働き方改革により、これまでもテレワークを推進する企業は、増加傾向にありました。新型コロナウイルスの感染拡大は、その流れをさらに加速させ、営業職に関してもテレワークの必要性が高まっています。
しかし、対面が基本とされてきた営業活動へテレワークを導入することに悩んでいる人も少なくありません。この記事では、テレワークにおけるアプローチ方法や、業務の効率化をサポートするツールについて解説します。
目次
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テレワーク化が進む2つの大きな理由
テレワークが広がった背景には、新型コロナウイルスの感染拡大や、働き方改革などがあります。企業がテレワークの導入を、検討せざるを得ない状況にあることは事実です。ここでは、テレワークを導入する理由を解説します。
新型コロナウイルスの感染拡大
新型コロナウイルスの感染拡大は、人々の生活に大きな影響をもたらしました。人とのかかわり方が見直され、距離を保つ生活が必要となったためです。
影響は多くの業種に広がり、経営状態が悪化した企業も少なくありません。苦境を乗り越えるため、政府はテレワーク導入を支える優遇税制や補助金、助成金などの制度を打ち出し、経済活動を支えています。
働き方改革の推進
2019年4月1日、働き方改革が施行されました。テレワークは、働き方改革においても重要な役割を担っています。
柔軟で多様な働き方
働き方改革は、柔軟で多様な働き方の実現を目的としています。たとえば、育児や介護などで生活の状況が変化しても仕事を続けられるように、個人が働く時間帯や場所を選ぶといったことです。
テレワークは、時間や場所に縛られずに働けるため、生活状況に左右されない働き方を実現できます。
労働力人口の確保
労働力人口が不足する主な理由として、生産年齢人口の減少とあわせ、「出勤できない事情があること」があげられます。考え方を変えると、出勤せずに仕事ができるなら、労働力人口は確保できるということになります。結婚や出産、自宅介護は、出勤を前提とした仕事に大きな影響を与えます。しかしテレワークであれば、自宅での仕事も可能です。
テレワークによる営業活動の手法として、以下の4つがあります。ここでは、それぞれの手法について解説します。 従来、顧客の獲得は、展示会やイベントなどの接触型に頼っていました。接触型以外のテレアポやDMなどの手法は、効率がよいとはいえません。 ニーズが弱い潜在顧客に向けては、メールやお問い合わせフォームでのつながりを目指しましょう。商品やサービスへの関心が高く、より詳しい情報を求めている顧客に対しては、リスティング広告や、コンテンツマーケティングが効果的です。 顧客のニーズを高めるには、顧客の育成が必要不可欠です。情報提供は、ステップメールやFacebook、Twitter、InstagramなどのSNSを活用しましょう。ウェビナーと呼ばれるオンラインセミナーは、顧客との接点を生み、信頼関係を構築するのに有効な手法です。いずれも単発的にならないよう、継続性のある計画にもとづいて実行しましょう。 商談は、パソコン(PC)の画面越しに行う、オンライン商談が有効です。顧客の疑問などを、その場で解決することで、購買意欲の向上につながります。移動や訪問がなくなることにより、業務効率が上がるケースも少なくありません。また、遠方の顧客に対しても、お互いに時間的、金銭的な負担を減らして商談ができるというメリットもあります。 契約締結は、いわゆる「ハンコ文化」から脱却し、オンライン化を進めましょう。紙の書類に署名捺印する流れはそのままに、オンライン化を実現した「電子契約」は、顧客の抵抗感が少なくて済みます。 電子契約に関しては、法律面でも「電子帳簿保存法」「電子署名法」「印紙税法」「e-文書法」などが成立し、整備が進んでいます。
テレワークは、これまでの働き方とは異なる点が多いため、注意すべき課題もあります。ここでは、4つの課題について解説します。 テレワークを導入すると、社員同士がオフィスで会う機会が減り、コミュニケーションが少なくなりがちです。以下で、コミュニケーションの減少による影響について解説します。 仕事と人とのつながりを重視する社員は、テレワークによって人間関係が希薄になることに、苦痛を感じる場合があります。 意志の疎通が難しくなったり、細かいニュアンスが伝わらなかったりする状況に、ストレスを感じるかもしれません。それが「仕事がつまらない」「やる気が出ない」といった心理を生み、離職につながる可能性もあります。 チームで仕事を進める場合は、コミュニケーションの機会が減ることで、仲間意識や団結力が弱くなる可能性もあります。特に、対話によって信頼関係を構築していた場合、情報の共有や連携、認識の修正において、「その場ですぐに確認を取れない」ことが障壁になります。結果として、生産性の低下につながる可能性もあります。 テレワークでは、業務時間を自己申告するケースが多く、その場合真偽の確認方法は存在しないのが実情です。出退勤の時刻はもちろん、時間外や深夜、休日の労働時間、出勤、欠勤日数を正確に把握することは容易ではありません。 実際の業務時間と異なる申告で、不当に賃金を発生させたり、過労や体調不良を起こしたりする可能性もあることを認識しましょう。 