環境が変わると意識が変わる!固定席を持たないフリーアドレス制のメリットとは
『オフィス内に自分の机がない』。言葉尻だけ捉えると少々ネガティブに感じる状況ですが、今では自分の席を持たずに仕事をこなす『フリーアドレス制』を導入する企業も増えてきました。今回のコラムでは、フリーアドレス制を導入すると何が変わり、どんなメリットが生まれるのか、紐解いてみましょう。
目次
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フリーアドレス制がもたらす、コミュニケーションの活発化
長年、自分の席がある状況に慣れ親しんでいる方にとって、フリーアドレス制はなかなかイメージしづらいかもしれません。この働き方は、21世紀に差し掛かる1990年代後半からIT企業などを中心に増えてきました。
当初は、省スペース化によるコスト削減を目的とする企業も多くありました。営業など外回りする社員が多く、日中はオフィスがガランとすることが多い----。ならば、席を複数人で共有しよう、一回り小さなオフィスに移転してコストを減らそう、という意図です。
しかし、端的にコスト削減のみを目的とするフリーアドレス制に社員がなじめず、再び固定席を設けるスタイルに戻した企業もありました。一方、フリーアドレス制を取り入れて一定の成果を出している企業は、『社員同士で交流し、コミュニケーションを活発にする』という目的を明確にしたうえで環境づくりをしていることが大きな特長です。
フリーアドレス制になると、隣に座る同僚が日によって変わってきます。部門が異なる場合もあるでしょう。その同僚との会話から、新たなアイデアや部門の垣根を超えた情報共有につながっていくことが、フリーアドレス制のひとつの大きなメリットです。『顔は知っているけれど話したことはない』というケースがありがちな大企業ほど、新たな交流と発見が生まれる可能性に満ちているといえます。
フリーアドレス制の導入と並行して、会議室を減らした企業もあります。一見すると不便そうに感じますが、そのかわりに社員同士が気軽に会話できるフリースペースを新たに設置したところ、活発な交流の場になったとのことです。社外秘の資料に目を通すような会議は、会議室。気軽にアイデアを出し合うブレインストーミング(注1)や、参加人数の少ない進捗報告などは、フリースペース。フリーアドレス制の導入に伴い、こうした使い分けを考慮したオフィス環境づくりは有効です。注1)ブレインストーミング(brainstorming)...新たなアイデアを生み出すための手法の一つ。チーム内で一つのテーマについてお互いの意見を出し合うことで問題解決に結び付けていく手法。
ICTツールの進化がもたらした、フリーアドレス制の普及・定着
フリーアドレス制だと、セキュリティを確保する必要性が高い執務エリアなどを除き、デスクトップ型パソコンは用いません。ノートパソコンやタブレット、スマートフォンを駆使する仕事のスタイルが、いたって自然なスタイルになります。かつては机に座っていれば、なんとなく『仕事した気分』になってしまっていた社員も、いつ、どこで、どんな作業をこなすと効率がよいかを考えながら、自らのスケジュールを組み立てる必要が生じてくるといえます。これこそまさに『生産性の向上』です。
先程、『フリーアドレス制を導入したが、固定席制に戻した』企業があると述べましたが、そうなってしまった理由は、現在ほどICTツールが進化していなかったこともあるでしょう。かつては電子化された書類も少ないため、置き場所(机)が必要になります。ノートパソコンも今より高価で、皆が1台ずつというわけにはいきません。移動中の社員とのコミュニケーションも今より格段に取りづらい状況でした。こうした課題がICTツールの進化によってクリアとなることで、現在、フリーアドレス制が改めて注目されるようになったといえるでしょう。在宅での勤務を含め、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方、すなわちテレワークも、フリーアドレス制であればスムーズに導入することができ、働き方改革につながります。
また、フリーアドレス制のオフィスは、見た目もスッキリとしています。理由のひとつは、ペーパーレス化が進んで紙の書類が少ないから。もうひとつは、机の下でごちゃついていたLANケーブルでのネットワーク接続ではなく、Wi-Fiによる接続がメインになったことでしょう。
その一方で新たに浮上してきた課題は、Wi-Fiの扱いです。Wi-Fiルーターを購入して設置したけれど不安定だったり、各ケータイ会社のWi-Fiスポットを設置しているけれど、各社のWi-Fiが干渉しあってか繋がりづらいケースもあり得ます。もちろん、運用の手間も発生する----。そんな課題に対して、KDDIまとめてオフィスでは、必要最低限なWi-Fiの台数や設置場所などプロによる調査から構築、運用まで、一貫してサポートするWi-Fiサービスを提供しています。せっかくフリーアドレス制にしても、Wi-Fiが安定していなければ効果は半減どころかマイナスに陥ってしまいますので、ぜひプロにご相談ください。
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従業員に『働きやすさ』という大きなメリットをもたらすオフィス環境の改善。その一方で、企業を経営する側としても『コスト削減』につながるメリットがあります。次回はオフィス環境づくりに伴うコストメリットについて紹介します。
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