デジタルトランスフォーメーションの6つの成功事例を紹介|DXを推進して競合他社に優位に立とう
デジタルトランスフォーメーションを行っている企業は多くあります。競合他社との競争に勝つためには、デジタルトランスフォーメーションの推進が必要となってくるでしょう。この記事では、デジタルトランスフォーメーションとは何なのか、成功事例やメリット、歴史について解説します。デジタルトランスフォーメーション導入の際に、ぜひ参考にしてください。
目次
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デジタルトランスフォーメーション(DX)とは何か
デジタルトランスフォーメーションはどういう意味なのでしょうか。似た用語との違いもあわせて解説します。
IT技術により生活が良い方向に変わること
デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)はDXともいわれるもので、直訳すると「デジタル変換」という意味です。進化したIT技術がビジネスだけでなく人々の生活にまで影響を及ぼす状態を指します。一般的に、デジタル技術を浸透し活用することによって生活をよりよいものへと変革することを、デジタルトランスフォーメーションと呼びます。
デジタライゼーションとの違い
デジタライゼーションとは、業務をデジタル化することを目指す試みを指します。基本的には、業務の効率化を目指すためにデジタルツールなどを導入することを指し、その影響は企業内だけで留まるという点にデジタルトランスフォーメーションとの違いがあります。
デジタルイノベーションとの違い
デジタルイノベーションとは、社会や産業全体のデジタル化の進展を指します。デジタル化によって暮らしなどが良い方向に向かうケースだけではなく、職業が奪われるようなマイナス方向のケースもデジタルイノベーションに含まれます。
ビジネスにおけるデジタルトランスフォーメーションとは
ビジネスの場では、企業のデジタル環境を変革することをデジタルトランスフォーメーションと呼びます。これによりビジネスモデルの変革や組織や企業風土の変化が起こるため、競合他社との競争において優位性を確保できます。
デジタルトランスフォーメーションはなぜ必要とされているのか
ここではデジタルトランスフォーメーションの歴史を紹介した上で、なぜデジタルトランスフォーメーションが必要とされるようになったのかを解説します。
2004年に提唱された
デジタルトランスフォーメーションはスウェーデンのウメオ大学教授であるエリック・ストルターマン氏により提唱されました。テクノロジーの進化により生活が豊かになるというもので、部分的に最適化するのではなく社会全体を変革するものだという内容です。
経産省による「DXガイドライン」
経産省では、デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドラインを設けています。デジタルトランスフォーメーションの定義だけでなく、必要なアプローチやアクションなどがまとめられています。
デジタルトランスフォーメーションのメリット
デジタルトランスフォーメーションに取り組むメリットとは何なのでしょうか。ここでは、5つのメリットを解説します。
競合他社に勝てる強さを持てる
デジタルトランスフォーメーションに取り組むと、企業のデジタル環境が変革します。結果として、ビジネスモデルそのものの改革も可能です。他社よりもはやくビジネスモデルを変革できれば、競合他社よりも抜きんでた存在となり優位性が高まります。
環境の変化に振り回されない
デジタル環境を整備すると、環境の変化にも柔軟に対応できます。新型コロナウイルス感染症の流行により、社員はオフィスに出社しにくくなりました。しかし、業務をクラウド化しておけば出社しなくても働けるようになるでしょう。感染症の流行や災害などの要因で業務にムラができにくくなります。
顧客満足度の向上
クラウドツールで顧客管理をすれば、顧客に関する情報をリアルタイムで共有できるようになります。これにより、顧客は対応する従業員が変わるたびに状況を説明し直す必要がなくなるでしょう。結果として、顧客に対して正確で確実なサービスを提供できるようになり、顧客満足度アップにつながります。
無駄をなくせる
既存システムにとらわれるあまり、業務に時間や手間、コストがかさんでいる可能性もあります。デジタルトランスフォーメーションでは現状のシステムが必要かどうかを再確認します。そのため、デジタルトランスフォーメーションが無駄なシステムをなくすきっかけになるでしょう。
