急速に変わる働き方に、イトーキがオフィスのニューノーマルを新提案【イベントレポート】
新型コロナウイルスの影響で、働き方が変わると共にオフィスのあり方も大きく変化しています。在宅で働く人が増えた今、以前のように全員分のデスクがあるようなオフィスは必要ありません。しかし、時代の変化に対してどのようなオフィス設計が必要なのか分からず悩んでいる経営者の方も少なくないでしょう。
そのような悩みに対して、去る2020年10月29日、オンラインにてこれからのオフィスについてのセミナーを開催しました。オフィス家具を取り扱う株式会社イトーキの三浦由香氏が、新型コロナウイルスによるオフィスの役割の変化と、イトーキが提案する次世代のオフィス設計について紹介してくれました。
セミナーのレポートをまとめたので、次世代の働き方とオフィスのあり方に興味のある方は参考にしてください。
目次
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コロナの影響で変わりつつある働き方とオフィスへの価値観
三浦氏:新型コロナウイルスの影響で、日本で働く人々の価値観に大きな変化がありました。以前はオフィスに出社するのが当たり前でしたが、いざテレワークをしてみると、自宅でこなせる業務がたくさんあることに気づいた方も多くいると思います。
各メディアの報道を見ると「もうオフィスは不要だ」という意見がある一方で、「リアルなコミュニケーションが必要だから、オフィスに戻ろう」という意見も見られます。しかし、これからの時代は、「在宅orオフィス」ではなく、うまく両方を活用しながら働くことが求められていくと私達は考えています。
ただし、働き方の変化に伴い、オフィスのあり方も変わっていかなければなりません。従来の日本のオフィスは、一人ひとりに席が割り当てられた「固定席」のスタイルが一般的でした。
弊社の調査によりますと、日本のオフィスの約8割が固定席で、その内の約7割が20年以上そのままにしています。その背景には、固定席でないと誰がどこにいるか把握できない、部下の管理・教育がしづらいという懸念がありました。
しかし、新型コロナウイルスにより分散して働くことを余儀なくされた結果、それらの感覚や意識にも大きな変化が現れています。今こそオフィス環境を大きく見直すチャンスが来ているといえるでしょう。
「距離を保つ、清潔を保つ......」withコロナのオフィスに求められることとは
三浦氏:では、これからの時代に求められるオフィスとは、いったいどのようなものか「withコロナ」「afterコロナ」に分けて見ていきましょう。まず「withコロナ」で求められるオフィスとは、経団連が発表した予防対策ガイドラインにもあるように、「距離を保つ」「接触を減らす」「清潔を保つ」「健康を保つ」の4つがポイントになります。
具体的な例を挙げていくと、最も分かりやすいのがアクリルパネルをデスクなどに取り付けるというものです。緊急事態宣言が発令された時期は、私達にも多くのお問い合わせがありました。他にも席数を減らしたり、デスクを離して距離を保つ工夫が行われています。
他にもソーシャルディスタンスを取りながらもデザインを重視するため、直径2メートルの円型カーペットや、ソファの座席を埋めるためにクッションを利用しているオフィスも見られます。
また、清潔を保つためには「クリーンステーション」を設置するのもいいでしょう。アルコールや清掃用具が戻されず、補充されないことがないよう、所定の位置を決めておきます。広いオフィスであれば、社内にいくつかステーションを用意しておくのがおすすめです。
多様化する働き方それぞれにマッチするオフィス作り
三浦氏:「afterコロナ」に求められるオフィスを見ていくにあたり、afterコロナでの働き方についても見ていきましょう。新型コロナウイルスによって、私達の働き方やニーズは多様化し、複雑になってきました。 例えば、毎日定時で出社している方は、在宅勤務者の空いている席を、自分たちの生産性を高めるために有効活用して欲しいと思っているかもしれません。自宅とオフィスを両方活用している方は、オフィスにデスクはいらないからコラボレーション用のスペースを充実して欲しいと思っているかもしれません。
ほとんど外出先で仕事を終えてしまう方は、オフィスにいる短い時間で打ち合わせや相談を効率的に行える環境を望んでいるかもしれません。一切オフィスに来る必要のない方は、逆にチームや社内でもっと交流できる取り組みやスペースを望んでいるかもしれません。
