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デジタルトランスフォーメーション(DX)は中小企業にも必要?その理由や手法まで解説

デジタルトランスフォーメーション(DX)は中小企業にも必要?その理由や手法まで解説

2021年02月01日掲載(2024年08月15日更新)
※ 記載された情報は、掲載日現在のものです。

デジタル トランス フォーメーションのイラスト

近年、国内でもデジタルトランスフォーメーションの必要性が高まってきています。これは大企業に限った話ではなく、中小企業も同様です。この記事では、デジタルトランスフォーメーションはなぜ必要なのか、どのように推進していけばよいのかなどについて解説します。実際にデジタルトランスフォーメーションを推進した企業の事例も紹介しているため、参考にしてください。

目次

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デジタルトランスフォーメーション(DX)とは?

はじめに、デジタルトランスフォーメーションという言葉の意味について解説します。

デジタルトランスフォーメーション(DX)の概要

デジタルトランスフォーメーションは、2004年にスウェーデンのウメオ大学教授であったエリック・ストルターマン氏が提唱した概念です。「IT技術の浸透によって人々の生活がより良い方向に変化する」という考え方で、DXと略されることもあります。

このように、本来の意味はビジネスに限ったものではありません。デジタルトランスフォーメーションという言葉がビジネスの場で使われる場合、明確な定義はありませんが、主に「IT技術を取り入れることで業務を大きく変革する」という意味で使われています。

2018年の経済産業省により推進される

2018年、経済産業省はデジタルトランスフォーメーションを推進するための報告書を発表しました。このレポートでは、各企業は競争力の維持や強化のためにデジタルトランスフォーメーションを早急に進めるべき理由や状況がまとめられています。

クラウドサービスやビッグデータなどを活用し、新たな製品やサービスを売り出すことで、競合他社から優位性を確立できる、といった内容です。

また、企業におけるデジタルトランスフォーメーションとは、システム改革を進めるだけでなく、IT技術の導入による経営戦略や内部組織の変革なども含まれている傾向にあります。

2025年の崖とは

先述の経済産業省のレポートでは、「2025年の崖」という問題について言及されています。2025年の崖とは、日本企業の既存システムが抱える課題によって、2025年以降に大規模な経済損失が起こる可能性があると示唆されている問題のことです。日本企業の既存システムは複雑にカスタマイズされたことでブラックボックス化していて、維持には高額なコストがかかっています。

また、保守運用に携わるIT人材の不足によってシステムトラブルやデータ損失などのリスクもあります。これらの問題を解消するためには企業が変わらなければならないと、経済産業省が警鐘を鳴らしています。

中小企業にもデジタルトランスフォーメーション(DX)が必要な理由とは?

先述した2025年の崖は中小企業にも当てはまる問題で、このまま既存システムを使用し続けると、維持していくだけで多くのコストがかかります。

また、IT技術の進化によって人々の消費行動が日々変化しているため、市場で生き残るためにもデジタルトランスフォーメーションを推進することは非常に重要です。実際に、中小企業の約半数が、すでに取り組みを始めている、もしくは検討を進めているともいわれています。

取り組みを進めている多くの企業では、まずバックオフィスや一般事務などの業務にIT技術を取り入れることから始めています。しかし、今後はマーケティングやセールス部門でもデジタルトランスフォーメーションを取り入れるのではないかと予測されます。

このような流れについていくためには、中小企業もデジタルトランスフォーメーションが必要です。

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デジタルトランスフォーメーション(DX)のメリット

企業でデジタルトランスフォーメーションを推進することには、たくさんのメリットがあります。ここでは、デジタルトランスフォーメーションのメリットについて解説します。

多様な働き方により人材を確保できる

デジタルトランスフォーメーションを推進するための手段のひとつが、クラウドサービスの活用です。クラウドサービスを活用すると、オフィス以外の場所からでも資料にアクセスできるようになり、テレワークの導入が可能となります。

オフィス以外の場所で働けるのであれば、介護や育児などの事情でオフィスに出社できない人や、遠方に住んでいて出社が難しい人も雇用の対象となるでしょう。さまざまな居住地、立場の人を採用できるようになり、人材不足の解消につながります。

業務を効率化できる

デジタルトランスフォーメーションを推進することで、これまで手間や時間をかけていた業務を機械が行うようになります。そのため、人由来にミスをなくし、作業時間を短縮化できるようになるでしょう。結果として、業務を大幅に効率化できるようになります。

デジタルトランスフォーメーションの推進では、既存業務の見直しも行います。業務の改革を行うと、そのまま継続を決める業務がある一方で、不要となる業務も出てくるかもしれません。このように、デジタルトランスフォーメーションを進めることで、結果として無駄なシステムを省けるというメリットもあります。

属人化を防げる

属人化とは、その業務に関わる人が限定的で、業務のやり方がわかる人が限られてしまう状態です。業務が属人化していると、担当者が休んだり退職したりすると業務ができなくなるという問題が起こります。このような事態を防ぐためにも、デジタルトランスフォーメーションは有効です。

デジタルトランスフォーメーションに取り組み、システムに合わせて複雑な業務内容をシンプルなフローにする、クラウド化してデータや業務の共有を進めるなどの対応をとることで、業務が属人化しにくい環境を実現できます。

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中小企業がデジタルトランスフォーメーションを推進するためには?

