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自宅にファイルサーバーを設置する方法|ファイルサーバーとNASの違いも解説

自宅にファイルサーバーを設置する方法|ファイルサーバーとNASの違いも解説

2022年11月29日掲載(2023年11月01日更新)
※ 記載された情報は、掲載日現在のものです。

自宅 ファイルサーバー

従業員の自宅などにファイルサーバーを導入したいと考えている企業も多いでしょう。しかし、ファイルサーバーとNASの違いが分からず、どちらを選ぶべきか悩んでいる担当者もいるかもしれません。この記事では、ファイルサーバーとNASの違いや、それぞれのメリット・デメリットなどを解説します。自宅にファイルサーバーを設置する方法も解説するため、ぜひ参考にしてください。

目次

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ファイルサーバーとNASの違い

ファイルサーバーとNASはファイル共有システムを構築する際に用いられるという部分は共通しています。しかし、ファイルサーバーはファイル管理システム、NASはファイルを保存するためのハードディスクという大きな違いがあります。

ファイルサーバーの特徴

ファイルサーバーとは、ネットワークを介してファイルの保存や共有などを管理するためのシステムです。サーバーとはネットワークでつながっているコンピューターからの求めに対応して、さまざまな機能やデータなどを提供できる仕組みを指します。つまり、コンピューターからのファイルを保存・共有したいという求めに応じた機能を提供するシステムをファイルサーバーと呼びます。

NASの特徴

NASは、ネットワークに接続して使うストレージ機器(HDD)です。ファイルサーバーがファイルの保存や共有などの管理をするシステムなのに対して、NASはファイルを保存するための機器そのものを指します。社内のネットワークに接続して利用するといったイメージになり、社内ネットワークが利用できるパソコン(PC)からなら同時に接続できます。

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自宅にファイルサーバーを設置する方法

自宅にファイルサーバーを設置したいと思った場合、どうすればよいのでしょうか。ファイルサーバーを設置するには、新しい機器を購入する、もしくは既存のものを流用することも可能です。以下では、ファイルサーバーの設置方法を解説します。

古いパソコンを転用する

使わなくなった古いPCを転用して、ファイルサーバーの設置ができます。古いPCを転用することで、他のPCやスマートフォンのストレージとして利用できる、バックアップが取れる、HDDの増設も可能など、さまざまなメリットがあります。

Windowsの場合

Windowsの古いPCを転用する場合の流れは以下のとおりです。

  1. LANに接続する
  2. 共有設定を行う
  3. 別のデバイスからアクセスする

共有環境を構築するためには、まずLANに接続する必要があります。共有設定を行う際には、Windows Serverや共有フォルダを利用しましょう。マイドキュメントから共有フォルダなどを選択し、共有したいフォルダを投入、フォルダを右クリックして「ネットワーク上でこのフォルダを共有する」をオンにすれば別デバイスからアクセスできるようになります。

Macの場合

Macの古いPCを転用する場合には、NASの共有フォルダをマウントしてファイルサーバーとして使います。MacPCからNASのアイコンをクリックし共有フォルダを開いて、ユーザー名とパスワードを入力します。共有したいフォルダを選択して「OK」をクリックすれば完了です。

デスクトップ上に共有フォルダがマウントされるため、これを活用してファイル共有をしましょう。バックアップなどは内蔵もしくは外付けHDDを用いて行います。

NASを利用する

NASをファイルサーバーとして活用することも可能です。NASは、ネット接続のHDD的な側面が強いです。しかし、本体の購入費用だけで利用できるため導入が容易で、保存容量も自由に増やせるため運用がしやすいというメリットがあります。また、普段使っている最新のデバイスが利用できるため、設定もスムーズに行えます。

オンラインストレージを利用する

オンラインストレージをファイルサーバーとして利用することも可能です。複雑な初期設定などが必要なく、導入しやすくなっています。基本的にはファイルサーバーと同じですが、オンライン上のストレージを利用するためネット環境が必須となります。オンラインのため、オフィスからでも自宅からでも利用しやすくリモートワークにも対応可能です。

オンラインストレージについて、お気軽にご相談ください

ファイルサーバーを設置するメリット

ファイルサーバーを設置することで、さまざまなメリットが得られます。たとえば、アクセス管理のしやすさや拡張性の高さ、セキュリティ対策などが挙げられるでしょう。ここでは、ファイルサーバーを設置するメリットについて詳しく解説します。

共有ファイルへのアクセス管理がしやすくなる

ファイルサーバーを設置することで、共有ファイルへのアクセス管理が容易になります。ファイルサーバーは、時間や場所を問わずにファイルへのアクセスや共有が可能です。そのため、ファイルを共有する際にメールで添付したりUSBに保存して共有したりといった手間がかからず、スムーズかつリアルタイムにファイルへのアクセスや共有が行えます。

容量追加や機能拡張が行いやすい

ファイルサーバーは、容量の追加や機能の拡張などがしやすい点もメリットです。サーバー専用機などを使用して自社で構築する形になるため、カスタマイズ性が高くなっています。そのため、容量不足の場合にはサーバーを増設する、追加したい機能があれば後から機能を拡張するといった対応も可能です。

