オフィス移転のスケジュールや流れとは?月ごとに必要な作業を解説
オフィスを移転する際は、約半年前から必要な準備を進めていきます。この記事では、オフィス移転を検討している人に向けて、オフィス移転の全体的なスケジュールとともに、それぞれのタイミングでやるべきことを解説します。オフィス移転を計画的に進めるために、ぜひ参考にしてください。
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1. オフィス移転にかかる期間の目安
新しいオフィスへ移転するためにかかる期間は、6カ月が目安だといわれています。ただし、オフィス移転にかかる実際の期間は、状況によってさまざまです。企業規模や移転先の都合によっても必要な期間は変化するため、実際の状況に即して対応する必要があります。また、移転先の新しいオフィスでどのようなことを実現させたいかといった目的の明確化や、要件定義に時間を要する場合もあります。オフィスを退去する日が決定したら、逆算してスケジュールを立てましょう。
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2. オフィス移転のスケジュールの全体像
オフィスを移転する6カ月前には準備の流れを確認し、現オフィスのオーナーに対して解約通知を出しましょう。4~5カ月前になったら、移転先となる新しいオフィスに関して必要な手続きを行います。内装工事を依頼する業者も手配してください。
さらに、2~3カ月前には、オフィス移転に関して社内外にきちんと通知する必要があります。オフィス移転の1カ月前になったら、引っ越し作業を見据えた荷物整理を始めましょう。移転に関する書類の提出も忘れずに行ってください。
3. オフィス移転6カ月前のスケジュール
ここでは、新しいオフィスに移転する6カ月前のスケジュールについて具体的に解説します。
3-1. 移転プロジェクトのチームを立ち上げる
オフィスの移転は大掛かりな作業となるため、全体をまとめるリーダーが必要です。専門のプロジェクトチームを立ち上げ、移転計画を進めるメンバーを配置しましょう。チームのメンバーが中心となって移転の準備を進めれば、作業の効率化を期待できます。全体的な進捗も把握しやすくなり、スムーズにオフィス移転を完了させられます。
3-2. 解約通知を行う
新オフィスの契約と同時に、現オフィスの解約通知を行います。オフィスから退去するには、約6カ月前にビルの管理会社やオーナーに対して書面で解約通知を出すのが一般的です。解約に関する取り決めは、入居時に交わした契約書に記載されています。鍵や保証金の返却期日などを確認し、スケジュールに追加しましょう。
3-3. オフィス移転のスケジュールを立てる
オフィスを移転する際は、6カ月前頃に退去を決定します。そのため、6カ月前の時点で移転に関するスケジュールを決めておきましょう。オフィスの移転にあたっては、さまざまな準備が必要です。いつまでにどのような作業が必要か洗い出した上で、余裕をもって計画に盛り込む必要があります。
3-4. オフィス移転のサポート業者を選定する
オフィス移転には、引っ越し作業、内装工事、ITインフラ構築、レイアウト計画など、多岐にわたる作業が必要です。それぞれの作業を専門業者に委託することで、効率的にオフィス移転を進められます。
●引っ越し業者
荷物の梱包、運搬、搬入、新オフィスの家具設置など、移転当日の作業を担います。
●内装業者
オフィスの壁、床、天井の工事、電気、通信設備の配線などを行います。
●ITインフラ業者
ネットワーク構築、デスクトップなどの移設、セキュリティ設定など、IT環境の整備を行います。
●オフィス家具メーカー
オフィスデスク、チェア、収納ラックなどの家具を販売、設置をします。
●レイアウトプランナー
オフィススペースの有効活用、動線計画、家具配置などを提案してくれます。
また、上記の各業者を個別に依頼するのではなく、まとめて行ってくれる業者に一括依頼することも1つの手段です。担当者とのやり取りがシンプル、スケジュール管理がしやすい、コストが削減できる可能性がある、といったメリットがあります。
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4. オフィス移転4~5カ月前のスケジュール
