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テレワークとは?種類やメリット・デメリット、導入のポイントや成功事例も解説

テレワークとは?種類やメリット・デメリット、導入のポイントや成功事例も解説

2022年11月25日掲載(2023年11月01日更新)
※ 記載された情報は、掲載日現在のものです。

テレワーク

テレワークとは、ICTを活用した、時間や場所にとらわれない新しい働き方です。コロナ禍以降のニューノーマルに対応するために、テレワークを導入、推進しようとしている企業も多いのではないでしょうか。そこでこの記事は、テレワークの概要やメリット・デメリット、助成金、事例などの基礎知識を網羅的に解説します。自社施策の参考にしてください。

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目次

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テレワークとは

テレワーク(telework)とは、ICTを活用した、時間や場所にとらわれない働き方です。従業員はオフィスに出勤することなく自宅やカフェなどで仕事ができます。

なお、リモートワークという言葉もありますが、テレワークと同じだと考えて問題ありません。テレワークは1980年に登場し、厚生労働省が「テレワーク」がどういうものかを定義しています。一方リモートワークはテレワークよりも後から登場した言葉で、定義付けなどもされておらず、おもにIT企業などで使用されだしたのが始まりといわれています。

雇用型テレワーク・自営型テレワークの違い

テレワークは働き方によって2種類に分けられます。

雇用型テレワークとは、従業員が組織に所属してテレワークを行う働き方です。単にテレワークと言うときは、一般的にこちらのタイプを指します。

自営型テレワークとは、個人事業主や小規模事業者がテレワークを行う働き方です。自営型テレワークは「SOHO(Small Office Home Office)」とも呼ばれます。

テレワークの導入率

日本企業での雇用型テレワーカーの割合は27.0%、自営型テレワーカーの割合は27.3%です。この数値を多いとみるか、少ないとみるかは意見の分かれるところですが、コロナ禍や働き方改革の影響もあって急速に導入率が伸びたのは確かです。

出典:令和3年度テレワーク人口実態調査-調査結果-|国土交通省

テレワークの3つの種類

テレワークは従業員が働く場所によって、以下の3つに分けられます。

  • 在宅勤務(リモートワーク)
    従業員の自宅で仕事をする形態です。
  • モバイルワーク
    カフェや飲食店、移動中の交通機関などで仕事をする形態です。
  • サテライトオフィス勤務
    サテライトオフィス(企業が本拠地から離れた場所に設置したオフィス)で仕事をする形態です。

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企業側のテレワークのメリット・デメリット

テレワークを導入、運用するにあたっては、その特徴を知っておくことが重要です。ここでは企業側の視点でテレワークのメリット・デメリットを解説します。

企業側のテレワークのメリット

生産性向上

テレワークによって業務を効率化できれば、生産性が高まります。例えば、テレワークによってデジタルデータでのやり取りが基本となれば、会社全体のペーパーレス化が進みます。提案資料や契約書などの書類の保管場所が集約されれば、管理者は管理負荷が軽減され、利用者は文書検索にかける時間が短縮されます。また、テレワーク環境が整うことでWeb商談が可能なケースがでてくれば、移動にかける時間が少なくなり、その分多くの顧客にアプローチできます。

人手不足解消

テレワークを導入することは、優秀な新規人材を雇用する機会の創出や、多様な背景をもつ従業員の離職率防止につながります。つまり、企業が直面する人手不足を解消するために有効だといえます。例えば、育児や介護で家を離れられない従業員を在宅勤務で雇用できます。また、通勤時間が長い、他県や海外に暮らしているという、物理的な距離の問題で雇用がしにくい人材であっても、雇用の対象にできるでしょう。

コスト削減

テレワークによって多方面でのコストカットを図れます。例えば、全国に複数拠点をもつある企業では、月に一度各拠点から本社に集まったリーダー職の従業員や経営層により、定例の報告会があったとします。Web会議を導入すれば、各拠点から集まる従業員の交通費や、宿泊費、大人数の収容を叶える外部の会場利用費などがかかりません。また、ペーパーレス化を進めることで、紙代や印刷代も削減できるでしょう。出社人数を減らしてオフィススペースを縮小し、賃料の削減を検討することも可能です。

BCP(事業継続計画)強化

距離や時間の制限が少ないテレワークなら、災害やパンデミックなどの発生で出社がむずかしいときも、事業を継続できます。コロナ禍において、テレワークにより事業を継続できた企業が複数あったことは、記憶に新しいところです。

