今さら聞けない GIGAスクールサポーターとは?ICT支援員との違いや役割、業務内容なども解説
GIGAスクールサポーターとは、教育現場でのICT環境の整備を担当する人材のことです。文部科学省は、子どもたちのICTスキル向上を目的としてGIGAスクール構想を推進しています。スムーズにICT化を進めるためには、GIGAスクールサポーターの採用が有効です。この記事では、GIGAスクールサポーターの概要や役割などを解説します。ぜひ参考にしてください。
目次
ICT教育のお悩みは、KDDI まとめてオフィスにご相談ください
GIGAスクールサポーターとは
GIGAスクールサポーターとは「GIGAスクール構想」に伴うICT環境整備、工事や納品の対応、マニュアルの作成などをサポートする役割を担う人材のことです。GIGAスクール構想とは、教育現場において児童がタブレットなどのICT端末を活用して学べるようにする取り組みです。
文部科学省は、2019年12月に「GIGAスクール実現推進本部」を設置し、小中学校への端末導入を推進するなど、教育ICT環境の実現に取り組んでいます。GIGAスクールサポーターは、同じく教育においてICTの活用を推進する、ICT支援員と協力しながら取り組みを進めます。
ICT教育の導入に関するご相談は、KDDI まとめてオフィスにおまかせください
ICT教育とは
ICT (Information and Communication Technology) とは、情報通信技術のことです。ICT教育とは、情報通信技術を取り入れた教育方法を意味します。ICT教育を実現するためには、パソコンやタブレットといったハードウェアから、学習のためのソフトウェアまでそろえる必要があります。
ICT教育の導入が進んでいる背景
ICT教育の導入が進む背景には、デジタル技術によって生活やビジネスに変革をもたらすDX(Digital Transformation)の推進があります。インターネットが普及した現代では、世界中にさまざまな知識や情報が溢れており、それらを容易に入手できるようになりました。しかし、何が正しい情報なのか、何が自分に有益な情報なのかを取捨選択することが必要となっています。また、取捨選択と合わせ、取得した情報を活用する能力も重視されるようになりました。
ICT教育を実践することによって、生徒はICT機器の使い方を学ぶとともに、情報活用の能力を高めることが可能です。
また、近年では教育業界で働く人材の負担増加が問題となっています。この問題を解決する手段の一つとして、教育にICTを取り入れることを推奨しています。ICT活用により業務の効率化を実現し、教育現場で働く人々の業務負荷を軽減することで、生徒との時間を多く持つことができる、労働時間の短縮につながる、新しい教育手法へチャレンジしたり、研修参加など自身のスキル向上に時間を充てることができるなどといった効果が期待できます。
ICT教育に欠かせないICT支援員とは
ICT支援員とは、学校のICT教育をサポートする人材のことです。学校の教員のなかには、ICT機器を利用した指導が得意ではない人も少なくありません。
教育現場における機器の設置や操作の指導、ICTに関する情報や運用の管理を行い、教員の業務負担の軽減につなげることがICT支援員設置の目的です。文部科学省では、ICT支援員の配置を積極的に進めています。
ICT教育の導入に関するご相談は、KDDI まとめてオフィスにおまかせください
GIGAスクールサポーターとICT支援員の違い
GIGAスクールサポーターとICT支援員は、学校でのICT教育をサポートするという点で似ていますが、担当する領域に違いがあります。ICT支援員の業務内容は、ICT機器の準備や使用方法の指導、授業計画の作成といった教員への継続的な支援です。
一方、GIGAスクールサポーターはICT導入における環境面の整備を担当します。導入初期における技術的な支援を担当し、ICT教育の環境構築をスポット的に手助けします。
GIGAスクールサポーターとICT支援員では業務が重複する部分もあり、2つの役職が混同されていることも少なくありません。しかし、GIGAスクールサポーターが力を最大限に発揮するためには、ICT支援員とのすみ分けと協力体制の構築が重要と言えます。
ICT教育導入に関するご相談は、KDDI まとめてオフィスにおまかせください
GIGAスクールサポーターの業務内容
GIGAスクールサポーターは、ICTの導入における環境面の整備を担当するとはいえ、実際にどのような仕事を行うのでしょうか。具体的な業務内容について解説します。
ICT環境整備の設計
GIGAスクールサポーターは、子どもたちが滞りなく学習を進められるために、ICT環境整備を設計する業務を担います。たとえば、アカウントの管理方法やセキュリティ対策、授業における端末の運用方針などを設計するのがGIGAスクールサポーターの役割です。
ICT教育をうまく導入し、効果的に進めていくためには環境整備が必須です。ICT教育では、生徒1人1台の端末提供や、快適な高速大容量の通信ネットワークが欠かせません。GIGAスクールサポーターがいることで環境が適切に整備され、ICT教育の効率を高められます。
工事・納品における各種対応
ネットワーク環境の構築や大型モニターの設置などに際しては、校内での工事が必要となります。ICT教育に関わる工事や納品のスケジュール管理、各種機器の設定などもGIGAスクールサポーターの役割です。
