2021年8月に完成した新校舎。教室の中心には86インチの大型電子黒板を設置した。1人1台のタブレットとともに、静岡サレジオ小学校が本格的にスタートさせた教育ICT化の事例を紹介します。
静岡サレジオ小学校
(プライマリー・ステージ)
導入事例
-
- 限られた時間で
情報を最大限伝えるため
電子黒板を中央に設置 - 電子黒板に多くの情報を提示し
その脇に書かれた要点とともに理解を促す
- 限られた時間で
-
- ICTの力で
すべての学習につながる
国語の基礎力を向上 - 国語の基礎力に注力している中
ICTの導入で理想の教育に近づいた
- ICTの力で
-
- ICTを活用し
教職員間の連絡や
登下校管理の効率化を実現 - 資料やスケジュールを共有し
連携強化や業務効率化を実現
- ICTを活用し
- 導入サービス
-
- タブレット
- 電子黒板
- スマートフォン内線電話
- 什器(本棚)
左から プライマリー・ステージ 青野 雅子 教頭 / 末吉 弘治 理事長・学園長 / 沼波 岳臣 学校長 / 石田 祥一郎 事務局長
-
学校法人 星美学園 静岡サレジオ
静岡県静岡市清水区
私立 幼稚園 185名 小学校 411名 中学校 226名 高等学校 450名
(2021年5月1日時点)
静岡サレジオでは、幼小中高の一貫教育のなかで、独自の教育プログラムを展開している。小学校から中学校への進学時に、新しい環境での学習や生活へ移行する段階で不登校等が増加するなど、いわゆる“中1ギャップ”を解消するため、6・3・3制ではなく4・4・4制を採用。小1から小4をプライマリー・ステージ、小5から中2をミドル・ステージ、中3から高3をカレッジ・ステージとしている。プライマリー・ステージは、きめ細やかな指導をするため1学級25名程度とし、学びの基礎力を高めている。2020年2月、幼稚園とプライマリー・ステージは、国際的な教育プログラム「国際バカロレアPYP (プライマリー・イヤーズ・プログラム)」の認定校となった。
-
カリキュラムを変えずに思考・表現に注力したい
ICTの力でカリキュラムを変えずに時間を捻出
-
文章の要約を教えるには手間が掛かった
電子黒板上で文章を切り取り要約が簡単にできる
-
他の教員が何をしているか把握できていなかった
スケジュールの共有で全員が把握できる
-
複数社との取引だと不具合が起きた時に複雑に
タブレット・電子黒板・通信をまとめて相談できる
豊富な導入事例があります。
まずは資料をお役立てください。
限られた時間で情報を最大限伝えるため
電子黒板を中央に設置
2021年8月、静岡サレジオ小学校(プライマリー・ステージ)の新校舎が完成した。ホワイトボードの中央には86インチの電子黒板が固定されている。電子黒板は、旧校舎では黒板の補助的な存在だったが、新校舎では中央に設置し、教室のメインとした。電子黒板を中央にした理由について末吉 弘治理事長は「大型モニターならクラス全員から文字が見えるということと、電子黒板に教員や生徒からの情報をたくさん提示し、その情報を整理していきたいから教室の中心にしました」と話す。その両サイドのホワイトボードには、要点や基礎情報などを書き理解を促すという。
2020年度から導入されている児童1人1台のタブレットとともに、教育にICTを取り入れる理由について末吉理事長は「今の学力観で重要とされているのは知識・技能の習得よりも、思考力・判断力・表現力をつけることです。しかし、知識・技能を怠っては学力の低下につながってしまいます。教員が知識・技能の情報提供に50分かけていた時間を25分に短縮し、児童が思考や表現にかける25分を作ることが、ICTを導入した最大の理由です」と話す。ICTを活用し、板書などにかけていた時間を省略することで、これまでよりも短い時間で多くの情報をインプットすることができ、さらに、演習・ディスカッション・プレゼンテーションといったアウトプットまで取り組む時間も確保している。
末吉 弘治 理事長・学園長
さらに、末吉理事長は「小学校から、自ら問題を見つけ、課題解決型の学習をやっていく必要があります。主体的に学ぶことを覚えた子どもたちが中学・高校に上がり、もっと学びを深めることが私たちの一貫教育の狙いです。本当にアクティブラーニングができる子どもたちが育てば、教員の仕事は、ティーチャーからファシリテーターに変化させていきたいです」と話す。静岡サレジオでは、知識を教えるだけではなく、学び方を教えることを重視している。その学び方を教えるうえでも、ICTを活用した教育に期待を寄せている。
さまざまな授業でタブレットが活用されている
ICTの力ですべての学習につながる