コロナ禍以降のニューノーマル時代に対応したワークスタイルをご紹介した資料は、以下よりダウンロードしていただけます。

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企業側のテレワークのデメリット

勤怠・タスク管理の負担が増える

対面で従業員の様子をチェックできないため、部下の勤怠・タスク管理といった、マネジメント層の負担が増える面があります。このため、テレワークを導入した企業は、労働時間の管理などができる勤怠ツールや、タスクの進捗確認が行えるスケジュール管理ツールやTODO管理ツールを、あわせて導入しているケースが多いです

情報漏えいリスクが高まる

ICTを活用するテレワークでは、情報漏えいのリスクが高まる恐れもあります。例えば「顧客情報の入ったパソコンを紛失する」「モバイルワーク中にのぞき見される」「在宅勤務のパソコンに不正アクセスされる」などです。このため、テレワーク中にリモートで接続する元の端末や、接続時に通過するネットワークなどに、セキュリティの対策を施したり、端末紛失時に遠隔でデータ削除やロック、端末を探索できる機能を用意する必要があります。ITリテラシーが高い担当者が社内におらず、専門業者にツール導入の相談をする企業も多くあります。

組織力が弱まる

どこでも柔軟に働ける反面、1つの場に集まり対面のコミュニケーションを取る機会は少なくなります。これにより、従業員の帰属意識が薄れ、チームワークや組織力が低下することがあります。企業全体の生産性低下にも直結するため、組織力を損なわないための工夫が必要です。たとえば、テキストチャットやWeb会議ツールといった、メール・電話以外のコミュニケーション手段を検討するといいでしょう。急ぎの報・連・相はテキストチャット。複数人のプロジェクトにはWeb会議ツールでFace to Faceのコミュニケーションなど、シーンによる使い分けで、積極的な社内連携を図りましょう。

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従業員側のテレワークのメリット・デメリット

従業員のパフォーマンスを上げるためにも、従業員側からみたテレワークのメリット・デメリットも知っておきましょう。

従業員側のテレワークのメリット

ワーク・ライフ・バランスを取りやすい

テレワークはワーク・ライフ・バランスを取りやすい働き方を実現できます。例えば在宅勤務は家事、子育て、介護などと両立しやすいという面があります。また、サテライトオフィス勤務にすれば通勤時間が減るため、その分プライベートの時間を増やせます。営業職で外出が多ければ、出先からオフィスへ帰社して事務処理をする手間がなくなり、残業時間の削減に効果を発揮します。

本業に集中しやすい

電話応対、来客応対などが減るため、自分の仕事に集中しやすくなったと感じる人は少なくありません。また、自宅のほうが周囲の雑音や視線を気にすることなく仕事に没頭できる、という人もいます。集中して実施する業務ではテレワークを使って在宅勤務をし、創造的なプロジェクトなどはオフィスへ出社して対面で会話をするといった、ハイブリッドな働き方をする企業もあります。

通勤負担が減る

テレワークを使い在宅勤務にすれば通勤時間はゼロになります。また、モバイルワークやサテライトオフィス勤務でも通勤時間や移動時間を減らすことができます。タイムパフォーマンスがよいうえに、移動による精神的なストレスや、肉体的な疲れを減らせる点もテレワークのメリットです。

従業員側のテレワークのデメリット

コミュニケーションが希薄になる

テレワークではコミュニケーションが取りづらく、仕事の効率が悪くなる場合があります。テレワーク時もスムーズな業務遂行を目指すなら、社内コミュニケーションを活性化する必要があります。また、コミュケーションが希薄になることで孤独感を持ったり、他人に不満を伝えられないストレスを抱えたりする従業員がでてくる可能性もあります。

仕事とプライベートの境界がなくなる

私生活と仕事場が同じ空間にあるため、オンオフの切り替えがむずかしい従業員もでてくるかもしれません。終業後もやり残した業務が気になってついついパソコンを開いてしまい、その結果、いわゆるサービス残業をしてしまうケースがあります。企業としてテレワークを利用した働き方のガイドラインを策定し、オンオフを切り替えすることを従業員に周知徹底する、マネジメント層はテレワーク利用者の勤怠状況を適宜確認するなど、できる対策を検討しましょう。

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テレワークを導入する際のポイント

テレワークを円滑に導入して、なおかつ成果の上がる運用にしていくためには、いくつかのポイントがあります。

テレワーク管理者の負担が増えないようにする

管理者のITリテラシーに合わせたテレワーク環境の導入を検討しましょう。はりきって高度なITツールを導入しても、使いこなせなければ事業に支障が出てしまいかねません。また、セキュリティの知識が乏しいのに業務をテレワーク化すれば、情報漏えいのリスクが高まります。

