2020年度の新入生から、1人1台のタブレット導入を始めた京都橘中学校・高等学校。授業スピードが上がり時間に余裕が生まれ、+αにチャレンジできるようになった事例をご紹介します。
京都橘中学校・高等学校
導入事例
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- 授業スピードが上がり
教科書+α
に取り組める - 板書などの時間を削減し
+αを教える時間ができた
- 授業スピードが上がり
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- 多様な教材を導入し学力向上を狙う
- オンライン英会話や海外の絵本朗読に
手軽に取り組めるようになった
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- 教材の共有化がしやすく
授業内容の均一化が図れる - 授業で使うPowerPoint(R)などを共有し
これまでよりも内容の均一化ができた
- 教材の共有化がしやすく
- 導入サービス
左から 中学教務主任 桶﨑 美穂 教諭(理科)/ICT委員長 杉島 和史 副校長/ ICT委員会 藤野 大次郎 教務部長/中村 敬仁 事務長
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京都橘中学校・高等学校
京都府京都市伏見区桃山町
私立 中学校208名 高等学校1,127名(2021年5月1日時点)
京都橘中学校・高等学校の前身は、1902年に設立された京都女子手芸学校。良妻賢母主義の女性教育が中心だった当時には珍しい女性のための実業教育を行う学校だった。京都橘の建学の精神である「力を実業教育に注ぎて、将来自営独立の実力を得しめん」のとおり、規模や教育内容を大きく発展させながらも、「生徒・学生に自立して生きる力を付けたい」という想いは、今も変わることなく受け継がれている。2022年には創立120周年迎える。
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教科書を進めるだけで時間が足りない
授業を効率化し+αを充実させることができる
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議論や発表を行うにも準備が大変
解答の共有やプレゼンが手軽にできる
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英語に慣れるための機会をもっと増やしたい
アプリケーションやサービスを導入し機会を創出
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授業内容が教員により異なる
教材の共有がしやすく授業内容の均一化が図れる
豊富な導入事例があります。
まずは資料をお役立てください。
授業スピードが上がり
教科書+αに取り組める
ICT委員長 杉島 和史 副校長
ICT委員会 藤野 大次郎 教務部長
京都橘中学校・高等学校では、アクティブラーニングの実現に向け、当初、共用のノートパソコンを導入した。しかし、すぐにノートパソコンを使いたい授業が増えていったという。ICT委員長の杉島和史副校長(国語)は「共用のノートパソコンはコンピューター室に置いてあり、生徒が移動して使っていましたが、やはり1人1台持つことのメリットが非常に大きいと感じました」と当時を振り返る。1人1台の端末を導入した学校から評判を聞き、生徒が操作に慣れているセルラーモデルのタブレットの導入を決めた。並行してWi-Fiや教室の短焦点プロジェクターも整備し、2020年度の新入生から1人1台のタブレットを導入した。
タブレットとプロジェクターにより、PowerPointなどのファイルを投影することで、教員が板書にかけていた時間を削減。プリントを配布・回収していた時間は、学習支援クラウドのロイロノート・スクールを使い一瞬でできるようになった。これらの時間短縮効果により、教科書を進めるスピードが体感で1.5倍早くなっているという。藤野大次郎教務部長(国語)は「教科書を全部やった上で、去年の入試で出た問題をできるようになったプラスアルファは大きいです。生徒にたくさんの文章に触れさせ、より広い視野をつけることができます」と話す。捻出した時間を使い、ロイロノート・スクールで生徒の答えをクラス全体に共有したり、グループワークを行ったり、プレゼンテーションを行ったりすることで、生徒に主体性が生まれている。
多様な教材を導入し
学力向上を狙う
京都橘中学校では、英検取得を通した生きた英語の習得に力を入れている。その習得過程は、幼児が母国語を身につけるときと同じ「聞く→話す→読む→書く」という順番で学んでいく。中学1年の時点では特に「聞く・話す」を徹底して行い、英語に親しみを持ってもらうことを目指している。1人1台のタブレットが導入されたことで、その取り組みが加速している。