ここでは、新しいオフィスに移転する4~5カ月前のスケジュールについて具体的に解説します。
4-1. 新オフィスのレイアウトを決める
新オフィスの図面をもとにし、備品をどのようにレイアウトするか決定します。働きやすい動線を確保し、関連する部署同士が連携しやすい配置にする必要があります。現オフィスで解決したい課題を考慮しながら、よりよいレイアウトを検討しましょう。
また、社員が働くオフィス内だけでなく、共用部分のレイアウトも決定しましょう。たとえば、多くの人の目に入るエントランスは自社のブランディングに影響するため、レイアウトにもこだわる必要があります。エントランスのすぐ先に執務エリアがある場合は、重要書類などの機密情報が来客した人の目に触れない高さの棚を置くなどのセキュリティを意識した工夫も必要です。そのほか、固定電話を設置したり、有線LANを使用したりする想定であれば、配線についても考慮しましょう。
4-2. 新オフィスで使用する什器やセキュリティを手配する
新オフィスでどのような什器やセキュリティを使用したいか考え、移転にあわせて発注しましょう。新オフィスへの引っ越しまでにきちんと確保できるよう、早めに手配する必要があります。新しい備品を設置する際は、自社のイメージやオフィスのデザインにマッチするかどうかについても検討しなければなりません。
4-3. 新オフィスの工事の契約を進める
新オフィスのレイアウトが決まったら、それを実現するために工事の契約を進めます。業者を選定し、見積もりを取った上で契約を結びましょう。イメージどおりのオフィスにするためには、業者との綿密な打ち合わせが必要です。イメージをなるべく具体的に伝え、それをきちんと実現してくれそうな業者を選ぶようにしてください。
4-4. 原状回復工事業者に調査依頼をする
原状回復工事とは、賃貸オフィスを借りた当初の状態に戻すための作業を指し、移転に伴い必要となる工程です。まずは、原状回復工事業者に対して調査を依頼しましょう。
賃貸借契約書に施工業者が指定されている場合、その業者に調査を依頼します。賃貸借契約書に施工業者の指定がない場合は、自社で適切な業者を選定します。複数の業者に見積もりを依頼し、提案内容や費用、工事スケジュール、実績や信頼性、対応の迅速さなどを比較検討しましょう。早期に確認し、選定作業を始めることで、より良い条件での契約締結が期待できるとともに、工事スケジュールの確保もしやすくなるでしょう。
5. オフィス移転2~3カ月前のスケジュール
ここでは、新しいオフィスに移転する2~3カ月前のスケジュールについて具体的に解説します。
5-1. 移転説明会を実施する
オフィスを移転するには、社員全員の協力が必要です。移転のために立ち上げたプロジェクトチームが中心になり、社員向けの説明会を実施しましょう。説明会では、おおまかなスケジュールや具体的な移転計画の内容を説明します。
なお、移転の目的を移転前にしっかり周知しておけば、移転後に社員はそれを意識しながらオフィスを活用できるようになります。
5-2. 取引先へ連絡する
取引先に連絡し、オフィスの移転について知らせましょう。請求書や契約書の発行先を変更してもらう必要があるためです。他社に登録されている情報は、自社の都合ですぐに変更してもらえるとは限りません。移転後のトラブルを防ぐためには、オフィスを移転する2~3カ月前の早い段階で連絡しておくと安心です。
5-3. 記載する住所を変更する
自社が自ら公開している情報に関しても、住所を変更しましょう。具体的には、ホームページや封筒、名刺に記載している住所を変更する必要があります。また、ゴム印、印章、伝票などの備品についても、新しい住所に変更しなければなりません。住所はさまざまなところに記載しているため、取りこぼしのないよう着実に変更してください。
6. オフィス移転1カ月前のスケジュール
ここでは、新しいオフィスに移転する1カ月前のスケジュールについて具体的に解説します。
6-1. 必要な手続きを済ませる
オフィスを移転すると、官公庁に対するさまざまな届出が必要となります。たとえば本社が移転する場合、法務局に対して「本店移転登記申請書」の提出が必要です。また、税務署には、「事業年度、納税地、その他変更移動届出書」などを提出します。一定の条件に合致していれば、消防署へ「防火管理者選任届」も提出しなければなりません。