このため、必要に応じて業者の導入・運用サービスを利用したり、セキュリティサービスを契約したりすることも検討し、担当者負荷の軽減を考慮する必要があります。

テレワークを支援するITツールを整える

テレワークには以下のようなITツールも必要です。

  • Web会議システム
    音声と映像で対面に近いコミュニケーションができるツールです。
  • ビジネスチャット
    メールよりも簡単にメッセージをやりとりできます。
  • 勤怠管理ツール
    主に従業員の出退勤時間の確認、集計ができるツールです。
  • グループウェア
    スケジュール管理、ファイル共有など共同作業を支援する機能を持っています。

適切なセキュリティ管理を行う

テレワークの導入において、セキュリティ対策は必須です。専門的な知識を持った人材が社内にいない場合は、不正アクセスの監視やデバイス管理などの業務をアウトソーシングするのが一般的です。

特に中小企業では情報システム部門がないケースが多いため、適切なセキュリティレベルを確保するには、専門業者のサポートが重要になるでしょう。

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テレワークの導入に活用できる助成金

テレワークを導入する際は、条件を満たせば国の助成金制度を活用できます。

人材確保等支援助成金(テレワークコース)

人材確保等支援助成金(テレワークコース)とは、良質なテレワークの導入、実施を推進する企業を支援する制度です。対象となるのは中小企業であり、テレワーク用通信機器、Web会議などのITツール、セキュリティサービスなどの経費の20%(上限100万円)が支給されます。

参考:人材確保等支援助成金(テレワークコース)|厚生労働省

雇用調整助成金

雇用調整助成金とは、コロナ禍によって事業縮小などの影響を受けた全事業者を助成する特例措置です。従業員1人あたり8,355円、特定の条件を満たすと1万2,000円が支給されます(判定日が令和4年10~12月の場合)。

参考:雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)|厚生労働省

業務改善助成金(特例コース)

業務改善助成金(特例コース)は最低賃金を30円以上引き上げようとする中小企業、小規模事業者を対象とした助成金です。生産性向上のための設備投資として、テレワーク関連機器やサービスについても、経費の4分の3の補助を受けられます。ただし、従業員数に応じた上限も設けられています。

参考:業務改善助成金(特例コース)|厚生労働省

テレワークの成功事例3選

ここではICT環境を整えることでテレワークを成功させた3社の事例を紹介します。

LINEで迅速なコミュニケーションを実現|株式会社ミルボン様

株式会社ミルボン様は社員間および顧客との手軽で迅速なコミュニケーションを実現するために、「LINE WORKS with KDDI」を導入しました。電話やメールでは個別にモバイルワークしている従業員と業務連携しにくく、顧客対応の質も下がる課題があったためです。一般的なLINEよりも機能とセキュリティの高い「LINE WORKS with KDDI」によって、組織力とサービス品質を高められました。

導入事例:株式会社ミルボン様

セキュアなテレワークを実現|JCB様

JCB様は、KDDIのセキュアな在宅勤務ソリューションの導入によって、フル在宅勤務を実現しています。以前は社内サーバーへのアクセスを遮断していたため、テレワーク下では業務効率が下がる課題がありました。しかし現在は、在宅勤務でも情報漏えいのリスクを最小限に抑えつつ、社内に近い作業環境を構築できています。

導入事例:JCB International (Thailand) Co., Ltd. 様

クラウド電話サービス導入でテレワーク率70%を達成|株式会社DGフィナンシャルテクノロジー様

株式会社DGフィナンシャルテクノロジー様はクラウド電話サービスによってテレワーク率を70%に引き上げました。従来は代表番号への電話を受ける必要があったため、出社を余儀なくされていた従業員が多数いました。クラウド電話サービスおよび専用アプリを活用すれば、スマートフォンを社内電話のように使えるため、現在は、多数の社員がテレワークで働いています。

導入事例:株式会社ファイナンシャルテクノロジー様

まとめ

テレワークの導入には、コスト削減・BCP強化・人材不足解消の助けなど、さまざまなメリットがります。業種や職種、企業規模に関わらず、会社全体や、部分的なテレワークの導入を検討する企業は今後も増えていくことでしょう。しかし、ひとことにテレワークといっても、利用するデバイスの管理や、ネットワーク環境の構築、テレワーク中の情報漏洩や端末の紛失に備えたセキュリティ対策など、担当者が検討しなければならないことが膨大にあります。すべてを自社の担当者だけで行うには難しい面もあるため、導入を検討する際は、専門業者のサポートを、併せてご検討いただくことをおすすめします

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