2020年度から、オンライン英会話と、海外の本の読み放題サービスXreadingを導入した。オンライン英会話は、外国人と1対1で毎日25分レッスンを受けられるサービス。生徒は家庭学習として取り組み、「聞く・話す」に特化した生きた英語を養っている。そして、Xreadingは、まず英語の幼児用絵本から読みはじめ、朗読音声も聞く。これをほぼ毎回の授業で20分ほど行っている。友田哲平教諭(英語)は「最初は1ページに1文しかないような絵本からスタートします。読みながら聞いて、内容がわからなくても調べない。絵の表情などから推測するということをたくさんやっていった結果、生徒は聞くこと話すことに関して貪欲になり始めました。1人1台のタブレットで手軽に取り組めるようになって、生徒はさらに伸びるだろうと思っています」と話す。Xreadingは、生徒がどのくらいのスピードで読んだかの確認や、クイズを設定し理解度を確認することもできる。そして、生徒各自が違う絵本を読むことになるため、おすすめの絵本を紹介するスライドをロイロノート・スクールで共有するなど、楽しみも取り入れながら進めているという。友田教諭は「みんなが楽しく取り組み、結果が結びついてくれば、より好循環が生まれるだろう」と話す。実際に中学1年終了時点での英検取得状況を見ても、いい結果が出ている。
また、高校の理科では、教科書の副読本が入っているデジタル教材プラットフォームLibryを今年度から使い始めた。中学教務主任の桶﨑美穂教諭(理科)は「Libryは、授業中に問題集を解かせるところで使っています。教科書とリンクしているので、ポイントとなる問題をプロジェクターに映し出して解説しています。細い線のグラフもくっきり映るので、生徒がイメージしやすくなりました。」と話す。そして、デジタル問題集だから可能なのがデータの活用だ。桶﨑教諭は「生徒が各自丸付けを行い、正解・不正解のデータだけでなく、問題を解くまでにかかった時間も集計されるので、教員は生徒の理解度を推測することもできます」と話し、今後受験前での活用に期待している。また、Libryには、学習履歴データに基づき一人ひとりに最適化された問題をレコメンドする機能もあり、個別最適化学習(アダプティブラーニング)も実現できる。
友田 哲平 教諭(英語)
中学教務主任 桶﨑 美穂 教諭(理科)
教材の共有化がしやすく
授業内容の均一化が図れる
中村 敬仁 事務長
生徒1人1台のタブレットを導入するにあたり京都橘では、教員用のタブレットをその1年前に導入した。導入時のことについて中村敬仁事務長は「導入したのに使用されなかったらどうしようと、正直思っていました」と話す。しかし、その心配は無用だった。杉島副校長は「我々ICT委員会のメンバーが広げるというだけではなく、得意な教員がこんな使い方があると教えてくれました」と話す。藤野教務部長は「春夏の教科研究会や研究授業で使い方に関する意見の出し合いや、職員室でも他の教科でこういう使い方をしていたのがよかったなど、情報交換をしました」と話す。このようにして授業での使い方は自然と広がっていった。
また、デジタル化が授業内容に影響を与えている側面があるという。杉島副校長は「同じ授業を複数の教員がやっているのですがPowerPointを使って授業をすると内容が均一になります。クラスごとの平均点の差が出にくくなっています」と話す。PowerPointファイルを教員間で共有しているため、授業展開が同じになっていることが大きく、これまでも教案をもとに授業を行ってきたが、より均一化した授業が提供できているという。
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京都橘中学校・高等学校 中村 敬仁 事務長
導入後のサポートまで親身になって話を聞いてくれた
利用範囲が広がるセルラーモデルの導入を決めていましたので通信会社からの導入を考え、複数社と交渉する中で、価格面で頑張ってくれたことが決め手になりました。導入時のキッティング作業の協力や導入後のサポート面について、親身になって話を聞いてくれたことも大きかったです。
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KDDI まとめてオフィス関西株式会社 関西営業本部 ソリューション京都支店
川端 宏和タブレットを導入いただくまでに京都橘様で抱えていた課題を洗い出し、すべてクリアできるように努めました。導入後は校内で運用するにあたってどのようにすれば先生方、生徒さんに負担がかからないかを考えサポートさせていただいております。今後もより一層お力添えさせていただきたく存じます。
豊富な導入事例があります。
まずは資料をお役立てください。
- 授業スピードが上がり+αな学びが充実
- アプリやサービスを導入し目指している教育を加速
- デジタル教材やプラットフォームの導入により学習履歴の活用が見込まれる
- PowerPointなどの共有化で授業内容の均一化が図れる