書類の種類によって、手続きする時期が異なります。移転の前後でさまざまな手続きが必要になるため、あらかじめ手続き時期を確認して漏れがないよう用意しておきましょう。
6-2. 引っ越し作業を行う
現オフィスから新オフィスへ運ぶ荷物をまとめ、引っ越しの当日に運び出せるよう準備しましょう。引っ越し業者から梱包材を受け取ったら、少しずつ梱包作業を進めていきます。新オフィスでは使用しない備品については、同時並行で廃棄の処理を行います。
ただし、割れ物や精密機器などは、引っ越し業者に確認した上で梱包しましょう。備品の整理には時間がかかるため、早めに少しずつ作業を進める必要があります。
7. オフィス移転後のスケジュール
オフィスの移転が完了した後も、原状回復工事の完了確認、法的な手続きなどの作業があります。以下では、移転後に必要な原状回復工事および各種手続きについて、詳細を解説します。
7-1. 旧オフィスの原状回復工事をする
オフィス移転後に必要な原状回復工事は、契約終了日の約1カ月前に着工するのが一般的です。まず、工事の範囲や費用に関して施工業者と合意した後、正式な契約を結び、工事を発注します。工事の進行中も、施工業者から定期的に進捗状況を報告してもらうことが大切です。契約に基づいた作業が、しっかりと進んでいるかを確認できます。また、施工完了後には見えなくなる場所についても、中間検査を行うことがあります。
原状回復工事の範囲は、撤去が必要な家具や備品、床や壁紙の張り替え、天井の補修や再塗装など、契約内容に応じて異なります。工事の費用は、オフィスの規模や業種、施工の範囲によって大きく変わり、資材費や人件費などの変動要因も影響するので念頭に置いておきましょう。
工事の期間は範囲が広いほど長くなる傾向にあり、設備の変更がある場合は1カ月以上を要するケースもあります。したがって、退去時期や工事の開始時期を決定する際には、これらの要素を十分に考慮することが必要です。最終的に、工事が完了し、オフィスを貸主に引き渡すことで、原状回復が完了します。
7-2. 銀行口座とクレジットカードの住所変更手続きをする
オフィス移転後は、速やかに銀行口座とクレジットカードの住所変更手続きを行うことが重要です。手続き方法は各金融機関によって異なるため、事前に確認を怠らないようにしましょう。以下では、銀行口座とクレジットカードの住所変更手続きについて、一般的な内容を紹介します。詳しくは、対象の金融機関に直接お問い合わせください。
銀行口座の住所変更手続き |
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【手続き方法の例】
【必要書類の例】
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クレジットカードの住所変更手続き |
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【手続き方法の例】
【必要書類の例】
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7-3. 移転後に必要な届け出をする
オフィスの移転作業を終えた後も、さまざまな届出が必要です。法人の本店所在地を変更した場合は、2週間以内に法務局へ本店移転登記申請を行う必要があります。
また、税務署をはじめとする各種公的機関への届出も必要です。税務署に対しては「異動事項に関する届出」「給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出」の届出が必要です。「事業開始等申告書」は移転日から10日以内に都道府県税事務所に提出しなければなりません。
他にも、社会保険関連では、健康保険や厚生年金に関わる年金事務所、労働保険に関わる労働基準監督署、雇用保険のための公共職業安定所(ハローワーク)への届出も行います。期限内に提出できるよう、スケジュールに加えておきましょう。
8. オフィス移転にかかる費用の種類
オフィス移転にかかる費用の種類としては、主に以下のとおりです。
●引っ越し費用
家具や機器などの物品を新しいオフィスへ運搬するための費用です。運搬する物の量や距離によって費用が異なります。
●不用品の処分費用
古いオフィスから出た不用品や廃棄物を処分するための費用です。処分する物の種類や量によって費用が変動します。