たとえば、無線LANのアクセスポイントやサーバーの設定なども対応します。工事や納品を担当する業者とのやりとりも請け負うことになるため、GIGAスクールサポーターは各業者とは切り離された立場の者でなくてはなりません。
使用マニュアル・ルールの作成
GIGAスクールサポーターは、生徒が学校でICT機器を使うためのマニュアル整備や、教員用の手引書作成を担当します。GIGAスクールサポーターには、ICTの知識やスキルが欠かせません。
しかし、ICTを不得意とする教員や、これからICTについて学ぶ子どもたちが使いやすいと感じるマニュアルを作ることが大切です。詳細な内容であることはもちろん、「わからない人が読みやすく理解しやすい内容」を心がける必要があります。
使用方法の伝達・指導
GIGAスクールサポーターはマニュアルの作成だけでなく、ICT機器についての実演指導を行うことも求められます。生徒や教員に時間を割いてもらい、パソコンやタブレットの使用法について講習を行いましょう。
ICT機器に関しては初心者も少なくないため、学びの多い講習にするためには各機器に必要な情報を余さず伝えることが大切です。講習後は、理解度を深められるように質問の時間を設けるのもおすすめです。
ICT教育の導入に関するご相談は、KDDI まとめてオフィスにおまかせください
GIGAスクールサポーターに必要なスキル
GIGAスクールサポーターとして活躍するためには一定程度のスキルが求められます。どのようなスキルが必要なのか、具体的に解説します。
ICT関連の専門スキル
GIGAスクールサポーターには、ICTを活用するための技術的な能力が欠かせません。現場の規模や生徒のレベルにかかわらず、パソコンやタブレットといったICT機器の使い方など、ハードに関する知識が必要です。
加えて、学習に用いられる教材など、ソフトに関する知識も求められます。他校での事例紹介などを踏まえ、授業でICT関連ソフトの活用方法を提案することもGIGAスクールサポーターの役割です。
教育に関わる知識
ICT教育はICTの専門知識だけでなく、ICT教育的活用に関する知見も必要です。直接子どもと接する機会は多くないとはいえ、適切で効果的な授業内容を提案できるスキルが求められます。
そのため、GIGAスクールサポーターは子どもの年齢や成長に応じた思考力、理解度について知識を得ておくことが必要です。生徒たちが学習目標に無理なく到達できるように、学校のカリキュラムを把握しておくことも大切でしょう。
文書作成スキル
マニュアル作成やルール整備などもGIGAスクールサポーターの担当業務です。誰にとっても使いやすいマニュアルを作るためには、情報を適切にアウトプットして、平易でわかりやすい説明を用いる必要があります。
特に、小さな子どもが使うマニュアルを作成する際には、簡単な言葉や表現を使いわかりやすい内容にすることが大切です。説明に表や図を加えることで、直感的にわかりやすく理解度が深まるマニュアルになります。
コミュニケーションスキル
GIGAスクールサポーターは、ICT環境整備のための工事やICT機器の購入なども行うため、学校側、各業者側のどちらともやりとりする必要があります。学校の意向を汲み取り、業者と円滑に取引をするためには、コミュニケーションスキルの高さが重要です。
業務をうまく進めるためには双方と仲良くするだけではなく、ときには駆け引きが必要となる場面もあるでしょう。ただし、学校側の希望を通しつつ円滑な工事や機器購入を進めるためには、GIGAスクールサポーターが各業者と癒着しないことも大切です。
ICT教育の導入に関するご相談は、KDDI まとめてオフィスにおまかせください
GIGAスクールサポーター採用時には補助金の活用を
文部科学省はGIGAスクール構想の実現を目指し、補助金を設けています。
・公立学校情報機器整備費補助金
小中学校や特別支援学校などに向けた補助金です。都道府県、政令市、その他市区町村を対象に4.5万円が給付されます。また、生徒1人1台端末を新規に購入する際や、更新する際において費用が地方財政措置算定分を超える場合には、1台4.5万円までの購入費相当額が給付されます。高校は公立学校情報機器整備費補助金を利用することができません。
・公立学校情報通信ネットワーク環境施設整備費補助金
小中学校や高校、特別支援学校が校内LANや電源キャビネットを整備する際に活用できる補助金です。整備都道府県、政令市、その他市区町村を対象に、費用の2分の1までが補助されます。
参考:「GIGAスクール構想の実現」に関する補助事業の概要について
ICT教育の導入に関するご相談は、KDDI まとめてオフィスにおまかせください
まとめ
GIGAスクールサポーターとは、GIGAスクール構想の推進に向けて設置された、ICT教育導入をサポートする人材です。インターネットが普及した現代において、ICT人材を育む必要性は増しており、GIGAスクールサポーターの重要性も高まっています。
KDDI まとめてオフィスでは、KDDIグループが提供する最先端のモバイル端末をはじめ、高速インターネット環境やクラウド環境など、安心してご利用いただける各種サポートをご用意しています。授業で活用できるデジタル教材や、学習の進捗管理ソフトやなどの「教材・学習管理システム」、生徒と教職員、保護者とのスケジュールやプリントなどの情報共有に活用できる「校務システム」など、提携ベンダーが提供する学校向けソフトウェアとあわせてトータルでご提案いたします。
教育現場でのICT教育導入をお考えなら、KDDI まとめてオフィスにお気軽にご相談ください。
※ 記載された情報は、掲載日現在のものです。