テレワークでは、部下の営業活動を把握できないため、進捗状況がわからず、的確なアドバイスやフォローができないケースも少なくありません。 案件の情報共有や申告に漏れが生じると、その後のフォローは難しくなります。また、情報共有や申告の必要性が伝わらず、部下が自己判断で仕事を進めてしまう可能性もあり、結果、機会損失や重大クレームにつながるリスクも孕んでいます。 カフェやレンタルオフィスなどでは、公衆Wi-Fiを利用する場合もあります。そこで問題になるのが、不正アクセスやサイバー攻撃です。 また、企業がスマートフォンやタブレットを社員へ貸し出す場合は、端末の紛失による情報漏洩にも注意しましょう。テレワークを行う社員に対し、ウイルス感染や情報漏洩の危険性について、認識させることは非常に重要です。 より詳しい解説は「テレワークのセキュリティ対策とは?7つのリスクと対策をわかりやすく解説」でチェック テレワークの広がりに伴い、さまざまなサポートツールが開発されています。ここでは、テレワーク営業に役立つツールを7つご紹介します。 「ビジネスチャット」と呼ばれ、メンバー同士が、リアルタイムで気軽にやり取りできます。業務上の連絡や、情報共有に特化した機能として、テキストやビデオ通話、音声通話の機能も備えているのが特徴です。 プライベートで使用するチャットツールとの違いは、業務上必要な書面のやり取りが容易であること、セキュリティ面の強化、複数人でのチャットが可能であることなどが挙げられます。 営業支援ツールはSales Force Automation(セールスフォースオートメーション)の略で、SFAとも呼ばれます。チームで業務を進める場合に、顧客情報や商談の進捗などを、オンラインで確認できるツールです。 時間や場所を問わず「どの顧客に対して、どの社員が、どの程度まで商談を進めているか」を把握できるため、効率のよい営業活動が可能です。 インターネット回線を使って、離れた場所にいるメンバーやクライアントと、音声や映像を用いて会話するツールです。 表情が見えるため、音声のみの電話よりも相手のニーズを把握しやすいというメリットがあります。画面上で資料を共有できる機能を備えているサービスもあります。有償、無償ともに数多くのサービスが提供されているため、自社の目的にあうものを選びましょう。 より詳しい解説は「テレワークで会議を行うには?Web会議を導入するメリットや注意点などを紹介」でチェック
インターネットでセミナーを行うことに特化したツールです。機能は配信が主軸で、ライブ配信と録画配信の2種類があります。ディスカッションのニーズに対応するため、チャット機能や録画機能を備えているものも、多数あります。人材育成を目的としたセミナーや、顧客育成の一環として利用するのにおすすめのツールです。 Web上でやり取りした資料や書類、議事録などは、必要なときに、場所を問わずにアクセスできることが理想です。 ファイル管理・共有ツールなら、資料をプリントアウトして配ったり、一人ひとりにメールで送ったりする必要はありません。書類の格納庫として活用する際は、セキュリティ対策を設定し、必要な人のみがアクセスできるようにしましょう。 電子契約は、電子署名とタイムスタンプで、契約を締結するシステムです。従来のように、契約書の現物が手元になくても契約ができて、署名捺印後に送り返す必要もありません。また、契約のための訪問も不要で、作業効率の向上も期待できます。遠方の顧客との契約締結も容易で、契約業務の大幅な効率化につながります。 テレワークでは難しいとされていた、始業と終業時刻の記録や、勤務スケジュールなどの勤怠管理も、マネジメントツールを使うことで容易になります。スマートフォンやタブレットからアクセス可能なサービスは、自宅以外での業務にも便利です。「社員のテレワークを管理するために出社しなければならない」という状況も避けられます。 テレワークの広がりは、柔軟な働き方を可能にする一方で、さまざまな課題を浮き彫りにしました。これらの課題を解決するには、専門的なソリューションの活用がおすすめです。 KDDI まとめてオフィスは、通信・端末・ITソリューションを主軸とするKDDIの、高品質で安全性の高いサービスをそのままに、「通信×オフィス環境」のトータルソリューションを提供しています。ツールや端末から通信の導入まで、最適なソリューションをワンストップで用意できるため、導入時の煩わしさもありません。導入後はもちろん、運用で生じるさまざまなトラブルも、充実のサポート体制で安心です。テレワーク時の営業に必要なツール、最適な環境の整備は、KDDI まとめてオフィスへお気軽にご相談ください。 KDDI まとめてオフィスで、効果的なテレワーク営業の運用を目指しましょう。テレワークにおける営業活動4つの手法
顧客の獲得
顧客の育成
顧客へのアプローチ
クロージング
営業へのテレワーク導入で生じる4つの課題
社内コミュニケーション
モチベーションの低下
チームワークの低下
勤怠管理
営業プロセス
セキュリティ
テレワーク営業をサポートする7種のツール
コミュニケーションツール
営業支援ツール
Web会議システム
ウェビナーツール
ファイル管理・共有ツール
電子契約ツール
マネジメントツール
まとめ
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