ホームThink with magazineセキュリティ対策・危機管理
BCPチェックリストの主な項目や基準、活用する際のポイントなどを解説

BCPチェックリストの主な項目や基準、活用する際のポイントなどを解説

2023年01月11日掲載(2023年11月01日更新)
※ 記載された情報は、掲載日現在のものです。

bcp チェック リスト

安定した企業活動を行うために、BCP対策は必要不可欠です。BCP対策とは不測の事態が起きた際に事業を継続させるための対策を指します。この記事では、BCP対策の概要や企業におけるBCP対策のチェックリストの必要性、チェック項目などについて詳しく解説します。BCP対策の現状を確認してBCP対策強化の検討を行いたい方はぜひ参考にしてください。

目次

自社のセキュリティ環境構築にお悩みなら、KDDI まとめてオフィスにご相談ください

BCPとは

BCPとは、「Business Continuity Plan」の頭文字を取った言葉で、日本語にすると「事業継続計画」となります。事業を行っている場合、地震や大雨などの自然災害、火災などに見舞われるケースもあるでしょう。このような災害などの緊急事態に直面した際、被害を最小限にとどめて事業を継続させるための対策を講じておくことをBCPと呼びます。

まずはKDDI まとめてオフィスにご相談ください

BCP対策を強化するメリット

BCP対策を強化することにより、災害に見舞われた場合でも迅速な対応を行えるようになります。復旧が遅くなってしまうと、顧客が離れてしまう可能性も高まりますが、素早く復旧できることで顧客離れを防ぐことが可能です。

迅速な対応は企業評価にもつながります。不測の事態に迅速に対応することで、社会的信用度を高められる可能性があります。また、BCP対策の策定により業務が可視化され、業務改善につなげられることもメリットです。

まずはKDDI まとめてオフィスにご相談ください

BCP対策のチェックが必要な理由

BCP対策は策定して終わりではありません。定期的にチェックすることが重要です。自社の状況は常に同じではなく、職場環境や社会情勢などによって変動していきます。そのため、自社の現状を把握して、BCP対策を最新の状態にしておかなければ、適切な対応がしにくくなってしまいます。定期的にチェックし、課題や問題点を洗い出してBCP対策の見直しを図りましょう。

BCP対策の現状を把握するためには、「BCPチェックリスト」を活用することが一般的です。

まずはKDDI まとめてオフィスにご相談ください

自社のBCP対策の充実度をチェックする方法

自社のBCP対策の充実度を確認する方法は主に2つです。ここでは、それぞれのチェック方法について解説します。

中小企業庁のチェックリストを活用する

まずは、中小企業庁が公開しているチェックリストを活用する方法です。中小企業庁では、BCPの改善点を可視化できるチェックシートを公開しているため、積極的に活用するとよいでしょう。

中小企業庁のチェックリストでは、「ヒト・モノ・カネ」に関する経営資源についてのチェックが行えます。チェック基準が設けられているため、自社でのセルフチェックがしやすく使いやすいチェックシートです。詳しいチェック項目については後述します。

一般公開されているチェックリストを活用する

インターネット上でも、BCP対策に関するチェックリストが公開されています。一般公開されているチェックリストは、自社独自の項目を加えてアレンジすることも可能となっており、カスタマイズ性の高さが魅力です

インターネット上で公開されているチェックリストの例としては、プラス株式会社ジョインテックスカンパニーの「防災のキホン」などが挙げられます。他にも多くのチェックリストがあるため、自社にマッチしたものを選びましょう。

まずはKDDI まとめてオフィスにご相談ください

BCPのチェックリスト項目の概要

人的資源

緊急事態発生時に、支援が到着するまでの従業員の安全や健康を確保するための災害対応計画を作成していますか?

災害が勤務時間中に起こった場合、勤務時間外に起こった場合、あなたの会社は従業員と連絡を取り合うことができますか?

緊急時に必要な従業員が出社できない場合に、代行できる従業員を育成していますか?

定期的に避難訓練や初期救急、心肺蘇生法の訓練を実施していますか?

物的資源(モノ)

あなたの会社のビルや工場は地震や風水害に耐えることができますか? そして、ビル内や工場内にある設備は地震や風水害から保護されますか?

あなたの会社周辺の地震や風水害の被害に関する危険性を把握していますか?

あなたの会社の設備の流動を管理し、目録を更新していますか?

あなたの会社の工場が操業できなくなる、仕入先からの原材料の納品がストップする等の場合に備えて、代替で生産や調達する手段を準備していますか?

物的資源(金)

1週間または1カ月程度、事業を中断した際の損失を把握していますか?

あなたは、災害後に事業を再開させる上で現在の保険の損害補償範囲が適切であるかどうかを決定するために保険の専門家と相談しましたか?

事前の災害対策や被災時復旧を目的とした融資制度を把握していますか?

1カ月分程度の事業運転資金に相当する額のキャッシュフローを確保していますか?

物的資源(情報)

情報のコピーまたはバックアップをとっていますか?

