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テレワークによって起こるうつとは?原因や予防策を解説

テレワークによって起こるうつとは?原因や予防策を解説

2021年10月26日掲載(2023年11月06日更新)
※ 記載された情報は、掲載日現在のものです。

うつの様子をイメージしたフィギュア

テレワークを導入している企業のなかには、従業員のメンタルヘルスに課題を感じているところも増えています。テレワークによりうつ病になる人もいるため、対策が必要です。

この記事では、テレワークの導入を検討している企業やすでに導入している企業の担当者に向けて、テレワークによってうつが起こる原因や予防策を解説します。

目次

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感染対策としてテレワークが推進されている現状

感染対策の一環として、政府はテレワークを推進しています。ただし、企業が従業員に業務命令を出してテレワークへ移行した割合は、わずか4.6%です。業務命令ではないもののテレワークが推奨された割合も、同様に4.6%にとどまっています。

テレワークは感染対策として普及が望まれています。しかし、さまざまな問題もあり、実際にはテレワークを実現できていないケースも多いです。その理由のひとつとして、テレワークによるうつがあげられます。

【テレワークによって増加傾向に】うつ病とはどんな病気?

テレワークの普及に伴い、うつ病を発症する人が増加傾向にあります。テレワークを始めると、なぜうつ病になる人が多くなるのでしょうか。テレワークを推進するうえでは、うつ病の症状や原因についても確認しておく必要があります。

ここでは、テレワークによって引き起こされるうつ病の症状とともに、具体的な原因を解説します。

うつ病の症状

うつ病になると、特別な理由がないにもかかわらず気分が落ち込んだり焦ったりします。また、ささいなことでイライラしやすくなり、物事を悪い方向へ考えがちになります。常に気持ちがネガティブになるケースも多いです。

うつ病の症状が進行すれば、具体的な理由がないにもかかわらず死にたいという気持ちが強くなる場合があります。自殺願望とは異なり、漠然と消えてしまいたいという思いを抱く人も珍しくありません。

うつ病の原因

うつ病の具体的な原因は、まだ解明されていません。そのため、根本的な対策を講じにくいのが現状です。

ただし、うつ病にはさまざまなことが影響していると考えられています。たとえば、環境、性格、遺伝的要因、ホルモンバランスの異常、慢性的な身体疾患などがうつ病の発症につながっている可能性が高いです。うつ病にならないようにするには、自分自身や身の回りのさまざまなことに配慮する必要があります。

なぜテレワークが原因でうつ病リスクが上昇するのか

テレワークは、オフィスで働く場合とさまざまな部分が異なります。そのようなテレワークならではの特徴が、うつ病のリスクを上昇させている可能性が高いです。ここでは、テレワークでうつ病になる理由について解説します。

孤独を感じやすいから

テレワークは、自宅で仕事を進めるケースが一般的です。テレワークを始めると自宅から一歩も出ず閉じこもりがちになります。孤独を感じたりネガティブな気持ちになったりすることも、うつ病を引き起こす要因のひとつです。

また、テレワークを始めると、上司と離れた場所で業務を進めなければなりません。コミュニケーションをとりづらく、わからないことがあっても質問しにくい、不調でもなかなか気づいてもらえないなどが、原因で心身ともに落ち込みやすくなるケースもあります。

生活リズムが乱れやすいから

テレワークを始めると職場へ行く必要がなくなります。職場に行かないと生活リズムにメリハリがつかないと感じている人は少なくありません。生活リズムが乱れやすくなることも、うつ病を引き起こす要因のひとつです。

また、自宅で仕事に取り組むと、プライベートとの境界が曖昧になります。仕事をするのも休憩するのも同じ場所になるため、気持ちを切り替えにくいと感じる人が多いです。

仕事の区切りがつけにくくなり、ダラダラと仕事に取り組み続けてしまうケースもあります。その結果、長時間労働になり、心身の不調を引き起こす原因にもなります。

運動不足になりやすいから

テレワークでは、出勤や退勤が必要ないことで運動不足になるケースも少なくありません。極端な運動不足も、うつ病を引き起こす大きな原因のひとつになります。テレワークを導入するうえでは、従業員に適度な運動を促すことも重要です。

運動不足は、免疫力の低下も引き起こす可能性もあります。感染症対策としてテレワークを始めても、運動不足になれば免疫力が低下して感染のリスクが高くなってしまいます。運動は健康のために必要不可欠であることを理解しておきましょう。

業務成果に対する評価に不満を感じやすいから

テレワークを導入すると、それぞれの従業員の業務の様子がわかりにくくなります。そのため、適切な評価をしにくくなり、従業員が不満に感じる恐れがあります。

たとえば、テレワークの導入後は、具体的な成果を評価対象とするケースも多いです。しかし、なかには具体的な成果がみえにくい業務もあります。そのような業務を担当している従業員がストレスを感じ、心身の不調を引き起こす場合もあります。評価方法は慎重に検討しなければなりません。