セキュリティ対策がしやすい

ファイルサーバーは自社の状況などにあわせて自由に構築できるため、必要に応じたセキュリティ対策を行えます。たとえば、アクセスログの管理を行い、不正アクセスを防止することも有効です。その他、アクセス権限の設定やファイアウォールの設定など、自社の業務内容や必要とするセキュリティレベルに合った対策を自由に選べます。

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ファイルサーバーを設置するデメリット

ファイルサーバーを設置する際には、メリットだけを重視せずにデメリットにも目を向けることが重要です。ここでは、ファイルサーバー設置のデメリットを3つ解説します。

初期費用やランニングコストが高い

ファイルサーバーの設置には初期費用がかかります。また、ランニングコストもかかるため、ファイルサーバーにかかる費用は高額になりがちです。企業規模が大きければ大きいほど、複数のサーバーが必要になり、管理する人材も多く必要になるため、費用面の負担が大きい点はデメリットです。

利用できるまで時間がかかる

ファイルサーバーは、環境の構築から利用できるまでに時間がかかってしまうため、すぐに利用開始することはできません。ストレージ容量やネットワーク構成の検討、必要な機器の選定だけでなく、設定自体にも手間がかかります。設定項目が多く、グループ作成やアクセス権限付与なども必要となるため、設置の検討から稼働開始まで1か月以上かかるケースも多いようです。

管理や運用に手間がかかる

ファイルサーバーは管理や運用に手間がかかります。企業規模にあわせて、サーバースペースも拡大するため、必要な人材も増え、管理が複雑化するケースも少なくありません。また、ユーザー設定やアクセス権限の設定などにも手間がかかります。クラウドであれば、上記のデメリットを解決できるためクラウド利用も検討するとよいでしょう。

こちらも併せて読みたい「クラウドの導入と活用」

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NASを利用するメリット

NASを利用することで得られるメリットも多くあります。システム導入のしやすさやコストの低さ、設置場所など多くのメリットがあるため把握しておきましょう。

システム導入が簡単

NASのメリットは、システム導入が簡単にできる点です。複雑な設定やアプリケーションのインストールなどは必要なく、手軽に導入できます。また、完成品であればすぐに導入できるため、時間をかけたくない場合にもよいでしょう。キットならHDDを別途用意する必要はありますが、システム導入自体は簡単に行えます。

初期費用や運用コストが低い

NASはファイルサーバーよりも初期費用や運用コストを抑えられます。NASは買い切りタイプとなっており、必要なアプリやOSはすべて機器に組み込まれています。そのため、最初の機器購入費用以外に余計な費用がかからず、低コストで導入・運用できる点は大きなメリットです。機能や容量などにもよりますが、機器自体の価格もあまり高くありません。

設置場所が狭くても利用できる

NASはサーバー本体のサイズが小さく、設置場所が狭くても利用しやすくなっています。小規模なオフィスの場合には、大型の機器を設置するのが難しいケースもあるでしょう。NASはコンパクトで、HDDを追加するような感覚で設置できます。また、シンプルなデザインとなっているため、どのようなオフィスにもなじみやすいでしょう。

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NASを利用するデメリット

NASの利用を検討する際には、メリットだけではなくデメリットについても把握しておくとよいでしょう。ここでは、NAS利用のデメリットを3つ解説します。

機能の拡張がしづらい

NASはファイルサーバーと比較して自由度が低く、アプリの追加やハードウェアの拡張などはしにくくなっています。基本的にはパッケージ状態となっており、システム構成などを変更したりアプリを追加したりといった対応は行えません。内蔵HDDの交換などストレージのメンテナンスは可能ですが、機能の追加や拡張などについては限定されます。

共同編集を行えない

NASはファイルの保存や共有、バックアップが基本機能となっており、共同編集には対応していません。機種によっては、Officeファイルの共同編集に対応したものもありますが、基本的には共同編集はできないため注意しましょう。複数人で編集する場合には、アップロードやダウンロードを繰り返さなければいけないため、手間がかかります。

セキュリティの強度を自由に決められない

NASのセキュリティレベルは、自社で自由に決められません。セキュリティレベルについては機種によって決められており、それぞれの機種でセキュリティレベルは異なります。拡張性が低く、自社に合ったセキュリティ強度に変更するといったことはできません。しかし、クラウドなら上記のデメリットを解決できます。

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まとめ

ファイルサーバーとは、ネットワークを通じてファイルの保存や共有などのファイル管理を行うシステムです。ファイルの共有や保存を行うには、ストレージ機器を用いる方法もあります。どちらにもメリット・デメリットがあるため、自社に合った方法を選びましょう。

KDDI まとめてオフィスでは、KDDIが培った高品質かつセキュアな通信をメインとして、スマホやPCなどのデバイス、クラウド・セキュリティなどのITソリューションを用いて、顧客の課題を解決します。また、オフィスの移転・リニューアル、災害や感染症防止用品まであらゆるサービスや商品を提供しています。

ファイルサーバーをクラウド化するという選択肢もあります!お気軽にご相談ください。

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