コロナ禍の環境下で、クラウド化をする企業がより増えています。自社でもクラウド化するために、具体的な方法やツールを知りたいという方も多いのではないでしょうか。本記事では経営者や情シス、総務の決裁者向けに、クラウド化の仕組みやクラウド環境の種類などについて解説します。クラウド化を進める際の参考にしてください。
目次
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クラウド化とは?
そもそもクラウドにはどのような仕組みやサービスがあるのでしょうか。クラウド化が進んでいる業務とあわせて解説します。
クラウド化させる仕組みとは?(クラウドとオンプレミスの違い)
クラウド化は、インターネットを通じてサービス事業者が提供するクラウド上のソフトウェアに、ユーザーが自社で管理しているデータを移して利用することを指します。一方、オンプレミスは、ネットワークやサーバーを自社に物理的に設置して運用やシステム構築を行います。
クラウドサービス利用者は増加している
クラウドサービスの利用者は年々増加しています。総務省の企業におけるクラウドサービスの利用動向によると、2019年のクラウドサービスを利用している企業の割合は約6割となっています。また一部でも利用している企業は64%で前年58%から6%もあがっています。
※参考:令和2年 情報通信白書 総務省
クラウド化が進んでいる業務とは?
クラウドサービス利用の内訳で最も多いのは「ファイル保管・データ共有」です。以下に、利用が多かった順にご紹介します。
・ファイル保管・データ共有:53.1%
・電子メール:52.1%
・サーバー利用:51%
・社内情報共有・ポータル:40.5%
・スケジュール共有:38.4%
・給与、財務会計、人事:31.9%
・データバックアップ:29.3%
・営業支援:16.7%
・eラーニング:14.3%
参考:https://www.itscom.co.jp/forbiz/column/cloud/1597/
クラウド環境の種類とは?
クラウド環境は以下の3つの種類にわかれます。
・プライベートクラウド
・パブリッククラウド
・ハイブリッドクラウド
プライベートクラウドは企業専用で構築されクローズドで共有できるクラウド環境です。パブリッククラウドは一般的に活用されるクラウドで、データ情報を不特定多数で共有されたクラウド内でシェアできるのが特徴です。 ハイブリッドクラウドはプライベートクラウドとパブリッククラウドを混合したもので、場合に応じたリソースの切り替えを可能にしています。
クラウド化するメリット
クラウド化することでさまざまなメリットがあります。以下では、クラウド化のメリットについて具体的に解説します。
導入・管理が容易
クラウドサービスは既製品のシステムを購入する形になり、自社でシステムを開発する必要がないため、契約後すぐに利用できます。自社サーバーを運用する場合(オンプレミスの場合)は、サーバーを維持するための専任スタッフを置く必要がありますが、クラウドサービスなら運用を任せることができるため、管理の手間がかからないのがメリットです。
新しいワークスタイルに対応
クラウド化することで、新しいワークスタイルにも対応できます。たとえば、Web会議システムやTV会議システム、仮想デスクトップ、ファイルサーバーによるデータ共有などの各種サービスが、すでにクラウドサービスとして提供されています。
出社せずともノートPCやタブレットを使って自宅で作業ができ、会議もオンラインで完結するので非常に便利といえるでしょう。社内のデータがクラウド上にあるため、自宅から社内データを扱えるようにもなります。
初期投資が安価
クラウド化するには初期投資が安価というメリットもあります。その理由は、自社でシステムを開発する必要がないため、初期投資がほとんどかからないからです。
また、かかる費用はクラウドサービスによって異なりますが、かかるのは初期費用くらいであるため、自社開発コストと比べたらかなり低コストに抑えられるといえるでしょう。
適正コストが維持できる
クラウドサービスのほとんどは従量課金制でサービスを展開しているため、使った分だけ料金を支払うシステムです。そのため、必要以上のコストが発生しません。サービスの中には長期利用でディスカウントを適用してくれるものもあるので、お得に利用できるケースもあります。
また、オンプレミスではサーバーを導入しても100%のリソースを利用できるわけではなく、余剰資源を見込む分、投資対効果が下がってしまうというデメリットがあります。それに比べてクラウドサービス(SaaS)の場合には、利用者のみの金額なので増減に応じて適正なコスト支出でサービスの利用が可能です。
外部からアクセスできる
クラウド化にすると、どこにいても、IDとパスワードがあれば外部からアクセス可能です。ですので、非常に利便性が高く、働く場所を限定せず快適に業務をおこなうことができます。
セキュリティが高い
クラウド化サービスを提供しているGoogleやMicrosoftなど大手IT企業の製品は、特にセキュリティが高い製品が多いです。そのため、セキュリティリスクが少なく、安心して業務に使用できます。
拡張性が非常に高い
クラウド化サービスは拡張性が非常に高いというメリットがあります。たとえば使用量に応じて簡単に容量プランの変更ができたり、使う人数に対して柔軟にアカウント数を変えることができたりなど、柔軟に対応できます。
最新のインフラを保てる
最新のインフラを保てることもクラウド化のメリットのひとつです。Google、Microsoftなど大手IT企業が提供している製品は、特にその傾向があります。
古いシステムも使える
古くなったシステムの延命手段としてもクラウドは利用可能です。たとえば、クラウド上に古いシステムに合ったインフラ環境を整えれば、サーバー老朽化などの問題からシステムを救い出して、今までとおり業務をこなすことができます。
クラウド導入のデメリットとは?
