一般的に、製造業ではテレワークの導入が難しいといわれています。この記事では、テレワークの導入方法について悩んでいる製造業の担当者に向けて、テレワークを導入する際の課題や解決策について解説します。自社にとって最適な働き方を実現するために、ぜひ参考にしてください。
目次
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製造業でのテレワークは可能?
製造業でもテレワークの導入は不可能ではないものの、職種によっては難しいケースもあります。特に商品開発や設計を担当する技能系の職種は現場で対応すべき作業が多いため、テレワークには向いていません。
また、部品の組み立てや品質管理などを担当している技術系の職種も、テレワークの実現は簡単ではないでしょう。
製造業にテレワークを導入するためには自社の状況を考慮し、無理のない範囲で実現できる方法を模索する必要があります。
製造業がテレワークの導入において抱える課題とは
製造業はほかの業種と異なり、テレワークを導入するためにさまざまな課題をクリアする必要があります。ここでは、テレワークの導入にあたり製造業が抱えている課題について解説します。
課題1:現場業務
製造業では現場で対応すべき業務が中心となっており、会社を離れると業務を進められないケースも多いです。たとえば、生産ラインや品質を管理したり、実験を行ったりするには、現場に出向く必要があります。工場での組立作業の業務も同様です。
新しい技術の活用により、これらの業務についても遠隔操作が可能になりつつあります。しかし、すべての業務について遠隔操作で対応できるわけではないため、テレワークの導入は依然として困難な状況です。
課題2:労務管理
テレワークでは、労務管理の難易度も上がります。社員が目の前にいないため、企業側は正確な労働時間を管理するのが難しくなります。また、会社に行かずに働くとなると、業務とプライベートの区別がつけにくいと感じる社員も少なくありません。
また、テレワークを導入しても、会社で働いているときと同様に労働基準法が適用されます。法律を守りながら適切に労務管理を進めるためには、入念な準備や対策が必要です。
課題3:セキュリティ
社員がテレワークで業務を進めるためには、会社が保有しているさまざまな情報を社外へ持ち出す必要があります。開発情報や知的財産など、会社にとって特に重要な情報も例外ではありません。
テレワークを開始すると、従来よりも情報漏洩が発生するリスクが高まります。万が一、情報漏洩が発生すれば、企業の存続にも影響を与える恐れもあるでしょう。
テレワークを導入するうえでは、セキュリティ対策の強化が必要不可欠です。また、それぞれの社員に情報漏洩のリスクを理解させる必要があります。
課題4:コミュニケーション
製造業の企業には、生産、開発、営業、品質管理などさまざまな部署が存在します。それぞれが連携して日々の業務を進めているため、社員同士のコミュニケーションが重要となる場面が多いです。いきなりテレワークを導入するとリアルタイムのコミュニケーションがとりにくくなり、業務に支障をきたす恐れがあります。
製造業でスムーズにテレワークを進めるためには、円滑なコミュニケーションをとるための工夫が必要です。たとえば、ツールやサービスを導入し、離れていてもすぐにコミュニケーションがとれるようにしましょう。
製造業でテレワークを導入するコツを解説
製造業でテレワークを導入するためには、課題を解決するには何をすべきか確認する必要があります。メインの業務には関係ない部分から取り組み方を変更し、少しずつテレワークに適した仕組みを整えるのもひとつの方法です。
以下を参考にしつつ、自社にとって最適な課題の解決方法を模索しましょう。
社内の理解を募る
製造業にテレワークを導入するのは簡単ではないため、社内の理解をしっかり得ておく必要があります。上層部だけでテレワークの導入を推進するのではなく、すべての社員の協力を得ながらテレワークの導入のための準備を進めましょう。
また、テレワークを導入した後も、適宜改善を加えることが大切です。PDCAサイクルを回し、社員がより心地よく働けるような環境を整備しましょう。
業務の洗い出しを行う