●新オフィスの費用
新しいオフィスのレイアウト設計や内装工事、必要な家具や機器の購入費用です。新しいオフィスの賃貸契約に伴う初期費用(敷金、礼金)、購入の場合は物件価格に加えて登記費用や仲介手数料などもかかります。
●原状回復工事費
古いオフィスを退去する際に、契約に基づいて原状回復を行うための工事費用です。工事の範囲に応じて費用が変動します。
●敷金や仲介手数料などの不動産取得費用
新しいオフィススペースを借りる際に必要となる、敷金や礼金、不動産仲介手数料などの初期費用です。物件や契約条件によって大きく異なります。
9. オフィス移転をスムーズに完了させるためのコツ
ここでは、オフィス移転をスムーズに完了させるために意識したいコツを解説します。
9-1. 余裕をもってスケジュールを立てる
オフィスを移転するためには、多くの工数がかかります。どのような作業が必要か最初に洗い出した上で、なるべく早めに取り組めるよう計画を立てましょう。すべての作業を着実に進めるには、スケジュールに余裕をもたせる必要があります。
場合によっては、計画を進める中で予想外のタスクが生じる可能性もあります。そのような場合に慌てないためにも、できることは早めに取り組むよう意識しましょう。
9-2. タスクの期限を意識する
スケジュールを決めるときは、もともと期限が決まっているタスクを優先的に組み込んでいきます。期限が近いもの、期限はあるがまだ先のもの、比較的柔軟に対応できるタスクの順に取り組む時期を検討しましょう。また期限とは別に、タスクにより完了までにかかる期間もさまざまです。その点も考慮した上で、余裕をもってタスクを整理する必要があります。
10. オフィス移転の業者を選定するポイント
オフィス移転をスムーズに成功させるためには、移転業者の選定が非常に重要です。最後に、業者を選定する際の主要なポイントを3つ解説します。
実績 |
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オフィス移転業者の実績は、その業者が提供するサービスの品質を示す重要な指標です。特に、同規模または同業界の企業の移転経験があるかどうかや、以前にサービスを利用した顧客からのレビューや評価を確認するようにしましょう。 |
サービス範囲 |
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オフィス移転には、引っ越し、内装工事、ITインフラ構築、レイアウト計画、各種手続きなど、さまざまな作業が必要です。 荷物の梱包、運搬、搬入のみを依頼したい場合や、内装工事やITインフラ構築まで一括で依頼したい場合など、必要なサービス範囲を明確にしておきましょう。例えば、荷造りから搬入まで一括で依頼できる業者や、オフィス家具のレンタルサービスも提供している業者、内装工事やITインフラ構築のパートナー企業と連携している業者など、対応している範囲は各業者によって異なります。 |
アフターフォローなどのサポート体制 |
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移転完了後も、大小かかわらず予期せぬ問題が発生するケースがあります。例えば、移転後に機器の不具合が発生した場合や、配置変更が必要になった場合に、どの程度のサポートを受けられるかなどについて、事前に確認しておくことが重要です。 迅速な対応をしてくれる業者や、定期的なメンテナンスサービスがある業者などは、安心でしょう。 |
まとめると、まずは相見積もりを取りながら、サービス内容や料金を比較し、自社のニーズに合ったサービスを提供している業者を選ぶことが大切です。担当者とのコミュニケーションをしっかりと取り、信頼関係を築くことで、スムーズな移転を実現できるでしょう。
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まとめ
オフィスを移転するためにはさまざまな業者とのやり取りや、作業が必要です。一般的には、オフィスを移転する6カ月前から準備を進めます。どのような作業が必要か確認した上で、具体的なスケジュールを定めておきましょう。
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