企業が社用携帯にスマホを導入するメリットとデメリット・必要性を解説
ICTツールが発達し、在宅勤務やテレワークなど新しい働き方が広がりつつある中で、単に出先での連絡に使用するだけだった社用携帯の役割も変わっています。チャットツールや業務用アプリケーション、グループウェアなどにスマートフォンを使ってアクセスできるようになった現在、社用スマホの導入は生産性に影響します。社内のコミュニケーションや情報共有・業務効率化のために会社用スマホの導入・見直しを考えている企業も多いでしょう。
この記事では、企業が社用携帯としてスマホを導入するメリットやデメリット、社用スマホを選ぶ際の注意点を解説します。
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1.企業が社用携帯にスマホを導入する必要性
ICTに関するツールや環境は目覚ましく進化しており、近年では業務管理や勤怠管理、情報共有など、ビジネスにおいてクラウドサービスを活用する場面も増えてきました。また、電話やメールといった従来のコミュニケーションツールに加えて、より気軽に連絡を取り合えるビジネスチャットツールも広く浸透しています。
さらに、働き方改革や感染症対策の推進により、テレワークという働き方を選べるようになった業種・職種も少なくありません。従来は対面で行っていた会議を、Web会議で行うようになった企業も多いでしょう。
このように、ビジネスにスマートフォン(スマホ)などのICTツールを導入する必要性は高まっています。社用携帯(会社携帯)を導入する際には、電話機能だけでなく、上記のサービス・ツールがスムーズに活用できる端末を選ぶ必要があるでしょう。スマホは携帯電話(いわゆるガラケー)と比べて自由度が高いため、社用携帯にはスマホを導入することをおすすめします。
2.企業が社用携帯にスマホを導入するメリット
社用携帯としてスマホ(法人スマホ)を導入する企業も多い一方で、ガラケーを選択している企業もあります。主な連絡手段が電話・メールである場合や、端末料金・使用料金といったコストをなるべく押さえたい場合はガラケーも視野に入れるとよいでしょう。
一方で、ビジネスチャットツールやクラウドサービス、多様なアプリを活用したい場合はスマホがおすすめです。社用携帯としてスマホを使用することにはさまざまなメリットがあるため、メリットをふまえた上で自社に適した端末を選ぶようにしましょう。社用携帯としてスマホを利用するメリットを4つ紹介します。
2-1.情報の共有がしやすくなる
社用携帯としてスマホを導入することにより、就業中の従業員が時間・場所を問わず、業務で使用するツール・アプリにアクセスできるようになります。共有したい情報・データがあればすぐにシェアできる環境であるため、従業員間の情報共有がよりスムーズになるでしょう。
また、会社が支給するスマホであれば、会社側がデバイスのプラットフォームを統一できるため、使用するツール・アプリを限定しやすくなります。情報が複数のツール・アプリに散逸するリスクが低くなり、情報を一括管理しやすくなるでしょう。
2-2.顧客とのやり取りが効率化される
「営業活動やテレワークでオフィスにいない場合が多い」という従業員は、お客さまから固定電話に電話があっても、タイミングによっては対応が遅れることもあるでしょう。社用携帯をスマホにすれば、オフィスからわざわざ折り返すような手間がなく、効率的です。電話を取り次ぐ人間が不要で伝達ミスも軽減され、スピーディなレスポンスが顧客との信頼関係の構築に役立ちます。
さらに、スマホならガラケーと違い、WordやExcel、PDFなどのファイルを閲覧・編集したり、メールに重たいデータを添付することも可能です。時間や場所を問わず、オフィスの外でも出社時と同一のパフォーマンスを発揮できるため、迅速な顧客対応を可能にします。
オフィスにいなくても書類のやり取りができるようになるため、顧客からの問い合わせに対して迅速に対応しやすくなるでしょう。
2-3.情報漏洩のリスクを回避できる
事業形態や規模によっては、従業員が個人所有するスマホの業務使用を許可しているケースもあります。しかし、このケースでは従業員が私的に利用するスマホに社内の情報を保存することになるため、情報漏洩を起こすリスクが高くなることに注意が必要です。万が一私用携帯が紛失・盗難にあった場合、端末内に顧客情報や社内の機密情報が入っていても手の施しようがありません。
会社用スマホを支給することで、企業側は従業員の端末利用状況、利用範囲を管理・制限することが可能となり、セキュリティ面で統制を取りやすくなります。会社用スマホにMDM(Mobile Device Management)アプリを入れていれば、遠隔ロック、端末初期化などを実施し、リスクを最小限に抑えられるでしょう。
2-4.仕事とプライベートの区別がつけやすくなる
従業員個人の私用スマホを業務利用する場合、従業員は同僚や顧客に個人の連絡先を教える必要があります。しかし、このケースでは終業後や休日などのプライベートな時間にも、個人のスマホに仕事の連絡が入る恐れがあります。顧客からの連絡や業務対応を求める連絡が多いと、従業員は仕事とプライベートの区別がつきにくい状況に陥ってしまうでしょう。