いきなりすべてをテレワーク化しようとしても、うまくいかない可能性が高いです。一度にすべてをテレワークに切り替えるのではなく、対応しやすい業務から少しずつテレワーク化を目指しましょう。たとえば、集計作業や資料作りなどであれば、テレワークでも対応できる可能性が高いです。
どうしてもテレワークで対応しにくい業務については、特定の出勤日を設定してまとめて作業を進めるのもひとつの方法です。業務の洗い出しにより、それぞれの特徴にあわせて対応できるようにしましょう。
テレワークの運用ルールを決める
テレワークをスムーズに進めるためには、自社の運用ルールを明確に定めると効果的です。業務の状況を考慮して、テレワークの実施頻度を決めましょう。場合によっては時短勤務やフレックス勤務との併用も検討すると、社員にとってより働きやすい環境を構築できます。
なお、テレワークを導入する際に新しい取り決めを定めるなら、就業規則も変更する必要があります。運用ルールの全体像がまとまったら社員に周知し、適切にテレワークを進められるようにしましょう。
製造業でテレワークの導入に成功した事例を紹介
製造業でもテレワークを導入している企業は複数存在します。ここでは、製造業でテレワークを導入した成功事例を紹介します。
事例1
ある製造業の企業では、スマートマットを導入して在庫管理の自動化を実現しています。もともと簡易的な倉庫管理システムを利用していましたが、実際の状況を正しく把握できていない点に課題を抱えていました。社員が週に1回棚卸しをしているものの、大きな負担となっていたようです。
スマートマットの導入後はIoTによる正確な在庫管理を実現でき、社員による棚卸しも不要になりました。離れた場所から在庫状況を確認できるため、業務効率が上がっています。
事例2
スマートグラスを活用し、遠隔で作業の指示を出している事例もあります。スマートグラスとは、メガネにディスプレイがついており、目の前の景色にデジタルの情報を付け加えて表示できるツールです。
製造業にスマートグラスを取り入れれば、離れた場所にいる社員が現場で作業している担当者に具体的な指示を出せるようになります。また、別の場所で作業している設計士がそれぞれ作成した図面をやり取りすることも可能です。
事例3
製造業の企業のなかには、徹底的なIT環境の整備によりテレワークを推進しているところもあります。社員の多様な働き方の実現や新型コロナウイルスの感染対策のため、出社が必要不可欠な業務以外は在宅勤務を推奨しています。
会社から離れた場所でもスムーズに業務を進められるよう、Microsoft TeamsやSkypeなどを導入しました。また、在宅勤務のために必要な物品の購入費用も補助しています。取り組みの結果、社内の在宅勤務率は約7割となっています。
事例4
社員の通勤時間の無駄を解消する目的で、テレワークを導入した製造業の企業もあります。この企業ではテレワークの実現にあたり、業務効率化や意思決定の迅速化などが課題となっていました。
クラウドサーバーを設けてデータを共有しやすくし、コミュニケーションをスムーズにとるためにチャットツールやWeb会議ツールを導入しています。その結果、サテライトオフィスでも従来と同じように業務が進められ、より集中して取り組めるようになりました。
事例5
テレワークの導入にあたり、外部から安全に社内の情報にアクセスするための環境整備に力を入れた事例もあります。ある製造業の企業では、テレワークに対応するためのセキュリティが十分ではない状況でした。
そこで、VPN接続をできるようにし、社内のシステムにアクセスする際のセキュリティを強化しています。また、チャットツールやWeb会議も導入し、離れた場所同士でスムーズなコミュニケーションがとれるようにしています。
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まとめ
製造業にテレワークを導入するためには、さまざまな課題を解決する必要があります。工夫次第で製造業にもテレワークを導入できる可能性があるため、実際の業務の状況を確認しながら準備を進めましょう。テレワークの導入を成功させるには社員の理解を得たうえで、しっかりとルールを定めたうえで取り組むことが大切です。
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