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制度を変えるだけじゃダメ!?オフィス環境を変えることで実現する、躍動感溢れる職場

制度を変えるだけじゃダメ!?オフィス環境を変えることで実現する、躍動感溢れる職場

2017年11月02日掲載(2023年11月08日更新)
※ 記載された情報は、掲載日現在のものです。

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いま、『仕事の生産性の向上』があらゆる企業に求められています。各社でさまざまな対策を打ち出し、制度を整える動きがみられる中、興味深いのは『オフィス環境を変える』ことで、効率的に仕事の質を高めることを実現したケースです。オフィス環境をどのように変えればよいのか?結果として、どんなメリットが生まれるのか?全5回の連載コラムでお送りします。第1回は、オフィス環境を変える前に考えておきたい『目的』についてご紹介します。

目次

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国レベルですでに始まっているオフィス改革

国レベルで議論されている改革は、残業時間の上限を設定したり、時短勤務を導入するなど、"制度を整備すること"という側面がクローズアップされがちです。もちろん、働きやすい制度をつくりあげることも大切ですが、改革を実現するうえで盲点になりがちなのが『オフィス環境の改善』です。

近年、オフィス環境を一新した企業がメディアに取り上げられることも増えてきています。オシャレで先進的な企業に限ったことと思われがちですが、実は一昨年より、国家公務員の間でも、ワークスタイル変革を目指したオフィス環境を変える試行的な取り組みがスタートしていることをご存じでしょうか。

具体的にんなことをしているのかというと、まずは個人の座席を設けない『フリーアドレス制』の導入と、印刷物の削減・ペーパーレス化です。自分の席があると、どうしても机の上にさまざまな書類を積み上げてしまいがち。しかし、書類を電子化し、無線LANなどのICTを活用することで、ノートパソコンを持ち運び、執務室内のどこでもペーパーレスで仕事や打ち合わせができるようになります。同時に、電子ボードによるスムーズな情報共有が図れる打合せも可能にしているとのことです。

さらに興味深いのは、各チームごとに大きなテーブルを設置し、同じ仕事をする職員がひとつのテーブルを囲むようにすることです。これにより、チーム内の情報共有がスムーズになるなど、職場内でのコミュニケーションの活性化も促しています。その輪に上司が加わることで、意思決定や進捗報告などの効率も上がることにつながるでしょう。

ペーパーレス、フリーアドレス制、ひとつのテーブルを囲む配席。これらはICTによるオンラインの整備だけでなく、オフィスという物理的環境の変換も同時に考えられています。オンラインとオフライン、双方の整備に並行して取り組むことが、働き方改革の実現につながるといえるでしょう。

目指すは『コミュニケーションの無駄をなくし、生産性がアップする』職場づくり

個人宅の模様替えなら、『気分を変えたい』という理由ひとつでも良いでしょう。しかしオフィス環境を変えるとなると、まず目的を明確にして、そこからどう変えていくべきか考える必要があります。

オフィス環境の場合、まず最初に目的として据えたいことは、コミュニケーションの無駄をなくし、効率を上げていくことです。たとえばメール。上司への報告や社員同士の情報共有、取引先との連絡など、誰しも日々、複数のメールの送受信を行っていると思います。しかし、『ちりも積もれば山となる』ように、1日に換算すると非常に多くの時間と労力を割いていることになります。そこで近年では、社員間のやりとりは「LINE WORKS」などのチャットツールを使い、コミュニケーション効率を上げる方法が注目されています。また、テレビ会議システムを導入し、遠隔地同士でのコミュニケーション効率を上げると同時に、会議へ赴く時間と労力の削減に向けた動きも顕著です。

そこで、オフィス環境を変える目的にしたいのは『生産性のアップ』。コミュニケーションの無駄がなくなることによって生じた時間を別の業務に充てられることも生産性アップにつながりますが、たとえばリラクゼーションエリアやクリエイティブな発想を刺激する打合せルームなどを設置するなど、社員のモチベーションを上げることも有効な手段です。

ここでもうひとつ、興味深い例を挙げてみましょう。とある部品開発製造会社の話です。この会社では、顧客の要求どおりの製品をつくる『受注型』でしたが、高付加価値で新規開拓にもつながる『提案型』への転換を考えていました。そこで『オフィス改革を起爆剤として働き方を一新できないだろうか』と考え、新社屋建設プロジェクトが発足。創業当時のように風通しのよい職場に戻すべく、『ひとつ屋根の下』というコンセプトを掲げ、全部門長を1カ所に集めて部門間の壁を取り払い、ハチの巣状のデスクレイアウトにするなど、オフィス改革を進めたといいます。その結果、コミュニケーションが活発化し、社員のモチベーションも向上。受注型から提案型へ、ビジネスモデル自体の転換にも成功したという好例です。

ちなみに、コミュニケーション効率と生産性アップを前提とした環境改善を行う中で、次世代照明や受付無人化などコスト削減が実現したケースもみられます。コスト削減についても、今後のコラムで詳しく述べていく予定です。

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オフィス環境が社員や経営に与える影響は、ことのほか大きいといえます。次回は、オフィス環境づくりに際して気に留めたいポイントを、具体例を交えながらご紹介します。

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