社用携帯としてのスマホ導入を行うことにより、私用スマホを業務利用せずにすむようになります。従業員は、業務時間外や休日には会社用スマホの電源を切り、仕事の連絡をシャットアウトできるため、仕事とプライベートの区別がつきやすくなるでしょう。
3.企業が社用携帯にスマホを導入するデメリット
企業が社用携帯としてスマホを導入することには多くのメリットがある一方で、デメリットもあることに注意が必要です。メリットと併せてデメリットも確認した上で、会社用スマホの導入のしかたを検討しましょう。
企業が社用携帯にスマホを導入する3つのデメリット・注意すべきポイントについて解説します。
3-1.情報漏洩のリスクがある
私用スマホの使用を許可するよりも、社用のスマホを支給するほうがセキュリティリスクを回避できます。ただし、社内情報の管理が十分でなければ、どちらのケースでも情報漏洩のリスクがある点に注意が必要です。
社用携帯は、社内の情報を容易に社外に持ち出せるツールでもあります。置き忘れや窃盗など外出先で紛失した場合には、社内の情報や顧客情報・取引先情報が外部に漏れるなどのトラブルが発生する恐れがあることに注意しましょう。
また、会社用スマホを従業員が私的利用・不正利用した結果、重要な社内情報・個人情報が漏洩してしまう可能性もあります。社用携帯としてスマホを導入する際には、ルールを設定し端末の情報管理・セキュリティ対策を十分に行った上で、従業員にもセキュリティ教育を実施するようにしましょう。
3-2.導入・運用の費用がかかる
社用携帯を導入・運用する際には、端末の購入費用などの初期費用や、毎月の基本使用料・通話料、端末買い替えの際の費用といったコストがかかります。導入台数に応じてコスト負担も増加するため、企業の規模や経営状況によっては「管理職以上に支給する」「営業職などで外出がメインの社員にのみ支給する」など、利用者を制限することもおすすめです。
また、社用携帯の導入費用・ランニングコストは、通信サービスを提供する企業や契約プランによっても異なります。法人向けのサービス・料金プランを比較・検討した上で、自社に適したものを選ぶようにしましょう。
通信事業者によっては、スマホ以外のサービスを複合的に契約することで、一部料金に割引がきくようなプランを設けている場合もあります。中長期的に見て、総合的にコストを抑えるにはどうすればよいのかという観点から選定するとよいでしょう。
3-3.スマホ2台持ちが従業員への不安となる
社用携帯を導入することにより、従業員は社内用とプライベート用の2台のスマホを持つことになります。
プライベート用のスマホは業務に必須ではないものの、家族や子どもの学校・保育園などからの緊急連絡に備えて、就業中も所持しておきたいという従業員も少なくありません。スマホを2台持つことで従業員が紛失リスクを不安に感じたり、移動の際に荷物が増えて煩わしさを感じたりする場合があります。
会社用スマホの紛失リスクを最小限にし、従業員が過度にプレッシャーを感じないよう、MDMアプリなどを使ったセキュリティを導入しましょう。また、プライベートで従業員が会社用スマホを管理しなくてよいよう、退社時にスマホを回収するフローを作るのもおすすめです。
4.社用携帯に導入するスマホの選び方
プライベートで使用するスマホであれば、選ぶ際に価格は重要なポイントです。しかし、ビジネスで使う会社用スマホの場合、価格のみを重視して選ぶことはおすすめできません。
会社用スマホを導入するときには、以下のように価格以外の点にも注目してスマホを選びましょう。
4-1.目的に合わせて選ぶ
導入後どのような業務に利用するのか、どのような課題を解決したいのかを重視して、スマホを選びましょう。自社の業務課題に合ったスマホであれば、業務効率化や生産性向上、社内コミュニケーションの活性化といった課題の解決が期待できます。
何のために会社用スマホを導入するのか、目的や用途を明確した上で、商品を選定するのがおすすめです。
4-2.契約する会社のサポート体制で選ぶ
目的を明確にした上で着目する点として、契約会社のサポート体制があります。以下のようなオプションサポートがあると、スムーズかつ安全に会社用スマホを導入、利用できます。
納品から使用開始までのサポート |
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会社用スマホを導入・見直すにあたり、社員数が多ければ多いほど導入負担が大きくなります。そこで、納品から実際に使い始めるまでのサポート体制があると安心です。 例えば、基本設定やネットワーク設定、アプリケーションのインストール、セキュリティ設定といった『初期設定の代行サポート』があると、会社用スマホの導入や見直しのハードルが下がるでしょう。 |
日々の運用のサポート |
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会社用スマホを新規導入する場合や、機種変更する場合、各社員が操作に習熟するまでに時間がかかります。機器を活用してもらうためにも、端末の使い方やアプリケーションの活用方法など、日々の運用におけるサポートがあるかどうかは重要です。 |