中小企業がデジタルトランスフォーメーションを推進するための方法について解説します。

経営陣の意識を変える

デジタルトランスフォーメーションを推進するには、経営陣の理解が必要になります。デジタルトランスフォーメーションとは、一部の業務のデジタル化や業務改善という規模の話ではなく、企業全体で大規模な改革が必要となるためです。

部署をまたがって対応しなければならないケースもあり、複数の部署で連携して取り組みを進めなければならない場面もでてくるでしょう。経営陣が目的や内容を理解して方向性を示すことは、改革を進めるうえで非常に重要です。

目的を明確化する

デジタルトランスフォーメーションは、手段であって目的ではありません。デジタルトランスフォーメーションを導入して、どのような課題を解決しどのような企業になりたいのか、といった目標達成を目的にしなければならないでしょう。

そのためには、まずは最終的に達成したい目的を明確化してから、デジタルトランスフォーメーションに取り組みます。そのほうが、具体的な施策の検討がしやすくなりますし、途中で方針がぶれるなどの問題も起こりにくいでしょう。

必要な技術を取り入れる

デジタルトランスフォーメーションを推進するには、ビッグデータの収集や解析、AI技術、IoT、情報セキュリティなど、高いIT技術を取り入れなければなりません。目的を達成するためにどのような技術やツールが必要なのか検討したうえで、必要なツールを導入し、専門知識を持つ人材を集めましょう。

部署ごとに使っているツールやシステムが異なるケースでは、全体を俯瞰して管理できる人材も必要です。また、新しいIT技術を取り入れるとなると、反感を持つ人やツールを使いこなせない人が出てくる可能性もあります。新しいツールを取り入れたり業務フローを変更したりする際には、社員への説明と教育も重要でしょう。

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中小企業が直面するデジタルトランスフォーメーション(DX)の課題とは?

中小企業がデジタルトランスフォーメーションを推進するには、いくつかの課題を乗り越えなければなりません。まず、既存システムの老朽化です。経済産業省のレポートにもあるように、日本企業のシステムは複雑にカスタマイズを重ね、長く同じシステムを使い続けている傾向にあります。このようなケースでは、新しいシステムに乗り換えるための労力が大きくなります。

新しいシステムを導入するためには、労力だけでなくコストもかかります。システムの入れ替えには物理的な設備コストがかかるうえ、社内に専門知識を持った人材がいない場合は外部に委託する人件費なども織り込んだ予算が必要です。

経営陣もしくは従業員が、デジタルトランスフォーメーションの推進を受け入れられないということもあるでしょう。大きなコストがかかることを懸念する経営陣や、これまでの業務を大きく変えることに不安を感じる従業員などが出てくる可能性も十分に考えられます。

デジタルトランスフォーメーション(DX)に成功した中小企業の事例

デジタルトランスフォーメーションに成功した中小企業の事例について解説します。

久野金属工業株式会社

久野金属工業株式会社は金属加工メーカーで、生産性向上のためにIoT化に取り組み、デジタルトランスフォーメーションに成功しています。同社はもともと、最新設備の導入やロボットの自社開発など、ITに関して積極的な社風でした。

従来は手動で行っていた稼働状況の確認を自動化できる「IoT GO」を開発し、生産性向上に成功しています。この「IoT GO」は自社で活用するだけでなく、製造業向けクラウドサービスとして外部にも提供されています。

データをクラウド上に保存することで、社外からもアクセス可能になりました。そのため、テレワークの導入や時短勤務への対応、パート採用も可能になったという効果も得られています。

日進工業株式会社

日進工業株式会社は、自動車向けの小型・高精度樹脂部品メーカーです。海外に比べて日本のものづくりが遅れていると感じ、スマートファクトリー化の必要性を感じたのがデジタルトランスフォーメーション推進の理由でした。現場の稼働状況をリアルタイムに把握できるMCM Systemを開発し、担当ラインの稼働率や停止状況などの見える化を実現しています。

これにより、生産性の低いラインの洗い出しや原因分析が可能になりました。その結果、稼働率を50%から90%に引き上げています。

まとめ

デジタルトランスフォーメーションは「IT技術の進化によって業務改革を行う」という考え方で、常に変化する市場に対応するために必要不可欠なものです。中小企業においても重要な考え方で、課題を乗り越えながら積極的に推進していく必要があります。実際に成功している中小企業の事例も参考にしながら、デジタルトランスフォーメーションの推進に取り組みましょう。

KDDI まとめてオフィスでは、「通信×オフィス環境」のトータルソリューションにより、デジタルトランスフォーメーションの推進に最適なソリューションをワンストップでご提供します。デジタルトランスフォーメーションによる企業変革を考える際には、ぜひKDDI まとめてオフィスにご相談ください。

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