導入事例:福岡雙葉中学校・高等学校 学びを止めないために タブレットの活用が加速した

2020年度入学の中学1年生に1人1台のタブレット(LTEモデル)を導入した福岡雙葉中学校・高等学校。コロナウイルスの影響による休校期間も生徒の学びを止めないため、教員がYouTubeに授業動画を迅速に公開。ICTの活用で危機を乗り越えた学校では、休校前とは比べものにならないくらい教員が積極的にタブレットを活用しています。

福岡雙葉中学校・高等学校

  • ICTを活用し 学びを量から質へ
    ICTを活用し
    学びを量から質へ
    学校が取り組む改革の中心は、
    タブレットを使ったICT化
  • タブレット導入で 生徒の主体性・創造性・表現力の向上へ
    タブレット導入で生徒の
    主体性・創造性・表現力向上
    授業が楽しく、
    生徒が主体性を持てば、
    深い学びにつながる
  • 使い方は教員も生徒も 一緒に学ぶことが大事
    使い方は教員も生徒も
    一緒に学ぶことが大事
    学校の方針を示したことで、
    苦手意識があった教員も変化
導入サービス

学校プロフィール

福岡雙葉中学校・高等学校

後列左から 法人事務 中村桂悟さん/永田芳之教頭/社会科 林一夫教諭/数学科 石井貴士教諭/理科 甲斐恭平教諭
前列左から 数学科 髙嵜良子教諭/国語科 森田亜紀教諭/谷本昇校長/社会科 清水功也教諭/英語科 長村裕教諭

福岡雙葉中学校・高等学校

https://www.fukuokafutaba.ed.jp/

福岡県福岡市中央区
私立 中高6年一貫 中学校 344名 高等学校 500名
(2020年5月1日時点)
伝統あるカトリック学校で、福岡市唯一の幼・小・中・高の総合学園(幼稚園は共学、小・中・高は女子校)。世界に羽ばたくグローバルシティズンの育成に取り組んでいる。英語教育に力を入れ、留学生や帰国子女がたくさんいることも特色。2015年度に文部科学省からSGH(スーパーグローバルハイスクール)に指定された。2019年度には、WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアムの連携校にも選ばれ、これまで以上にグレードアップしたグローバル教育を推進している。

抱えていた課題を KDDI まとめてオフィスが解決

  • 白黒の資料では生徒に伝わりにくい

    写真等のカラー資料により伝達効率が大きく向上

  • ノートや模造紙だけでは広がりが足りない

    写真・動画・音声を使い生徒の表現力を引き出す

  • 休校期間に学びが止まってしまう

    YouTubeに授業動画を一般公開しオンラインで課題提出

  • 導入前に技術的な疑問が山積

    システムエンジニアが打ち合わせに同席

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導入と変化

ICTを活用し
学びを量から質へ

谷本昇校長

谷本昇校長

社会科 清水功也教諭

社会科 清水功也教諭

英語科 長村裕教諭

英語科 長村裕教諭

福岡雙葉中学校・高等学校は、2021年度から全生徒に1人1台のタブレットを導入予定だ。一気にタブレットの導入を進める理由について、谷本昇校長は「学びを量から質に変えていきたいと考えています」と話す。さらに「生徒・教員の意識を変えていきたいし、教員の働き方も変えていきたい。すべてがリンクしていて、そのツールとしてICTが要になると考えています」と、教育現場のICT化により学校をよりよくすることに期待を膨らませている。

2019年度から中高共用で110台のタブレットを導入。そして、2020年度入学の中学1年生には、1人1台のタブレットを導入している。タブレットの導入効果について地理の清水功也教諭は「今までは地形を説明するとき、白黒の資料を見せて言葉で一生懸命伝えようとしていましたが、デジタルならカラーで見せることができるので一瞬で伝わります。その余った時間で、もっと深い内容を教えることができるメリットがあります」と話す。

アンケートツールのGoogle Formsを使えば、アンケートやクイズの結果を即座に全員に共有できる。同じテーマに興味がある人でグループを作る、回答結果を見ながら解説やディスカッションに活かす、なども簡単だ。英語科長村裕教諭は、SDGsをテーマにした総合的な探究の時間でも活用したという。「リアルタイムでクラスメイトの回答が可視化されるのは楽しいようです。テーマに対する興味の持ち方の質も変わってきました」と話す。

理科の授業では、タブレットのカメラを使い写真や動画を撮影し、実験でわかったことを動画にしてまとめ発表するなど、理解を深めプレゼン力を育むための工夫が凝らされている。 また、時短とともに質の向上にも貢献している例もある。生徒に宿題の回答を黒板に書かせてから解説する場合、板書に手間取ると解説の時間が減ってしまうことがあった。「タブレット導入後は、オンラインで提出された解答を簡単に電子黒板に表示できるので、すぐに解説に入れます」と数学科石井貴士教諭。無駄な時間がなくなり、演習問題を多くできるようになったという。決められた1コマの中で、学びの質の向上が少しずつ見え始めている。