国語の基礎力を向上
プライマリー・ステージでは、国語の基礎力を高めることに特に注力している。小学2年の国語の授業では、教員が電子黒板にデジタル教科書の文章を表示し「この段落の中心文はどこですか?」と児童に質問していた。段落ごとに中心文を抜き出していくと、わずか数分で文章の要点がわかっていった。国語の教員でもある末吉理事長は「以前は、模造紙に長い文章を書いておき、中心文をはさみで切りとり、それをつなぎ合わせて見せて『100字で要約してください』と、大変ですけど大切だと思ったのでやっていました」と話す。
もう一つの国語の授業では、ヘッドホンをした児童1人1人が、タブレットの音声を聞きながら文章を読んでいた。これは、児童の黙読スピードを上げる目的で行っている「読むとくメソッド®」という学習塾などで使われている学習システム。朗読音声を聞きながら文章を目で追っていき、徐々に音声のスピードを上げることで黙読スピードを鍛えていくためのもの。慣れてくると、早い児童だと3倍速の音声でも文字が追えるようになり、本を読むスピードの向上につながっていくという。末吉理事長は「私が気に入って取り入れました。読み聞かせと同じ手法で、2年生までに黙読スピードを育てることが狙いです。本をちゃんと読む子を育てることが重要です」と話す。この取り組みが、理解力や集中力などの向上に役立ち、本を読む力が全ての学習へとつながっていくという。
末吉理事長は「ICTの力を借りながら、児童がつけなければいけない力をつけていくというのがコンセプトです。これまではできなかったことが、楽にできるようになりました。学校としては、やりたいことはいっぱいあるのに、できなかったというのが本当のところで、それが理想的にできるようになりました」と話した。
国語の授業で文章の要約をさせるときのイメージ図
ICTを活用し教職員間の連絡や
登下校管理の効率化を実現
朝礼では、プライマリー・ステージの青野 雅子教頭が Google Meet で全教室をつなぎメッセージを配信していた。新型コロナウイルスの影響により、集会ができない状況下でも簡単にライブ中継ができるのもタブレットの利点だろう。幼小中高の校舎が隣接しているものの、現在は全教員の研修会もオンラインで行っているという。タブレット導入以降、教員同士の連携がより密になったと感じているという末吉理事長は「離れていても教員同士がスケジュールと資料を共有しているので、実際に顔を合わせることがさらに有効になっています」と話す。そして、内線電話を、1人1台教員に持たせるスマートフォンにしたことで、教員を探す手間がなくなるなど、事務室の負担を減らすことに成功した。このスマートフォンを使い校内放送を入れることもできる。
さらに、登下校の管理にもICTを活用している。児童がエントランスでICカードをかざすと保護者にメールが配信されるシステムCoDMON(コドモン)を採用。出欠確認ができるだけでなく、保護者の安心感も得られている。
また、教員が使う教材もデジタル化が進みクラウド上で保存・共有しており、それぞれの教員が部分的に改良して使うなど業務効率化も進んでいる。これまでも教材庫に紙で保管されていたが、デジタルでは検索ができるため、簡単に探して使うことができる。
このように、教職員の連携強化や、業務負担の軽減などにICTの力が欠かせない存在となっている。
-
学校法人 星美学園
石田 祥一郎 事務局長もし不具合が起きても1社で解決できる安心感
3年ほど前、内線電話を変更したときから取引がはじまり、1人1台のタブレット(セルラーモデル)を導入する際にも他社と比較したうえでお願いしました。電子黒板は、デモ機に事前に触れさせていただき導入を決めました。授業で使うタブレット・電子黒板・通信を一手にお任せしているので、もし不具合が起きたとしても1社に連絡するだけで解決できる点も安心です。通信関係以外でも図書室の特注の本棚を納入いただきました。現場の教員とよく話してニーズをくみ取り提案していただけるので助かっています。
-
KDDI まとめてオフィス中部株式会社
中部支社 ソリューション静岡支店
小林 義正事務局・教員の方々とさまざまな意見交換をし、また何度も現場で見させていただき、アイデアを形に変え日々進化するICT教育に携われたことに喜びを感じております。これからも通信会社として最大限のサポートをご提供させていただきます。
豊富な導入事例があります。
まずは資料をお役立てください。
- 授業のカリキュラムを変えずに思考・表現にも注力できた
- やりたかった学び方が手軽にできるようになった
- 教職員の連携強化や業務効率化ができた
- まとめて発注いただくことでアフターサービスが1社で完結