収益増加が見込める
デジタル化によって、業務の効率化が進みます。今まで時間がかかっていた業務を自動化すれば優先度の高い業務に人材を集中できるようになり、生産性の向上も可能です。結果として、収益の増加も期待できるでしょう。
デジタルトランスフォーメーションの6つの成功事例
デジタルトランスフォーメーションに取り組もうと思っても、具体的なイメージがしにくい企業も多いでしょう。以下では、成功事例を6つ紹介します。
1.LINE株式会社
クレジットカードの申し込みや借入れのときなど、支払い履歴や借入状況などをもとにした信用情報が審査基準として参照されます。LINE株式会社では、LINEPayやLINEの利用状況といった情報をもとに、AIを活用して信用情報のスコア化を行いました。スコアリングの際にLINE独自に得られる情報を活用し、公平かつ客観性のある審査を行っています。
2.大塚製薬株式会社
大塚製薬株式会社では、処方薬の飲み忘れを防止するための服薬支援システムを開発しました。日本では、処方薬をきちんと飲み切れる人は全体の6割程度しかいないといわれています。システムの活用によって医師や薬局などが服薬状況を確認できるため、飲み忘れ防止だけでなく薬の転売や無駄な薬の処方を防ぎ、社会保障費の削減につながります。
3.株式会社トライグループ
株式会社トライグループは家庭教師派遣事業により培った教育ノウハウを活用して、オンライン授業を配信しています。自宅で授業を受けられるため、通塾時間がなくなり時間の有効活用にもつながります。また、一方通行ではなく講師に直接質問ができるなど、双方向のコミュニケーションがとれる仕組みも特徴的です。
4.三井住友銀行
三井住友銀行には顧客からの数多くの意見に対するチェックが追い付かないという課題がありました。そこで、AIを用いて音声データをテキスト化し、その中から重要な単語だけを抽出するテキストマイニングを取り入れています。これにより、顧客の意見を反映しやすくなり、より顧客に沿った運営ができるようになりました。
5.RIZAP株式会社
RIZAP株式会社では、体重や血糖値、体脂肪率、トレーニング内容などといった体型維持に関わるさまざまなデータの活用や管理をしています。また、ゴルフ事業にもAIを活用して、ゴルフスイングのデータ化、分析も行っています。詳細なデータを用いて、顧客が興味関心を持つような情報の提供や有益な提案などが可能です。
6.フォルクスワーゲン
フォルクスワーゲンでは、自社でソフトウェア部門を設立しています。車のシステムに関係するソフトウェアの種類は多く、システムの煩雑さが課題でした。これを解消するため、自社で同じOSやクラウドを利用できるようしています。また、ソフトウェア部門の強化により、インターネットから車を購入できるプラットフォーム作りにも着手しています。
デジタルトランスフォーメーションを推奨するためにすべきこと
デジタルトランスフォーメーションに取り組むためには、6つのポイントを意識しましょう。以下では、それぞれのポイントを解説します。
目標を明確にする
デジタルトランスフォーメーションでは、現状のビジネスモデルからの変革が重要です。そのため、自社の現状を把握し、戦略を練る必要があります。目標や計画性なく、ただデジタル化するだけだと結果が出にくいため、何をどのように導入するのか、最終的な目標などを考えて、自社にあったデジタル化を行いましょう。
経営陣の理解を得る
デジタルトランスフォーメーションの導入には、経営陣の理解を得る必要があります。デジタルトランスフォーメーションでは、今までのやり方を一新するようなシステムを導入しなければならない可能性があるからです。明確にしたビジョンや目標などを丁寧に提示して、経営陣からの理解を得ましょう。
現状を分析し評価する
2025年の崖に対応するために、現状の分析や評価も欠かせません。2025年の崖とは、既存システムの老朽化や複雑化などによって起こる、国際的な競争力の低下などを指します。老朽化し、維持にコストがかるようなシステムの残存を防ぎ競争力を高めるためには、現状維持、廃止、業務を進めるものに、システムを分けて評価しましょう。
人材を育てる
デジタルトランスフォーメーションに取り組む際には、新しい技術を取り入れなければならないでしょう。そのため、現場の人材教育にも力を入れましょう。デジタルトランスフォーメーションは新しい試みであるため、失敗するケースもあります。しかしそこで臆さずにトライ&エラーを続けましょう。また、継続的な人材育成も重要です。