メンテナンスサポート |
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会社用スマホが故障した場合、業務で活用しているほど生産性が落ちてしまいます。代替機の貸し出しや修理サービスなどのサポートがあれば、故障やトラブルが起こった場合でも大きく生産性を落とさずに業務を続けられるでしょう。 |
セキュリティサポート |
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「会社用スマホを紛失した」「盗難にあった」といった際に懸念されるのが情報漏えいです。会社用スマホではお客さまの個人情報や社外秘データなどを取り扱うため、万が一紛失や盗難に遭遇すると、取引先からの信頼を失う、多額の損害賠償金を支払う、対応に追われ業務の継続が危ぶまれる、といった大きな問題につながりかねません。紛失・盗難した際に、遠隔でデータ削除や回線停止などのサポートが受けられる会社を選びましょう。 |
また、これらにくわえて「通信環境の改善サポート」も必ず確認したいポイントです。通信環境はスマホを快適に利用するための重要な要素です。オフィスの電波が悪いとき、速やかに訪問・調査を実施し、通信環境を改善するサポートがあればストレスなくスマホを利用できます。会社用スマホを導入する際、通信環境の改善サポートは標準(無料)サポートか、オプションサポートかをあらかじめ確認しておきましょう。
4-3.スマホに付随する+αのソリューションで選ぶ
会社用スマホを有効活用するためには、クラウドサービスやチャットツール・スケジュール調整ツール、オンライン会議ツールなどのプラスアルファのソリューションが必要不可欠です。
特に在宅勤務やテレワークを導入している場合、これらのソリューションが社員同士のコミュニケーションをスムーズにし、業務の効率化につながります。会社用スマホの活用を広げてくれる「プラスαのソリューション」として、以下が挙げられます。
Microsoft 365 with KDDI |
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Microsoft 365 with KDDI は、スマホからもMicrosoft Officeアプリケーションを利用できるサービスです。WordやExcel・PowerPointなどの業務に欠かせないツールを利用できるほか、50GBのメールボックスを備えたメールシステム、文書や資料などのファイルを保管・管理できるクラウドストレージ・社内SNS、在籍情報・グループチャットなどが備わっています。 また、Microsoft 365 の Office 365機能を使って、移動中に文書を作成・編集したり、商談などの際にスマホ端末で資料を見せてプレゼンをしたりすることも可能です。在宅勤務時以外の業務効率化にも役立ちます。 |
Google Workspace(TM) |
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Google Workspaceは、Googleが運営するクラウド型グループウェアです。大容量のメールボックス・社員同士で共有可能なオンラインカレンダー・クラウドストレージ・ビデオ会議機能のGoogle Meet・社内SNSツールのGoogle Chatなど、ビジネスに欠かせないさまざまなツールを利用できます。また、Google スプレッドシートやGoogleドキュメントなどの各種アプリは、Officeとの互換性を持ち、日本のビジネスシーンでも活躍します。 |
LINE WORKS with KDDI |
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LINE WORKS with KDDI は、日本国内で幅広い世代に利用されているLINEのビジネス版です。通常のLINEと同様のトーク機能やビジネス用に使いやすいアドレス帳・社内の周知事項を掲載できる掲示板・メンバー間の予定を共有できるカレンダー・複数人での音声通話・ビデオ通話などが利用できます。また、「外部トーク連携」という機能を使えば、LINEユーザーや外部のLINE WORKSユーザーとトークも可能なため、より細やかなコミュニケーションが実現します。外部連携した際のセキュリティに関しても、ユーザー管理機能により担保できます。 |
まとめ
企業が会社用スマホを導入すれば、情報共有や顧客とのやり取りの利便性がアップします。ガラケーと比べて、スマホは多機能で業務用のアプリケーションを多く利用できるため、業務効率向上にもつながるでしょう。私用のスマホを業務に持ち込む場合に懸念される情報漏洩のリスクや、ワークライフバランスの悪化といった課題も解決できます。
会社用スマホを導入する際には、なぜ導入するのか目的を見直した上で、サポート体制や+αのソリューションもチェックしましょう。
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