あなたの会社のオフィス以外の場所に情報のコピーまたはバックアップを保管していますか?

主要顧客や各種公共機関の連絡先リストを作成する等、緊急時に情報を発信・収集する手段を準備していますか?

操業に不可欠なIT機器システムが故障等で使用できない場合の代替方法がありますか?

体制等

あなたの会社が自然災害や人的災害に遭遇した場合、 会社の事業活動がどうなりそうかを考えたことがありますか?

緊急事態に遭遇した場合、あなたの会社のどの事業を優先的に継続・復旧すべきであり、 そのためには何をすべきか考え、実際に何らかの対策を打っていますか?

社長であるあなたが出張中だったり、負傷したりした場合、 代わりの者が指揮をとる体制が整っていますか?

取引先および同業者等と災害発生時の相互支援について取り決めていますか?

ここでは、各項目の概要について解説します。

※出典:1.3 BCP取組状況チェック | 中小企業庁

人的資源

人的資源とは、経営資源のうち「ヒト」に関する資源を指します。ヒトは企業として事業を継続し成長していくためには欠かせない要素で、企業の業務を支える重要な資源です。チェックリストにおいては、災害などの緊急事態が発生した場合対応できるように訓練がされているか、必要な従業員を育成しているかなどが問われます。

物的資源(モノ)

物的資源(モノ)とは、経営資源のうち「モノ」に関する資源のことです。たとえば、オフィスとして使用している建物、社用車、工場や工場の設備、備品など含まれる範囲は幅広くなっています。チェックリストでは、災害時に原材料の代替となる手段を用意しているか、ビルや工場などの耐震対策や大雨への備えなどがなされているかが問われます。

物的資源(カネ)

物的資源(カネ)とは、経営資源のうち「カネ」に関する資源を指します。企業活動を行ううえで必要となる、ヒトやモノを確保するには、資金が必要となるためカネが欠かせません。チェックリストでは、災害時の損失や融資制度を把握しているかどうかなどが問われます。

物的資源(情報)

物的資源(情報)とは、企業が保有する顧客情報やノウハウなどの情報全般を指します。情報が不足すると業務のさまざまなシーンで支障が出るため、非常に重要な資源です。チェックリストでは、バックアップ体制があるかどうか、システムなどが故障した際の代替手段を確保しているかなどが問われます。

体制等

体制等とは、業務上のルールや命令系統などのことで、スムーズな業務遂行や的確な資源管理のために欠かせない要素です。体制等が整っていないと、ヒトやモノといった資源が十分にあったとしても、適切な運用が難しくなるため業務が滞る可能性があります。チェックリストでは、緊急時における対応の優先順位や体制について問われます。

まずはKDDI まとめてオフィスにご相談ください

BCPチェックリストのチェック基準

中小企業庁のチェックリストでは、16個以上「はい」の回答があると良いと判断されます。15個以下の場合には改善すべき項目が多いと判断されるため、必要な改善を図る必要があります。ただし、これらはあくまで基準であり、自社の業務や状況にあわせて細かくチェックしていくことが重要です。

※参考:1.3 BCP取組状況チェック | 中小企業庁

まずはKDDI まとめてオフィスにご相談ください

BCPチェックリストを有効活用する際のポイント

BCPチェックリストを有効活用したい場合は、2つのポイントを意識しましょう。ここでは、各ポイントについて解説します。

課題を洗い出し、改善策を検討する

チェックリストを活用して、自社の現状を把握することは重要です。しかし、チェックして終わりでは意味がありません。自社の現状を把握した後は課題を洗い出し、今後の方針を決めることが重要です。たとえば、「情報管理」に課題があると判明した場合、データのバックアップ体制を強化するなどの対策を講じます。

BCP訓練を実施する

チェックリストの結果が良好な場合でも、実際に緊急事態に直面した際、適切な対応ができるかどうかはわかりません。そのため、緊急事態を想定して、定期的に訓練を行っておくことも大切です。たとえば、緊急時を想定して避難訓練をする、システムの異常発生から復旧までのフローをテストしておくなど、緊急時にスムーズに動けるような訓練が必要です。

まずはKDDI まとめてオフィスにご相談ください

まとめ

BCP対策とは、緊急時に事業を継続するための対策をしておくことです。BCP対策は策定して終わりではなく、定期的にチェックして改善することが重要です。チェック時には、中小企業庁やインターネットで公開されているBCPのチェックリストを活用して課題を洗い出し、対策の強化につなげましょう。

KDDI まとめてオフィスでは、災害対策サービスを提供しています。災害グッズの提供やリモートワーク環境構築支援など、BCP対策に役立つサービスをワンストップで提供できます。BCP対策の強化をお考えなら、お気軽にお問い合わせください。

仕事場のBCP対策についてのご相談なら、まずはKDDI まとめてオフィスにご相談ください

あわせて読みたいBCPに関する情報は以下からご覧ください。

"もしも"に備え知っておきたいBCP対策とは 通信手段編

これからの常識!? BCP(事業継続計画)対策

ラベル:

※ 記載された情報は、掲載日現在のものです。