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テレワーク時にも労災は適用される?具体的な事例や注意点までわかりやすく解説

テレワーク時にも労災は適用される?具体的な事例や注意点までわかりやすく解説

2020年10月01日掲載(2023年11月02日更新)
※ 記載された情報は、掲載日現在のものです。

労災

コロナ感染症拡大や働き方改革関連法の施行を受け、テレワークを導入する企業が増えています。テレワークでも労災は適用されるのでしょうか?通常は、業務中や移動中の事故に適用される労災ですが、テレワーク時でも適用されることはあまり知られていません。この記事では、労災の基本事項、テレワーク時に労災と認められる場合と認められない場合などについて解説します。労災と認められるための注意点も紹介しているので、参考にしてください。

目次

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労災の基本

労災とはどのようなことを指すのでしょうか。ここでは、労災とは何か、労災の種類など、基本的な事項について解説します。

労災とは

労災とは、労働者災害補償保険を略した言い方です。従業員が仕事中にケガをしたり、病気になったり、もしくは死亡してしまった場合に補償される制度で、従業員が何らかのケガや病気などで働けない間、従業員やその家族の生活を守ることを目的に定められた保険となりす。

労災の種類

労災は大きく分けて「業務労災」「通勤労災」の2つがあります。それぞれについて解説します。

業務労災

業務労災とは、業務を行っている最中、または業務が原因となる、ケガ・病気・死亡に対して適用される労災です。具体的には、工場での作業中に機械の誤作動などでケガをしてしまった場合などは、社内での作業中であるため適用対象となります。

営業での外回りや出張中の事故なども、業務労災にあたります。業務をしていない時間、社内での休憩中などであっても会社の管理下にあれば業務労災として扱われることがあります。

通勤労災

通勤労災は、オフィスへの通勤時、営業先への移動時などに、何らかの災害が起きた場合に適用される労災です。オフィスと家との往復中であること、業務に関係していることが条件となります。具体的には、出勤中に自転車で事故にあった、車同士で追突したというように、通勤経路で事故にあった場合には、通勤労災として扱われます。

通勤経路から外れていても、診察のために病院に寄ったり、子どもの送り迎えのために保育園や幼稚園などに寄ったりした場合の事故は、通勤中の日常的な行為であれば通勤労災が適用されます。

テレワークの際にも労災は適用される

テレワークの際にも労災は適用されますが、適用されるために満たしておかねばならない要件があります。ここでは、労災適用される要件について解説します。

労災認定されるための2つの要件

労災として認定されるためには、業務上の災害として認定される必要があります。労災が適用される要件には「業務遂行性」と「業務起因性」の2種類があります。それぞれについて、どのような要件なのかを解説します。

業務遂行性

業務遂行性とは、労働者が労働契約に基づき、事業主の支配下にある状態のことをいいます。労災認定の要件として、業務遂行性のケガ・病気・死亡などであるかが問われます。業務遂行性は、3つのパターンに分けられます。1つ目は、工場での作業中にケガをしてしまうなど、事業主の支配・管理下で業務を行なっている場合です。

2つ目は、お昼休みなど、業主の支配・管理下にあるが、業務を行なっていない場合です。3つ目は、営業先・出張先などで事故にあうなど、事業主の支配下にはあるが、管理下以外の場所で業務を行っている場合です。

業務起因性

業務起因性とは、業務遂行性を満たしている条件のもと、ケガ・病気・死亡などと業務の間に関係があることをいいます。お昼休みなど、オフィスでの休憩中で業務を行っていない時間にケガをした場合でも、業務起因性が認定されれば、労災と認められます。

具体例として、休憩室の老朽化により事故が起きるなど、管理に問題があれば業務起因性が認められます。お昼休みにキャッチボールをしていてケガをした場合は認められません。オフィスに出社するための通勤中や出張中に事故にあった場合は、業務が関係しているため業務起因性が失われません。

テレワークで労災と認定される場合・されない場合

テレワークでは、労災と認定される場合と認定されない場合があります。ここでは、それぞれについて解説します。

労災と認定される場合

テレワークで労災と認定されるためには、業務遂行性と業務起因性の双方を満たしている必要があります。トイレ休憩時のケガや仕事の書類を取りに行った際のケガなどは、労災と認定されます。テレワーク時、パソコン作業中にトイレに行って戻るまでは、作業中であり業務に関係していると認められます。

具体的には、トイレに行こうと席を立った際につまずいてケガをした、戻ったときにイスに座ろうとして転倒してしまった、などのケースが考えられます。他の具体例としては、仕事に必要な書類を取りに2階や他の部屋に行って戻るまでに転んだり、階段を踏み外したりしてケガをしてしまった、などのケースが考えられます。

労災と認定されない場合

在宅勤務中、新型コロナウイルスに感染した場合には、労災として認定されない可能性が高いです。在宅勤務中の感染は、感染経路の特定が難しくなります。テレワーク中に子どもの世話をしていてケガをした場合も、プライベートでの行為が原因だと考えられるため、労災にはあたりません。

昼食用の買い物に行ったときにケガや事故にあった場合にも、労災認定は難しいです。オフィスで仕事をしている際でも、昼休憩でオフィスから離れてケガをした場合には認定されないため、テレワークでも同様と考えられます。

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労災認定されるためのポイント

労災として認定されるために気をつけるべきポイントを紹介します。

業務時間と私的時間を把握する

労災として認定されるためには、業務時間と私的時間を把握し、区別することが重要です。業務時間と私的時間の違いを明確にすることで、業務遂行性が認められやすくなります。テレワークでは、オンとオフの区別がつけにくいため、業務時間と私的時間の区別を明確にすることは大変難しいです。

上司とのコミュニケーションを密に行なう、業務日報などを記載するなどにより、業務時間の把握を行うことが必要となります。

業務場所のルールを設定する

業務遂行性・業務起因性の認定のために、業務を行う場所のルールをしっかりと設定しましょう。在宅勤務は自宅のみでカフェなどでの業務は認めないなどと、明確に定めておくとよいでしょう。

ただし、急に顧客先に外出しなければいけないケースなどもあるため、在宅勤務・モバイルワークの業務場所だけではなく、外出時の報告などについてもルール化しておくことをおすすめします。

勤務内容の記録をする

テレワークにおける労災の認定のためには、勤務内容の記録を取ることが必要です。できる限り詳しく記録することで、ケガなどが業務起因性のものかの判断がしやすくなります。連絡方法・連絡内容などをルール化しておくとよいでしょう。

すべてを手作業で記録することは非常に大変で、従業員の負担にもなります。業務の詳細の記録や報告、共有ができる、タスク管理やスケジュール管理ツールなどを導入して活用することをおすすめします。

具体的には「Microsoft 365」や「Google Workspace」、「LINE WORKS」などがあります。

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まとめ

テレワーク時にも労災認定はされますが、通常業務と同様に、業務遂行性・業務起因性の2つの要因が認められる必要があります。テレワーク時の業務時間・業務場所などを設定し、勤務内容の記録を残すなど、テレワークを行う上でのルール作りが必要になるでしょう。業務内容の報告・管理のためには、ツールを活用すると便利です。

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