デジタル技術の活用
今まで行っていた業務にデジタル技術を活用していきましょう。業務の中には、人の手で行わなくてもよいものが多くあります。デジタル化によりそれらを自動化して、業務の効率化を図ります。IT技術は日々進化し複雑化していますから、新しいデジタル技術を取り入れ、それらの技術革新におくれをとらないようにしましょう。
事業をデジタル化し革新する
業務フローなどのデジタル化を行った後は、事業そのもののデジタル化を進めて企業全体を変革していきます。デジタルを活用して、今までのビジネスモデルや企業風土などを刷新し、より効率的な事業へと導きます。デジタル化にともなって、組織構造や収益構造といった抜本的な部分も改革していくとよいでしょう。
デジタルトランスフォーメーションの懸念点
デジタルトランスフォーメーションには懸念されるポイントもあります。ここでは、懸念される点を4つ解説します。
2025年の崖で懸念される問題点
2025年の崖とは、経済産業省のレポートによって指摘された問題点です。日本企業の老朽化・複雑化・肥大化した既存システムの残存により、国際的な競争力の低下や競争の遅れ、経済停滞などを示唆しています。
既存システムに関する問題
企業の既存システムは、ブラックボックス化や複雑化していて、ほかのシステムと連携ができないケースも少なくありません。また、既存システムを維持するためにはコストがかかり、IT関連コストの約8割が既存システム維持に使われているとされています。維持コストが大きな足かせとなり、新システムなどに投資できない場合もあるでしょう。
人材不足
IT人材の不足も大きな問題です。日本では生産年齢人口の減少にともない、エンジニアの数も不足しています。今後もさらにエンジニア数は減少が見込まれており、人材不足が深刻化する可能性が高いです。
情報資産の分析と評価をしていく
デジタルトランスフォーメーションを成功させるには情報資産の分析や評価が重要です。クラウドで構築すべきもの、機能追加、現状維持、縮小もしくは廃棄の4つに分類し再評価します。これにより、無駄をなくし利便性を高めていく必要があります。
デジタルトランスフォーメーションを推進する際の課題
デジタルトランスフォーメーションを推進していくには、乗り越えるべき課題もあります。以下では、推進の際に課題となる点を解説します。
人材不足により従業員の負担が増える
前述したように、IT人材は不足しているためスキルを持った人材はなかなかみつかりません。人材不足の状態でトランスフォーメーションに取り組んでしまうと、スキルを持った人材に過度な負担がかかる恐れがあります。
従業員によっては業務の難易度が上がる
デジタル化にすぐに対応できる従業員ばかりではありません。なかには、新しい技術についていけない従業員もいるかもしれません。新たに導入したツールやシステムに使いこなせずに、業務が滞る可能性もあります。社員教育に力を入れる必要があるでしょう。
デジタルトランスフォーメーションに必要な技術
デジタルトランスフォーメーションに必要な技術で代表的なものは4つです。以下では、それぞれの技術について解説します。
IoT
IoTとはモノのインターネットとも呼ばれ、さまざまな分野から注目されている技術です。センサーが情報を収集し分析、反応を返す仕組みとなっており、具体的にはスマートスピーカーや自動運転機能搭載自動車などが挙げられます。
クラウド
クラウドとは、インターネット上のサーバーでデータの管理やソフトウェアなどの利用ができるサービスです。それぞれのパソコンにソフトウェアをインストールする必要がないためどこからでもアクセスでき、テレワークの要ともいわれます。
人工知能(AI)
人工知能(AI)はデジタルトランスフォーメーションには欠かせない技術の1つです。画像認識や音声認識、自然言語処理などもAIを活用したもので、医療関係や車関連、防犯やゲームなどさまざまな分野で活躍しています。
5G通信
5G通信とは、光回線と同じぐらいの速さが実現できるモバイル回線通信システムです。通信の高速化によりIoTに革新をもたらす可能性があります。また、上記の技術を活かすためには高速かつ安定した通信技術が欠かせません。
まとめ
デジタルトランスフォーメーションにより、業務の効率化が可能です。それだけでなく、ビジネスモデルの変革が起こり競合他社に対して優位性を確立することにもつながります。
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