オンライン研修の成果を高めるには?準備から当日、開催後にやるべき内容まで解説
オンライン研修を有意義なものにするには、どのようなことに気を配るとよいのでしょうか。ここでは、オンライン研修の開催予定がある企業の経営者・情シス・総務の決裁者に向け、研修の準備から当日、および開催後にやるべき内容について解説します。オンライン研修ならではの注意点も紹介するので参考にしてください。
目次
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オンライン研修の分類
オンライン研修とは、受講者がパソコンやスマホなどのデバイスを通じて参加する研修です。受講者と講師が一堂に会する必要がなく、住まいや出張先などの遠方からも参加できます。ここでは、オンライン研修について参加拠点と配信内容の観点から解説します。
参加拠点による分類
参加拠点については2つに分類できます。ひとつは、何個所かの会場を用意する方法です。受講者を各会場に振りわけ、そのうちひとつの会場に講師を派遣します。ほかの会場は講師のいる会場と中継をつなぎ、オンラインで受講するよう手配します。
もうひとつは、会場を使わない方法です。受講者には自宅などから、各自が用意したデバイスを介し研修にアクセスしてもらいます。
また、「どこで研修を受講するのか」にもいくつかのパターンが存在します。
「集合型研修」は、1つ(あるいは複数)の会場に受講者が集まり、同じモニターを見ながら研修に参加する方式です。従来の研修と同様、受講者同士の対面でのディスカッションや、紙やペンを使う、または体を動かすグループワークが実施できます。
また、自宅にインターネット環境が準備できない受講者がいる場合なども集合型研修が適しています。
「個人参加型研修」は、各受講者が自身のデスクや自宅で受講するタイプの研修です。
受講者をいくつかの拠点に集めるのが難しい場合や、テレワーク導入企業などに適した研修形式です。
同時に複数人が参加する研修ではWeb会議システムなどを用い受講者同士でコミュニケーションが取れる場合が多くなっています。また個人学習形式の研修では、自分のペースで学習していくことが可能です。
配信内容による分類
配信内容についても2つに分類できます。まず、ライブ配信はリアルタイムで講師の話を聞く方式で、講師と受講者が双方向のコミュニケーションを取れるのが特徴です。一方、録画配信の場合は録画したものを配信します。なお、録画配信はeラーニングとも呼ばれます。
オンライン研修の特徴とは?
オンライン研修では対面してやり取りできない分、研修の成果を上げる工夫が必要になります。ここでは、オンライン研修の特徴について解説します。
チャットによる意思疎通
ライブ配信の研修に限りますが、チャットツールを使い意思疎通が図れます。チャットとは、掲示板のような仕組みです。オンライン研修の画面にチャット画面を開いておくと、受講者から寄せられた質問や意見が表示されます。(ツールの種類によって表示方法は異なる)チャット画面は講師とすべての受講者が見られるため、円滑にコミュニケーションできます。
画面の切り替え
ツールの種類、料金プランによっては画面の分割、および切り替え機能がある場合があります。たとえば、講義のときは講師を映し、グループワークが始まったらグループメンバーを映すように切り替え可能です。ほかにも資料を映したり、動画を配信したりといった使い方ができます。
オンライン研修が広まった理由は?
2020年に実施された調査によると、企業のおよそ半数がオンライン研修を採用しているとの結果が得られました。オンライン研修が広く採用される理由は、テレワークの普及です。柔軟な働き方に向けて推進されるテレワークの仕組みが、オンライン研修に活用できるためです。
※参考:「オンライン研修」の実施・導入決定状況|【調査結果】「オンライン研修」実施状況アンケート結果
オンライン研修のメリットとは?
オンライン研修のメリットについて、スケジュールとコストの観点から解説します。
スケジュールの自由度
オンライン研修では、一個所に集まって研修を開催する必要がありません。場所に縛られないため、テレワークの従業員や、出張が多い従業員など、個人の背景に関わらず研修に参加することができます。また、録画配信の場合は時間の調整も必要なく、受講者は好きな時間に研修を受けることが可能です。
コスト削減
オンライン研修では、初期の設備投資のみで繰り返し研修を開催できます。一方、実地研修の場合は、会場費・交通費・宿泊費・人件費などの経費を、研修のたびに準備しなければいけません。研修開催数や会場が増えるほど、費用がかさみます。したがって、コスト削減もオンライン研修のメリットといえます。
オンライン研修に必要なツール
オンライン研修に必要なツールについて、ライブ配信と録画配信のそれぞれのスタイルにわけて紹介します。
ライブ配信スタイルの研修の場合
以下に、必要なものを示しました。
・ネットワーク環境
・Web会議ツールをインストールしたパソコンやスマホなどのデバイス
・マイク付きヘッドセット
・資料
講師・受講者側ともに、安定したネットワーク環境が求められます。映像や音声が乱れると研修に集中しにくいためです。また画像を映す場合は、カメラつきのデバイスが必要です。なお、紙の資料が必要な場合は事前に受講者の手元に送りましょう。
録画スタイルの研修の場合
講師側は、事前に資料を作るのみであるため、特にツールを用意する必要はありません。受講者側には、オンライン環境で使えるデバイスを用意してもらい、動画を見てもらいましょう。また、受講者がデバイスを用紙できない場合は、業務パソコンの貸し出しも検討してください。
オンライン研修が向いている企業とは?
テレワークを取り入れている企業は、オンライン研修に向いています。テレワークで会議などのコミュニケーションをした経験をオンライン研修に活かせるためです。講義の内容については座学が向いています。実習は集合形式で、座学のみオンラインでというような使いわけも可能です。
オンライン研修の注意点とは?