このようにオフィスを利用する頻度や目的が違う方たちの個々のニーズをどのように満たしていくかが、afterコロナのオフィスを考える上での重要なポイントになります。少なくとも、従来のような自席と会議室だけであらゆる業務を行うようなオフィス環境では、個別のニーズに対応することはできません。
これからは多様な働き方をする方たちが、目的や活動に併せて最適なスペースを選択できるオフィス環境が求められていくでしょう。
イトーキの新提案「ACTIVITY ADDRESS OFFICE」
三浦氏:afterコロナにおけるニーズに対して、イトーキが提案する新しいオフィス空間が「ACTIVITY ADDRESS OFFICE(アクティビティアドレスオフィス)」です。多様な働き方に併せて最適にデサインされた6つの専用スペースで構成する、ポストコロナ時代の新しいオフィスコンセプトとなります。
6つの専用スペースとは、どのようなものがあるかそれぞれ見ていきましょう。まずは「コワークスペース」。部門間の情報共有や協業を促すスペースです。例えばここにハイポジションのデスクを使えば、立って歩いている人と目線が近いため、互いを認識しやすく声がかけやすい環境をつくれます。
「リチャージスペース」は仕事から離れて、一人でリフレッシュするスペース。長時間集中を持続するのは大変なことで、適度に休憩をとり次の集中に向かうための時間と空間が必要です。従来のオフィスにもリフレッシュスペースはありましたが、そういった複数で使うスペースとは別に、一人で落ちつけるスペースが求められていくでしょう。
「チャットスペース」は1on1などプライバシーとリラックスが必要な面談や相談を行うためのスペース。写真ではオープンなスペースに設置していますが、よりプライバシーを重視するのであれば、パーテーションなどで人目につきにくいスペースにすることも可能です。
「フォーカススペース」はその名の通り集中して業務を行うためのスペース。このスペースでは基本的に通話や打ち合わせなどを禁止し、だれもが集中できる環境を整えます。パーテーションで仕切るタイプ他、個室タイプで用意することも可能です。
「フォーンスペース」は電話やWeb会議専用のスペース。フォーカススペースでは通話ができないので、電話やWeb会議をするときはこのスペースに移動して行いましょう。短時間の通話なら扉なしのスペース、長時間の通話なら扉つきのスペース、のように選択できるとより便利です。
「デュオスペース」は2人で共同作業を行うためのスペース。会議の後などに、自分の仕事を席に持ち帰るのではなく、そのまま共同で仕事を進めるためのスペースです。
会社の人数や働き方に併せて、これらのスペースを組み合わせてオフィスを構築するのが「ACTIVITY ADDRESS OFFICE」です。イトーキの調査によれば6つの専用スペースのうち、選択できるスペースが多いほど生産性実感とワークエンゲージメントが高くなる結果となりました。
大事なのは、自分で「選択できる」ということです。「フリーアドレス」も席が固定されていないという点では同じですが、選択できるスペースの選択肢がほとんどありません。その時々の活動に合わせてスペースを選択できることが、生産性を高めエンゲージメントを高めるのです。
「ACTIVITY ADDRESS OFFICE」は、実現に向けての計画も簡単です。ステップ1としてヒアリングや調査を行いながら、働き方の変化を捉えます。ステップ2でシミュレーションプランを照らし合わせながら、あるべきオフィス環境を検証していきます。この2ステップだけで、あとは実際にオフィスのレイアウトを実現したら完成です。
実際にレイアウトプランを見てみましょう。左側は25人全員が毎日出社することを想定したレイアウトです。もしも毎日出社する人が4割減ると、右側のように生産性を上げるための専用スペースを設けることが可能になります。
この時注目してほしいのが、右側のレイアウトの赤く塗られている「ミーティング」や「カフェ」のスペース。これは6つのスペースとは別に、在宅や外出先で働く人が多くなった時に、メンバー同士もしくはメンバーと企業を繋ぐ重要な役割を担うスペースとなります。
ポストコロナ時代には、分散型で働く人々のエンゲージメントを高める「つながりの場」こそが、オフィスの役割になっていくため、このようなスペースが必要になっていくでしょう。
afterコロナの働き方とオフィスのあり方について紹介してきましたが、「私達はなぜオフィスに出社するのか」これからもみなさんと一緒に考えていければと思います。
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