テレワークの推進には、社内のペーパーレス化が不可欠です。効率よくペーパーレス化を実現し、テレワークを進めたい企業の担当者も多いのではないでしょうか。今回は、テレワークにペーパーレス化がなぜ必要なのかを明らかにし、メリット・課題などを解説します。自社に適したテレワークの推進、ペーパーレス化の参考にしてください。
目次
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テレワークにはペーパーレス化が不可欠
テレワークを導入し推進するにあたって、ペーパーレス化は不可欠な環境整備の1つです。テレワークを導入すれば、従業員は自宅やシェアオフィスなどで仕事を行います。従業員に、仕事で必要な紙の資料をすべて持ち帰らせるのは非現実的です。
会社以外の場所で作成した紙の資料、ファイルなどを会社にいる他の従業員と共有することも難しくなります。また、紙ベースのワークフローであれば、申請や稟議のために会社に出向くことになるため、テレワーク推進の妨げになります。テレワークを効率的に推進し実行するためには、ペーパーレス化が必須といえるでしょう。
ペーパーレス化の目的、現状と課題
ペーパーレス化は、目的や現状・課題などを理解しておくと実現への行動に移しやすくなります。ここではペーパーレス化の目的や現状の課題について解説します。
ペーパーレス化とは
ペーパーレス化とは、紙媒体を電子化してデータとして保存し、活用することです。広い意味では書籍の電子化なども含まれますが、ビジネスでは帳簿類や資料、申請書、契約書など、紙ベースでやり取りしていたものを電子化することを指します。紙を使わないことで、業務効率が改善されるだけでなく、今までの紙やコピー代などのコスト削減にもつながるでしょう。
ペーパーレス化の目的
ペーパーレス化の目的は電子化と紙の削減ですが、その先には、テレワーク推進などの業務改革があります。ただ紙をなくすだけのペーパーレス化であれば、用紙代、インク代などのコスト削減だけで終わるでしょう。しかし本当の目的は、ペーパーレス化の実現により業務を効率化し、さらに高度化させていくことが目的であるといえます。
ペーパーレス化の現状
ペーパーロジック社の調査によれば、東京に本社がある企業111社で、社内のペーパーレス化を推進した企業は75.7%でした。導入したシステムは、電子ワークフローが81.0%で、勤怠管理システムが64.3%、経費精算システムが57.1%です。1つのツールに多くの機能が備わっているため、複数回答を反映していますが、効率性の高いツールが選ばれている傾向となっています。
ペーパーレス推進の理由は、テレワークの促進やSDGsの推進の一環との答えが多数を占めていました。ペーパーレスに課題を感じる企業は、73.9%と高い結果がでています。約20%の企業がペーパーレス化を推進していません。
出典:ペーパーロジック社「ペーパーレス化に伴う2021年度予算に関する意識調査」
ペーパーレス化が進まない背景
ペーパーレス化の実現は、順調に進んでいるかのように見えます。しかし、進んでいない企業や団体も少なくありません。ペーパーレス化が進まない背景には、紙に対する安心感や信頼感が根強い、紙文化があげられます。紙を多用する企業では、ペーパーレス化の導入コストそのものをデメリットに感じている場合もあり、不自由に感じない紙文化を残したままになりがちです。
ペーパーレス化の推進はいきなり全ての紙をなくすのではなく、データで行う業務を少しずつ増やしながら紙の使用を徐々に減らしていくことが重要になります。
ペーパーレス化のメリット
企業や団体などがペーパーレス化をすると多くのメリットがあります。ここでは、ペーパーレス化のメリットについて解説します。
コスト削減
目に見えるペーパーレス化のメリットは、コストが削減できることです。用紙代・インク代・印刷の外注費のなどの印刷代が削減できて、保管切れ文書の処分費用の削減も可能となります。また、紙がなくなれば保管場所も縮小できて、保管・処分に関わる人件費の削減も可能です。紙資料の紛失によるセキュリティリスクも軽減できます。
業務効率化
ペーパーレス化は、業務効率を上げることにも役立ちます。業務資料をクラウドサービスなどで格納しておけば、検索機能を使用して必要な資料を探す手間が省けるため時間短縮も可能です。従業員のだれもがいつでもどこからでも、必要な資料にアクセスできれば、業務効率が格段に上がります。企業の機密事項へのアクセスを制限すれば、セキュリティも高められます。
BCP(事業継続計画)対策
ペーパーレス化はBCP対策にもつながります。予期せぬ災害などにより、本社機能を失っても損失を最小限に抑えられます。企業情報を紙で保管していると災害などにより消失する恐れもあるでしょう。しかし、データがクラウドサービスで保管されていれば、メインサーバーが被害にあってデータを損失しても、クラウドにより分散保管されているデータを復旧すれば事業を継続できます。
ペーパーレス化によって企業が保管しているデータ情報を、災害などからより守りやすくなるのです。
テレワークに必要なペーパーレス化導入方法