数学 演習問題の解説

数学 演習問題の解説
数学科 石井貴士教諭

数学科 石井貴士教諭

タブレット導入で
生徒の主体性・創造性・表現力向上へ

社会科世界史 林一夫教諭

社会科世界史 林一夫教諭

社会科 清水功也教諭
英語科 長村裕教諭

社会科世界史の林一夫教諭はQuizletというクイズアプリを使い、生徒が主体的に楽しみながら知識を習得できる授業に取り組んでいる。歴史のクイズと回答・解説をアプリに登録しておき、授業中にチーム戦で競わせる。分からなければチームで相談させる、間違ったら紙の資料集を参照させるなど工夫している。こういった授業設計のポイントはICTの活用如何を問わないため、授業が上手い先生はICTを使った授業でもその強みが発揮されるそうだ。

ICT推進委員長 甲斐恭平教諭

ICT推進委員長 甲斐恭平教諭

音楽の授業では、タブレットに入れたボーカロイドアプリやデフォルトのDAWアプリを使うことで、これまでとは違ったアプローチで曲づくりに取り組ませることができ、生徒が主体的に創造性あふれる作品を作ることができた。
ICT推進委員長の甲斐恭平教諭は「デジタルネイティブ世代の生徒にとって、授業でタブレットを使うことは、大人が思うよりも大ごとでない可能性があります」と話す。直感的に操作できる機種を選んでいることもあり、生徒たちはタブレットを文房具の一つとして自然に使いこなすという。

使い方は教員も生徒も
一緒に学ぶことが大事

4月13日からYouTubeで授業を開始

4月13日からYouTubeで授業を開始

谷本昇校長

谷本昇校長

コロナウイルスの影響により休校が余儀なくされた2020年度1学期のスタート。福岡雙葉中学校・高等学校は、4月13日という早い段階で授業動画のYouTube公開を始めた。「休校がいつまで続くのかが、わからない状況でしたので、教育を止めないためにどうすればいいかを最優先に考えていました」と話す甲斐教諭。突然起こってしまった教育の危機。タブレットを教員に導入したのは1年前だったが、全教員が今ほどは使っていなかったという。パソコンやタブレットで授業動画を作り一般公開するという内容に、当初は躊躇する教員もいたが、谷本昇校長は「困っている生徒のためにYouTubeで授業動画を公開し、学校としてICTを一気に推進させるという方針を教員にしっかりと伝えて教員の理解を得ました。タブレットの使い方がわからない教員は、使いながら学んでいけばいいんです」と話す。校長が方針を伝えると、デジタルに強い教員を中心に勉強会を開催。苦手だった教員も積極的に参加し、使い方を習得していった。

ご担当者様の声

学校法人 福岡雙葉学園  法人事務室 中村桂悟 さん (経理・ICT・総務)

学校法人 福岡雙葉学園
法人事務室 中村桂悟 さん (経理・ICT・総務)

最終段階で通信キャリア2社に絞り、費用と内容を見て比較していました。KDDI まとめてオフィス西日本に決定したのは、費用面でギリギリの交渉に応えていただけたことと、契約前の打ち合わせからシステムエンジニアの方が同席してくださり、細かいところまで確認できたことが大きかったです。導入後、わからないことやトラブルがあっても、システムエンジニアの方にアドバイスいただき、助けられています。また、様々なベンダーと取引がある会社なので、業務システムや什器など通信機器以外の相談もまとめてできるところもありがたいです。

KDDI まとめてオフィス西日本株式会社 九州支社 法人営業2部 営業1グループ 古賀大樹

KDDI まとめてオフィス西日本株式会社 九州支社 法人営業2部 営業1グループ
古賀大樹

コロナ禍での休校期間中でも、YouTubeでの積極的な授業動画配信で生徒の学びを止めなかった福岡雙葉様。「登校再開後は通常授業ができるので、ICT活用は必要無いとも言えるが、休校期間中にICTに全力で取り組んだことで、授業の意味、学校の意味、自身の授業のやり方を見直すなど、意識の変革があった。それこそが、登校再開後の大きなICT活用の恩恵であり、生徒も先生も、今までとは大きく違っている」という先生のお話の通り、生徒も先生も、生き生きと授業に取り組まれている姿がとても印象的でした。コロナ禍での休校という、ネガティブな要素を乗り越え、見事にポジティブな雰囲気に変革された福岡雙葉様。これからも、良い学校で良い授業ができるようサポート致します。

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まとめ

  • 授業時間のロスがなくなり、学びの機会の増加
  • 授業が楽しくなれば、生徒の主体性・創造性・表現力につながる
  • 教職員一丸となったICT活用の取り組みが学校をアップデートさせた