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今さら聞けない ICT教育の効果とは?メリット・デメリットや導入する方法、導入事例を解説

今さら聞けない ICT教育の効果とは?メリット・デメリットや導入する方法、導入事例を解説

2021年12月01日掲載(2023年11月01日更新)
※ 記載された情報は、掲載日現在のものです。

ict 教育 メリット

ICT教育は、情報通信技術を活用する教育方法です。ICT教育という言葉を耳にしたことがあっても、具体的な内容を把握していない人は多いのではないでしょうか。この記事では、ICT教育の効果や必要性などを解説します。メリット・デメリットや導入方法とともに導入事例も解説するため、ぜひ参考にしてください。

目次

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ICT教育とは

ICT教育とは、パソコンやタブレットなどで情報通信技術を活用する教育手法です。ICTは「Information and Communication Technology」の略であり、情報通信技術を意味しています。Society 5.0が到来すれば教育の在り方も大きく変化すると考えられているため、注目が集まっています。

ICT教育は特に海外で導入が進んでおり、日本国内でも2018年から文部科学省が「教育のICT化に向けた環境整備5カ年計画」に取り組み始めました。

Society5.0の定義=持続可能性と強靭性を備え、国民の安全と安心を確保するとともに、一人ひとりが多様な幸せ (well-being) を実現できる社会 (第6期科学技術・イノベーション基本計画より)

ICT教育の必要性

世界中でICT化が進んでおり、ICT教育にも注目が集まっています。その背景として、Sosiety5.0の社会実現においては、一人ひとりが自ら設定した課題の解決に取り組む探求力や、得た知識を効果的に活用するスキルが重視されることが挙げられます。

学習指導要領も改訂され、情報活用能力の育成に重点が置かれるようになりました。文部科学省も、学校のICT 環境の整備は必要不可欠なものだという見解を示しています。

ICT教育の効果

ICT教育には、さまざまな効果期待できます。従来は教員が板書して授業を進めることが一般的でしたが、ICT化により電子黒板や電子教科書、映像やビデオ通話などを授業で活用できるようになります。

教材や資料もクラウドや校内ネットワークを介し、簡単に共有できるため、紙を印刷・配布・回収するといった手間もなくなり、教員の負担大幅に軽減することが可能です。また、インターネットを通じていつでもどこでも教育を受けられるようになれば、地域における教育の格差も減らせます。

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ICT教育のメリット

ICT教育にはさまざまなメリットがあります。具体的にどのようなメリットがあるのか解説します。

情報活用能力アップ

情報化社会においては、膨大な情報のなかから取捨選択する能力が必要です。また、単に情報を受け取るだけでなく、必要なものを見つけて主体的に活用しなければなりません。

ICT教育を行えば、子どもの頃から情報活用能力を磨けます。ICTを活用しながら勉強するため、実践的なITリテラシーが身につきます。

生徒のモチベーション向上

ICT教育では画像や動画なども活用でき、視覚的に分かりやすい授業を行えます。生徒の興味や関心が高まりやすく、それぞれの個性に合わせた学習も実現できます。

また、タブレットを活用することで、教員と生徒または生徒同士が双方にコミュニケーションをとりながら授業を進めることも可能です。やり取りを通し、考える力や情報を整理する力なども身につけられます。学習の理解が深まりやすく、意欲的に学べるようになるでしょう。

教員の業務効率化が可能

ICT教育を始めると、教員の業務効率化も促せます。たとえば、パソコンやタブレットを活用すれば、板書したりレジュメを用意したりする労力をかける必要がありません。

情報収集も、電子データなら手間がかからなくなります。また、教員同士で情報共有する際はスムーズにやり取りができ、行き違いや見落としなどのトラブルも防ぐことが可能です。

場所を問わず授業に参加できる

ICT教育なら、生徒はいつでもどこでも授業に参加可能です。わざわざ学校へ行かなくても、家庭で効率的に学習できます。たとえば、ビデオ通話を活用すると、学校から遠方に住んでいる生徒や、入院中の生徒など、登校することが困難な生徒も、授業に参加できるでしょう。さらに、実際の授業を録画しておけば、生徒はいつでも授業動画を視聴することで、復習をすることが可能になります。

また、ICT教育であれば、日本国内にいても海外の学校の授業を受けられます。単に解説を聞くだけでなく、海外にいる教員や生徒の様子も感じながら授業に参加できます。

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ICT教育のデメリット

ICT教育にはデメリットと言える部分もあります。

ICT教育導入にはコストがかかる

新しくICT教育を導入するには、多くのコストがかかります。デバイス、ソフトウェア、ネットワーク環境などを整備する必要があるためです。デバイスを生徒に用意させる場合、保護者にとっての経済的負担が大きくなるでしょう。また、修理や買い替えも必要になるため、将来的な費用負担も避けられません。また、ICT環境の導入にあたって必要なさまざまなツール選定や、取引先とのやり取り、導入後の保守・運用を担当する教員の人的コストも軽視できません。

故障やセキュリティのリスクがある

ICT機器は精密機械のため、急に故障するケースもあります。授業の途中で故障した場合、授業の進行が止まってしまうおそれがあります。あらゆるケースに備え、予め対応策を検討しておく必要があります。また、インターネットを通じてデータをやり取りするうえでは、セキュリティに注意が必要です。情報漏えいを起こさないためには、普段から学校として対策を徹底し、生徒や保護者に対して、セキュリティ意識醸成の啓蒙活動もしていかなければなりません。

教員にICT教育のノウハウが必要となる

ICT教育を行うには、教員がノウハウを身につける必要があります。スムーズにデバイス操作をできるのはもちろん、ITリテラシーも磨くことが重要です。ただし、教員のなかには苦手意識を持つ人もいるかもしれません。従来は求められていなかったスキルが必要になるため、反発する声があがる可能性もあるでしょう。教員のICT教育への理解を深め、苦手意識を克服するような対策が求められます。