ペーパーレス化の実現には導入方法を理解しておくことが大切です。ここでは、ペーパーレス化の導入方法を解説します。
ペーパーレス化の目的を社内で共有し同意を得る
ペーパーレス化を進めるにはまず、ペーパーレス化の目的や理由、ゴールなどを明確にする必要があります。明確にした目的などを社内全体で共有し、従業員の同意を得ましょう。そうすれば、ペーパーレス化に対して会社を挙げて取り組めます。
具体的な目標を設定することも大切です。コスト削減目標や業務改善目標、部署ごとの目標を設定すれば、従業員が目標意識をもつため、より効果的なペーパーレス化が実現できるかもしれません。成功例のマニュアル化も同時並行するとよいでしょう。
電子化する書類の優先順位を決める
ペーパーレス化を進めるためには、電子化する書類の優先順位を決めることが大事です。法律や行政機関の都合により、紙ベースでなければならないものを洗い出します。その後、電子化する範囲と優先順位を決めましょう。作業チームやプロジェクトチームを立ち上げることがおすすめです。
社内すべての書類を一気に電子化することが難しい場合は、部署ごとや部分的にペーパーレス化を進める方法もあります。問題点や改善点を見出しながら、全社的なペーパーレス化を実現することが大切です。
ペーパーレス化に必要なサービスやツールを決める
ペーパーレス化には、先端のデジタル技術が必要です。自社に適したハードウェアやソフトウェア、クラウドサービスを選定しましょう。電子化された書類や資料を見るためには、タブレットやスマートフォンなどが必要になります。
電子化された書類がデータ化されれば、従業員がいつでもどこからでも、利用できる環境が必要です。クラウドサービスで保管することで実現できます。テレワークの推進を見据えたサービスやツールで、おすすめできるものを下記で紹介しています。
おすすめのスマートフォン・タブレットはこちら
おすすめのクラウド・グループウエアはこちら Microsoft 365 with KDDI
現存する紙資料を電子化する方法
現存する紙ベースの書類や資料を電子化するためには、データの保管方法を決める必要があります。後で変更する場合とても手間がかかるので、利用目的に合わせたデータ化と保管方法が求められます。
データの保管方法が決定すれば、スキャナーや複合機を使って、紙ベースの書類や資料などを電子化します。ペーパーレス化のために、スキャナーや複合機を導入する場合は、多機能でスキャン以外にも活用できる複合機がおすすめです。人手が足らない場合は電子化を外注する方法も検討しましょう。
テレワーク・ペーパーレス化の導入事例
テレワークやペーパーレス化を進めるにあたって、導入事例を参考にすると成功のポイントをつかめます。
佐賀県庁のテレワーク・ペーパーレス化導入事例
佐賀県庁は、テレワークとペーパーレス化に成功した庁舎です。公共団体がテレワークを推進するためには、従来以上に市民満足度を高める必要があります。市民満足度の高い業務スタイルを構築できなければ、市民の理解を得られない可能性があるからです。
現場を第一に行政サービスの質を向上させ、仮想デスクトップなどデジタル技術を活用したことで、テレワークを実現しました。また、テレワークで問題となるセキュリティリスク軽減のためには、タブレットに重要なデータを保存させないシステムを構築しています。
テレワーク推進に伴ってペーパーレス化も実現し、1万枚分の用紙代や印刷代が削減できています。テレワークを効果的に活用することで、余計な時間が削減できるため、県民と接する時間が増加。結果として、業務の効率化と行政サービス向上の効果を得ています。
参考:【導入事例】テレワーク推進に向けたタブレットシステム構築
共和薬品工業株式会社様テレワーク導入事例
共和薬品工業株式会社様は、コロナ禍におけるテレワーク体制が課題でした。「Microsoft 365 with KDDI」を導入し、インフラの再構築とテレワーク体制の強化に成功しています。
共和製薬工業株式会社様でのテレワーク体制への移行は、デスクトップパソコンからノートパソコンへのシステム移管によるサーバーの負荷が大きな問題となりました。顧客向けコールセンターでの対応の際、着信のたびにサーバーへの接続が必要なため負荷も大きくなります。そのためインターネット通信に関与する処理速度負荷などを検討し、「 Microsoft 365 with KDDI 」の導入を決定したのです。
導入後はスムーズな業務進行が可能となっており、始業や退勤の連絡をチャットベースで行っています。細かなコミュニケーションもとれるため、コロナ禍中であっても業務進行が円滑になりました。
参考:【導入事例】「Microsoft 365 with KDDI」の導入でコロナ禍における業務の円滑遂行を実現
まとめ
テレワークの推進には、ペーパーレス化は不可欠な要素です。テレワークやペーパーレス化を実現させるためには、最先端のデジタル技術をトータルで導入しましょう。1つの技術だけ最先端のものを取り入れても、働き方改革の推進や業務効率を最大化させることは難しいといえます。
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