クラウドを導入する際には、デメリットが発生する場合もあります。適正な運用を行い、事前に対策を取れるよう、気をつけるべきポイントを押さえておきましょう。
データ通信の混雑による非効率性
クラウド化のデメリットとして、データ通信の混雑による非効率性があげられます。その理由は、多くの企業がクラウド化を進めていることにより、ネットワーク回線の負担が増えていることが考えられます。利用者が多いと、通信速度の低下やアクセス障害などを招いてしまいます。
対策として、セキュアで高速な通信が維持できる通信環境の整備もあわせて検討することが重要です。
運用管理不足によるセキュリティリスク
運用管理不足によるセキュリティリスクのデメリットもあります。製品自体は安全性を保てていても、社内における運用管理をしっかりしないとセキュリティリスクが出ることがあるのです。IDやパスワードのずさんな管理が原因で外部から侵入され、データの漏洩が起きた事例もあります。
活用方法によっては管理・運用コストが増加する可能性
活用方法によっては、管理、運用コストが増加するリスクも考えられます。
たとえば、クラウドの管理、運用ができていなかったため、クラウドサービスの使用コストが非常に高くなってしまったなどの例も実際にあります。こういった自体を避けるためにも、まずは導入前に検討しているクラウドサービスが、自社の規模や用途に合っているかどうか、提供サービスの範囲や、追加コストがかかるケース、など事前に調査をしっかりおこないましょう。
カスタマイズが自由にできない
クラウドサービスは一般的にでき上がっているサービスを利用する形態になるため、カスタマイズが自由にできないというデメリットがあります。会社ごとの個別カスタマイズは苦手といえるでしょう。
社内システムと連携できない場合がある
クラウドサービスは社内システムの連携に制限があります。そのため、社内システムと連携できない場合があるのです。自社で使っている社内システムと連携できるか否かは、利用するサービスの仕様次第です。そのため、事前に社内システムとの連携についてしっかり確認する必要があります。
利用中にサービスが終了するリスクがある
クラウド化に移行しても、利用中にサービスが終了するリスクがあります。それは、サービス提供元の企業が倒産した場合、提供されているサービスも使えなくなってしまうからです。クラウド化するときは信頼のおける、実績のあるベンダーを選択しましょう。
クラウドベンダーの選び方
クラウド化するメリットとデメリットがそれぞれ分かったところで、以下ではクラウドベンダーの選び方について詳しく解説します。
導入事例数
クラウドベンダーの導入事例数は、重要な判断材料です。信頼性の観点から、導入事例は少ないよりも多いに越したことはありません。豊富な導入実績があるクラウドベンダーを選ぶようにしましょう。
自社のやりたいことが実現できるか
クラウド導入の目的は「自社のやりたいことを実現するため」です。そのため、自社で実現したい内容を明確にして、「選択するクラウドベンダーでそれが実現できるのか?」という視点でチェックするとよいでしょう。目標や目的から逆算して計画を立てることが重要です。
まとめ
リモートワークで業務を行う機会が増え、クラウド化を導入する企業も増えてきました。クラウド化することによってさまざまなメリットが得られます。一方で導入するデメリットも存在するため、費用対効果を見極めて導入しましょう。本記事で紹介した内容をクラウド化の参考にしてください。
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