ICT教育のデメリットの解決策

ICT教育のデメリットは対策が可能です。ここでは、デメリットの解決策について解説します。

専門の業者を選定する

端末はどれにしよう、通信環境の構築はどうしよう、電子黒板は何台導入すべきだろう...ICT教育の導入と一言でいっても、利用開始までに担当者が決めるべきことは膨大にあります。本業である教育に専念できなくなってしまっては、本末転倒です。そんなときは、ワンストップで相談にのってくれる専門の業者に頼ることをおすすめします。必要なサービスや環境を個別に検討するよりも、まとめて対応するほうが効率的かつ、スピーディな導入が可能となり、イニシャルコストも削減できる可能性があります。

適切な利用制限やセキュリティ対策

ICT教育においてセキュリティに配慮するには、学習に関係ないURLへのアクセスアプリの利用を制限すると安心です。たとえば、タブレットの管理ができるMDM(Mobile Device Management)を利用すれば、複数の端末に対してアプリの配信やセキュリティ対策などの一括設定を行えます。

また、ログアウトすると端末内のデータが消える設定も行いましょう。不要なアクセスをブロックしつつデータを残さないようにすれば、情報漏えいのリスクも軽減することが可能です。さらに専門家からサポートを受けると、より安心できる環境を整えられます。

こちらも併せて読みたい
「ICT導入1年目の端末管理ツールMDMとWebフィルタリングサービス|オンラインセミナーレポート」

ICT教育に関する窓口を設置する

ICT教育を導入した場合、担当教員が生徒や保護者、ほかの教員からさまざまな問い合わせを受ける可能性があります。担当教員当然コア業務があるわけですから、過度な負担がからにようにするためには、別途窓口を設置すると良いでしょう。ICT教育に関する窓口外注することも可能です。ICT担当の教員を含め、すべての教員が本業に注力しやすくなる環境づくりを心がけましょう。

ICT教育を導入する方法

ICT教育を導入するにはどうすればいいのでしょうか。ここでは、具体的な方法について解説します。

1.ICT教育の担当組織を作る

まずは、ICT教育を推進するための組織を作りましょう。複数人にICT教育の推進を担当させれば、より効率的に準備を進められます。

また、各教科の教員の視点を踏まえて準備できるため、ICT教育をスムーズに実現しやすくなります。あえてICTに苦手意識がある教員を担当者に任命し、リテラシーの低い教員からの意見を吸い上げ、反映することで、全教員がわかりやすいICT教育を実現できるかもしれません。

2.ICT教育のビジョンを明確にする

ICT教育をどの分野でどの程度推進するかについて、具体的に検討しましょう。ICT教育の目的やビジョンが明確になっていれば、どのようなデバイスやサービスが必要であるか把握できます。

なお、地域によっては、ICT教育の推進に対して自治体から補助金が出る場合もあります。補助金の活用も視野に入れつつICT教育のビジョンを考えてください。

3.ICT教育の体制作りを行う

教員に対して研修を行い、ICT教育を導入するための基礎を作りましょう。他の地域でICT教育を導入した事例を参考にするのもおすすめです。教育の目的を段階別に設定したうえで体制作りを行うことが大切です。

また、教員向けの外部のセミナーを活用すれば理解をさらに促進できるだけでなく、ICT教育の導入に対する意欲も向上させられます。

実際に開催されたオンラインセミナーのレポートはこちら

4.ICT教育に必要なデバイスやサービスの購入・契約

ICT教育を始めるには、デバイスを購入またはレンタルで用意する必要があります。また、ICT環境も必要です。ICT環境とは、ICT機器を教室に導入して活用するための環境の総称です。通信環境の整備も含め、快適に授業を進められるようなICT環境を構築しなければなりません。そのためには、サービスの選び方も重要です。

ICT教育の具体的な導入事例

すでにさまざまな教育現場でICT教育が行われています。ここでは、具体的な導入事例を紹介します。

小学校におけるICT教育の導入事例

小学校では、情報を視覚的に分かりやすく伝える目的でICT教育が導入されています。たとえば、広島市立藤の木小学校は、文部科学省が行っている「学びのイノベーション事業」の実証校です。電子黒板を活用し、画像やデジタル教材を使って授業を進めています。

また、東京都杉並区の光塩女子学院初等科では、小学1~4年生に1人1台タブレットを導入しています。ICT教育に対する保護者からの評価も上々です。

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中学校におけるICT教育の導入事例

中学校においては、能動的な学習を促すためにICT教育が推進されています。東京都の武蔵野東中学校ではパソコン室をICT教育に対応させた結果、オンライン英会話などの効果を高められました。

また、大阪青凌中学校・高等学校では、ICTを活用して教員の業務を改善しました。それにより、生徒も主体的かつ対話的に学習できる環境が実現しています。

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高校におけるICT教育の導入事例

高校では学習内容が高度になるため、研究にICT機器が活用されるケースも多くなっています。たとえば、神奈川県大和市の柏木学園高等学校では、タブレット端末を使用したICT教育を導入した結果、授業の授業内容のスピードアップが実現しています。

また、八王子実践中学・高等学校では、教員と生徒全員に対してタブレットを導入しました。合計で約1,800台を導入した結果、内容の濃い学びを実現しています。アクティブラーニングにより、生徒の成績も向上しました。

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まとめ

ICT教育を導入すれば、教員と生徒の両方にとってさまざまなメリットがあります。導入事例を参考にしつつ、それぞれの学校に適したICT教育を取り入れましょう。

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