ドライブレコーダー特集
事故を防ぐための法人向け通信機能付きドライブレコーダー活用法
前回は、業務用における通信機能付きドライブレコーダーの必要性について解説しました。今回は、クルマを運転していると逃れることができない最大のリスク「事故」にフォーカスして、通信機能付きドライブレコーダーの必要性をチェックしていきます。
クルマ関連メディアの運用に関わっているものの、ドライブレコーダーは初心者のライターが引き続き、KDDIまとめてオフィス株式会社に話を聞きます。
目次
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KDDIまとめてオフィス株式会社 営業推進本部 サービス推進部 企画G
鰐部直生(左)・柳田裕太(右)
重大事故は氷山の一角!?
ライター:前回のお話で、通信機能付きドライブレコーダーを使えば、事故防止は可能だと知りました。今回はさらにそのテーマを深掘りできればと思っています。
鰐部:通信機能がないドライブレコーダーは事故後の対処には役立っても事故防止にはなかなかつながりにくいでしょう。その点、通信機能付きドライブレコーダーなら、運転者に危険運転を知らせたり、その状況を管理者が把握したりするなどで事故予防に役立てることができます。ドライバーが事故を起こしやすいかを知ることができれば、事前に指導など予防策を打つことが可能になります。
ライター:事故を起こしやすい人を把握できるのはいいですね。
柳田:有名な「ハインリッヒの法則」では、1回の重大事故の背景には、29回の軽微な事故、損害はないが事故手前の300回の「ヒヤリ・ハット」があると言われています。
ハインリッヒの法則 ※アメリカのハインリッヒ氏が1929年に発表した労働災害における経験則のひとつ。ヒヤリ・ハットとは、重大な事故につながる恐れがある、事故一歩手前の「ヒヤッとした」「ハッとした」事象を指す。
ライター:なるほど。だからこそ、日々の中でいかに事故手前の危険運転を察知し、事故の芽となる事象をなくすように指導することが重要なんですね。
柳田:そうなんです。事故防止のためにも、通信機能付きドライブレコーダーはとても効果的だと言えるでしょう。
「記録する」ことで意識改革!
ライター:その他にも事故防止に役立つ機能はありますか?
鰐部:まずひとつめは、記録機能です。カメラが車外だけでなく車内についている機種ではドライバーの様子もあわせてチェックできます。事故を起こす人は、普段からその要因を持っている可能性が高いため、管理者に「見られている」という意識を持つことで、運転が丁寧になるなど変化が期待できます。
柳田:また、警察庁によれば、携帯電話を使用したことでの事故件数は横ばいですが、スマートフォンの画面を見たり、操作したりすることで発生した事故は、その中でも増加傾向にあるのだそうです。
参考:警察庁「やめよう!運転中のスマートフォン・携帯電話等使用」https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/keitai/info.html
ライター:メッセージを受信すると反射的にスマートフォンを見る癖がある人にとっては、これはドキッとする情報ですね。
鰐部:社員ひとりひとりに管理者に見られているかもしれないという意識を持ってもらうことは、危険な行動の抑止にもつながります。
危険運転アラートや録画動画で安全運転指導、事故リスクを軽減
ライター:荒い運転をするとリアルタイムで動画付きのメールが飛ぶというのも緊張感がありそうですね。
鰐部:すぐに状況を把握できるので、危険な運転をした従業員への指導も素早く行えます。ヒヤッとしても、時間がたつとその意識は薄くなりますので。
ライター:これがあれば運転する側も丁寧な運転を心がけるようになるので、結果的に安全運転になりそうですね。日常的に運転しない人にとっては、仕事をしながらドライビング指導を同時に受けているような感じでいいですね。
柳田:録画した動画は、のちのちの安全講習に使えます。登場するのが自分や仲間の映像なので、普通の教習映像よりもよりリアルに感じることができますね。
ライター:それはうれしいような、おそろしいような。なかには抵抗を覚える人もいるのではないでしょうか。
鰐部:安全運転を継続すれば、取り上げられることもないと思うので、より丁寧な運転をする意識付けにもつながると思います。
ライター: 取り上げられないように、常に安全運転を心がける。それは、確かに意識付けになりそうです。運転者にとっても、安全運転をすることはメリットしかないですしね。
車両管理を怠った場合のデメリットとは?
ライター:ところで、車両管理や社員教育を怠ると、どのようなデメリットが発生するのでしょうか。
鰐部:第一に、規定の台数以上の自家用自動車を使用する事業所等は安全運転管理者を定めなければならないと法律で定められていおり(道路交通法 第74条)、選任しないと5万円以下の罰金です。もし、従業員が業務中に交通事故を起こした場合、「使用者責任」(民法第715条)や、「運行供用者責任」(自動車損害賠償保障法 第3条)を問われ企業が責任を負うことになります。
ライター:企業にとって車両管理と事故を防ぐための日頃の指導は怠れない業務なのですね。
<押さえておきたい、法人の車両管理ポイント>
・安全運転管理者を定めないと5万円以下の罰金
・業務中の事故は企業が責任を負う
これまで3回にわたってドライブレコーダーの必要性や、業務用の通信機能付きドライブレコーダーでできることなどを伺ってきました。
何事もトラブルになってからではあとの祭りです。未然に防ぐことができるなら、対策するに越したことはありません。それが会社のためにも、従業員の安全のためにも必要なのです。次回はいよいよ、実際の製品についてレポートします。
ライター蓑島誉子(みのしま たかこ)
クルマ関連メディアのライター歴4年目だが、ドライブレコーダーについては初心者。NCAP(新車アセスメントプログラム)の勉強会に参加してから、クルマの安全について強く興味を持つようになった。
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