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【前兆を早期発見しよう】うつ病セルフチェック

うつ病を発症する可能性がある人は、前兆が表れる場合も多いです。うつ病を防ぐには、早期発見により必要なケアをする必要があります。

ここでは、うつ病の前兆を早期発見するためのセルフチェックの項目について解説します。

メンタル面のセルフチェック

うつ病を発症しそうになっている人は、メンタル面にさまざまな変化が現れます。うつの可能性が高いと判断できる具体的な症状は、以下のとおりです。それぞれの項目を確認し、当てはまるものがないかチェックしましょう。

・常に憂鬱な気持ちになっている
・それまで興味があったことに興味がなくなった
・ちょっとしたことでイライラする
・不安な気持ちが消えない
・理由がないのに焦っている

いくつか当てはまる場合、うつ病になるリスクが高いため注意が必要です。

身体面のセルフチェック

うつ病の前兆は、メンタル面だけでなく身体面にも現れる場合があります。具体的な身体面の変化としては、以下の項目があげられます。

・食欲不振・食欲過多
・頭痛
・肩こり
・不眠または過剰睡眠
・性欲減退
・動悸
・耳鳴り
・めまい
・胃もたれ
・下痢または便秘

これらの症状はうつ病でなくても起こりうるため、メンタル面のセルフチェックとあわせて総合的に判断しましょう。それまでと比較して大きな変化を感じる場合は、特に注意が必要です。

【番外編】第三者から見たうつ病の予兆

うつ病の前兆は、自分自身では気づかない人も少なくありません。しかし、第三者から見た場合にわかるうつ病の予兆もあります。第三者から見て以下の症状が見られるなら、うつ病の可能性が高いと判断できます。

・表情が暗くて笑顔が少ない
・反応が鈍い
・そわそわしていて落ち着きがない
・ちょっとした失敗を長く引きずり、自分を責めている

このような様子が見られる従業員がいれば、早めに対処することが大切です。

テレワークによるうつ病を予防する企業の取り組み

テレワークでうつ病になる従業員が増えると、事業の存続にも影響が出る恐れがあるため注意が必要です。テレワークによるうつ病を防ぐには、企業が率先して防止策を講じる必要があります。

ここでは、テレワークによるうつ病の対策として企業が実践すべき取り組みについて解説します。

仕事とプライベートを分ける

テレワークによるうつ病を防ぐためには、従業員が仕事とプライベートをしっかり分けられるようにする必要があります。たとえば、Web会議システムなどを使用し、朝礼や終礼を実施しましょう。朝礼や終礼があると始業や終業の時間が明確になり、仕事とプライベートのメリハリをつけやすくなります。

終業後は、従業員に仕事をストップするよう上司から指示を出すことも大切です。長時間労働を防止し、仕事とプライベートの時間をきちんと管理できるようにしましょう。

相談や雑談をしやすい環境を整える

テレワークではコミュニケーションがとりにくいため、相談や雑談しやすい環境を整える必要があります。たとえば、休憩時間に仕事の進捗状況を確認し、離れていても日常的にコミュニケーションがとれるようにしましょう。

オンラインコミュニティを作成し、気軽なやり取りができる場所を設けるのもひとつの方法です。業務に関する会話だけでなく、業務に関係ない内容もやりとりできるよう工夫しましょう。

また、1on1で対話する機会を作ると、ささいな質問や相談もしやすくなります。特に新入社員は孤独を感じやすいため、配慮が必要です。

従業員にも予防策を周知する

テレワークでうつ病を発症しないようにするには、従業員自身が予防策を実践することも大切です。たとえば、毎日の起床時間や就寝時間をそろえたり、適度な運動を取り入れたりする必要があります。また、終業後はダラダラ仕事を続けるのではなく、プライベートを満喫してリラックスすべきです。個人でできるうつ病の予防策を周知し、従業員に取り組ませましょう。

雑談の際にきちんと予防策を実践できているか確認すると、予防策を徹底させやすくなります。

テレワークをしていてうつ病かも?と思ったら

うつ病を発症しても、さまざまな方法により改善できる可能性があります。たとえば、薬物治療、精神治療、環境調整、療養などさまざまな改善方法があります。うつ病の症状を悪化させないためには、うつ病かもしれないと思った時点でケアすることが重要です。

従業員自身がうつの予兆を感じている場合は、速やかに専門医への受診を促しましょう。また、第三者から見てうつ病の予兆が見られる従業員がいる場合も、なるべく早めに受診するよう伝えることが大切です。

まとめ

テレワークを導入するうえでは、従業員がうつ病を発症しないよう注意しましょう。テレワークによるうつ病を予防するには、円滑なコミュニケーションをとれる環境の構築が重要です。

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