オンライン研修と実地研修では、気を配るべきポイントが異なります。オンライン研修の注意点について解説します。
受講者同士の懇親には不向き
オンライン研修では、ディスカッションはできても交流を深めにくいです。新人研修など、懇親も兼ねて開催する研修をオンラインで開催する場合は、別途懇親の場を設けましょう。また、グループワークが円滑に進むように、事前に自己紹介の時間を設けるのもおすすめです。
事前準備が大切
ライブ配信で研修を実施する場合はやり直しがききません。せっかく講師と受講者のスケジュールをあわせているため、有意義な研修にするために念入りに準備しましょう。機器の使用や、資料の配布、トラブル時にどう対応するかについての確認などを行います。
オンライン研修のポイント【準備】
オンライン研修がスムーズに進行するかどうかは、事前準備にかかっています。準備についてのポイントを解説します。
事前の準備や確認を行う
オンライン研修のデメリットに、接続上のトラブルが発生するリスクが上げられます。従って、事前に接続テストの機会を設定しておいたほうがよいでしょう。また、受講者にはイヤホンやヘッドセットなどの機材の準備や、なるべく静かな環境で受講できるよう環境整備を促すことも大切です。なお、受講者が意外と判断に迷うのが研修参加時の服装なので、それらに関する指示・情報も明確に提示しておくべきでしょう。
早めに資料を提供する
紙の資料を用意する予定ならば、当日必ず受講者の手元に届くように手配しましょう。データを送信し受講者に印刷してもらう場合も、作業する手間を考慮し早めに提供してください。
機器の取り扱い、接続方法をレクチャーする
Web会議ツールに不慣れな受講者は、参加時に手間取ってしまうかもしれません。事前に操作方法をマニュアル化し、レクチャーを実施してください。また、当日に接続できないという事態も起こりえます。事前にWeb会議ツールの接続チェックをするよう、受講者に依頼してください。
適切なタイムスケジュールを組む
受講者の集中力を意識し、小刻みに休憩を挟めるようにスケジュールを組みましょう。また、講義を聞くだけの研修では、受講者の気持ちが緩みがちになります。ディスカッションやワークを効果的に取り入れ、受講者のやる気を持続できるよう工夫してください。
研修参加にあたってのルールを冒頭に明確に示す
研修中は言うまでもなく内職厳禁であることや、一時退出する際は必ず講師(事務局)の許可を得ること、さらにはチャット機能の使用ルールや、トラブル発生時の連絡先などを冒頭のオリエンテーションで確認しましょう。
研修運営上の指示に注意する
研修が始まったら、受講者にはカメラオンで顔出しすることを求めます。ただし、発言者以外はマイクをミュートにしておくよう指示を出しましょう。
また、研修にメリハリをつけるために、受講者に画面の切り替え(講義⇒「スピーカービュー」、全体討議⇒「ギャラリービュー」)を適時指定することも大切です。
オンライン研修のポイント【研修中】
オンライン研修の効果を高めるべく、当日に注意すべきポイントを解説します。
受講者の参加を意識する
チャットを使った質疑応答や、ディスカッションなどを取り入れ、受講者参加型の研修にしましょう。講師が話をして受講者は聞くだけの一方的な講義では研修の効果を得にくいためです。
また、対面していないと意味がわかりにくいニュアンス重視な表現は避け、伝わりやすい明確な言葉を選びましょう。さらに、研修を始める前に受講する目的を伝えてください。研修がどのように仕事に役立つかわかれば、受講への意欲や当事者意識を持ってもらいやすくなります。
受講側のカメラをONにしてもらう
受講側のカメラをONにしてもらいましょう。受講者側のリアクションを見つつ、研修を進められるためです。また、受講者側が緊張感を持てるというメリットもあります。また、カメラオンと合わせて、参加者は研修中大きくうなずく、表情を大きくするなどのリアクションを取り合うことを研修開始時にルールとして案内することで、より講師側は受講者の反応を得やすくなります。
受講者のなかには、背景に自室が映り込むのを嫌う人もいます。Web会議ツールの種類にもよりますが、背景をぼかす機能つきのツールもあるのでご紹介しましょう。たとえば、Microsoft Teams のようなツールが該当します。
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ツール操作に習熟したサポーターを配置する
突然の機器トラブルに対応できるように、ツール操作に習熟したサポーターを講師側に配置しましょう。経験豊富な講師でも、オンラインとなると慣れない操作に戸惑うことがあるかもしれません。サポーターがいると、講師も受講者側も安心して研修に集中できます。
オンライン研修のポイント【研修後】
オンライン研修後には、レポートやアンケートを出してもらいましょう。研修の成果確認や、時間の都合などで講義中に取り上げられなかった質問に回答するためです。
また、オンライン研修の課題抽出にも役立ちます。スケジュールや機器の取り扱い、不満に感じる部分などもヒアリングし、次回のオンライン研修に向けて改善計画を立ててください。
Web会議ツールの使用事例
オンライン研修に役立つWeb会議ツール「Cisco Webex with KDDI」について、使用事例を紹介します。
「Cisco Webex with KDDI」の使用事例
OATアグリオ株式会社では、以前からビデオ会議システムを使ったオンライン研修を実施していましたが、準備の大変さや接続の不安定さなどに悩まされていました。
新ツールの導入後には国内8拠点から約90名が参加する研修が開催され、準備が簡単で接続も安定していると、従業員から好評を得られました。また、国内外と接続するオンライン会議にも「Cisco Webex with KDDI」が活用されています。
まとめ
オンライン研修は場所に縛られず、多くの人が受講できます。ライブ配信の場合は、受講者が参加できるプログラムや、スケジュールなどを工夫すると研修が有意義なものになります。研修後には改善点をヒアリングし、次の研修に取り入れましょう。
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