、乾さんの紹介で来られた企業さまをはじめ、他の会社さまが見学に来てくださると、社員たちも「自分たちのやっていることは、もしかして凄いことなのかもしれない」と自信や誇りを持ってくれるんです。
KDDI まとめてオフィス 乾
見学に伺わせていただくことが、向島ドックの社員様にとってもポジティブな影響を及ぼしているとのこと、嬉しい限りです。
向島ドック 久野様
仕事への誇りと、経済的な豊かさ。その二つが向上することで、最近では徐々に自分たちのあり方や方向性を社員自身が考えられる段階に入ってきた手応えがあります。象徴的だったのは、20数名の幹部社員が自分たちで経営理念をつくってきたことです。私からは一切口出ししなかったのですが、出来上がってきたものを見ると、彼らがちゃんと会社の大事にしているものを理解しているのが汲み取れた。あの時は身体に電気が走るようでした。きっと向島ドックは、私がいつか引退しても、向かうべき方向を自分たちで見定めて進んでいけると思えました。
さらに創造的なはたらき方を進める、「はたらく場」の提供。
KDDI まとめてオフィス 原
TORQUEの導入以後、複合機やMicrosoft 365 with KDDI、クラウドPBXなど、さまざまなサービスをご活用いただいています。例えば、社外のお客さまからの問い合わせは、ガイダンスに従ってダイヤルすることで、目的の受付先に着信させる機能などを導入し、業務の効率化につなげています。また、2024年にはオフィスのレイアウト変更も弊社でお手伝いさせていただきました。
向島ドック 久野様
オフィスのレイアウト変更の実施にあたっては、乾さんから事前に何を成し遂げたいかを入念にヒアリングしていただき、その目的にフィットした事務用品メーカー様に繋いでいただきました。さらにはそのメーカー様のオフィスや工場の見学までセッティングいただき、とても感謝しています。
KDDI まとめてオフィス 乾
あのときは、ご提案に伺う前に、私の方で数社の協力会社さまにプレゼンをしてもらっていたんです。その上で、向島ドック様に一番合うと思ったメーカー様を選び、ご紹介をさせていただきました。その後はメーカー様に直接お会いいただいて、会話をしながら向島ドック様のニーズを直接把握してもらうことで、実りあるご提案につなげられればと思ったのです。
向島ドック 久野様
メーカー様のオフィスや工場の見学を通して、私はオフィスにただ綺麗さや効率だけでなく、「新しいものを生み出すためのコミュニケーションが発生すること」を求めているのだとはっきりと分かりました。私の希望で工場長さんをアテンドいただいたのですが、やはり「現場」を持つ会社のオフィスをどうつくっていくかという点で、お互いに同じような悩みを抱えていることが分かり、そうした当事者性から生まれる製品やご提案には非常に信頼が置けました。また、私は会議一つとっても、メンバーの座席の位置関係でアウトプットが変わると考えています。新オフィスでは、日々の執務空間でも座席を固定せず、しかしフリーアドレスにもせず、その時々で最適な座席を組むというひと手間をかけています。ここでは、オフィスのレイアウト変更より前に、KDDI まとめてオフィスさんにクラウドPBXの導入を手伝っていただいて、固定電話に縛られない環境がすでにあったことが、さらなる創造的なはたらき方の実現につながる結果になりました。
業界を超えてノウハウを広げ、地方に根ざす企業のロールモデルへ。
向島ドック 久野様
将来的には、社員が作業をする際に、TORQUEに作業上の注意事項が表示され、未然に事故が防げるようなことも実現したいと思っています。安全管理の脱・属人化により、KKD(経験・勘・度胸)からの脱却を推進し、誰が安全管理者になっても現場の安全レベルが保たれる環境をつくり出したいです。作業データをクラウドに保存しておくことで、今いる社員のスキルの平準化という「横軸」だけでなく、人口減少の中にあってもノウハウを次の世代に引き継げるという時間的な「縦軸」の効果も生まれます。そうすることで、20年後の人手不足を20年分の蓄積を持って迎え撃つことができるんです。私たちは、こうした取り組みやデータ自体を最終的に全て社外にもオープンにしていこうと思っています。そうすればきっと、会社を超えて共感が生まれ、仲間が増え、行動が変わり、業界全体が盛り上がる。いずれは日本の内航海運や物流を支える人のはたらき方、その構造・環境をガラッと変えていけるのではと思いますし、尾道の街のシンボルとして、向島ドックが地方の一都市の発展の仕方や、雇用も含めた中小企業のあり方のモデルにもなれると考えています。
KDDI まとめてオフィス 乾
現場の生産性向上は、業界を超えた共通の課題です。向島ドック様の事例は、もはや船舶の修繕という業界の中にとどまる話ではなく、業界や地方の垣根を超えて影響を及ぼしていくに違いありません。その壮大なビジョンに向かい、私たちも常に最新の技術を提供しながら改革の伴走を続けたいと思っていますし、今後も積極的に私の担当するお客さまにもご紹介していきたいと思います。
KDDI まとめてオフィス 原
AIのビジネス活用といった最新の技術から、安定した通信基盤といった幅広いKDDIグループのアセットを使えることも、私たちKDDI まとめてオフィスの強みの一つです。将来いっそう人手不足が進むことが予測される中で、業界の垣根を超えてお客さま同士をつなげ、アイデアの共創を起こすことも、私たちが今後できる貢献だと考えています。これからも向島ドック様のパートナーとして、同じビジョンをしっかりと見据えながら、改革を進める久野様をはじめとした皆様を多方面から支援させていただければ幸いです。
※記載された情報は、掲載日(2024年9月30日)現在のものです。
「はたらく環境」にまつわる商品やソリューションのご紹介、
お問い合わせは下記ページをご覧ください。