フードロスを削減してSDGsの達成を目指そう|個人や企業ができる取り組みとは?
現在、世界的にフードロスが問題になっています。フードロスの問題は個人だけでなく、食品を取り扱う企業にも関係する問題です。企業でフードロス削減に取り組むことは、SDGsへの貢献にもつながります。この記事ではフードロスやSDGsとの関係、個人や企業の取り組み方について解説します。持続可能な社会の実現に向けて、ぜひ役立ててください。
目次
従業員エンゲージメント強化には福利厚生の充実を図ることをおすすめします
世界でも問題になっているフードロスとは
フードロスは食品ロスとも呼ばれ、本来はまだ食べられる食品をさまざまな理由から廃棄してしまうことで、世界的な問題となっています。特に先進国で多く発生していますが、後進国や発展途上国でもゼロではありません。
日本のフードロスの現状とは
環境省の令和2年度の「我が国の食品ロスの発生量の推計値(令和2年度)」によると、日本のフードロスは約522万トンです。その内訳は247万トンが家庭ごみ、275万トンが事業系ごみとなっており、個人も企業も同じくらいの量の食品ロスを出していることがわかります。
日本人1人当たり、年間約41kgを捨てており、換算すると、毎日茶碗1杯分のお米を捨てている計算になります。決して少ない量とはいえません。
また日本では、約6割の食料を輸入に頼っています。半分以上の食料を輸入しているにも関わらず、その多くをフードロスにしてしまっているのが現状です。さらに、日本の子供は7人に1人が貧困に陥っており、食料を求めている人が大勢いる一方で、まだ食べられる食品が廃棄されているのが問題視されています。
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フードロスで引き起こされる問題
世界的にみても貧困などで飢餓に苦しむ人が約8億人以上もいる中で、世界で人が消費するために生産される食料の内3分の1がフードロスとして失われているという現状は問題であり、改善への取り組みが広く求められています。
また、世界中の食品は、できるまでに生産や加工、調理という過程で多くのエネルギーや労力やコストが発生しています。さらに、廃棄するにもコストやエネルギーが必要になるため、二重三重に資源の無駄遣いが発生していることが問題となっています。
フードロスが起こる原因
日本でも、世界的にも問題視されているフードロスですが、なぜこんなにも増えているのでしょうか。フードロス削減に取り組むためには、フードロス発生の原因について知っておくことも大事です。
ここからは、フードロスが起こる原因について解説します。
食品規格によって廃棄されてしまう
野菜や果物といった作物は、形の良いものや大きいものなど、販売できる規格に収まるものだけが出荷されています。そのため、品質や味に問題はないものの、多少の傷や変形のために出荷できずに廃棄されてしまう食料がたくさんあります。
このような規格外の食料は、加工食品に活用されることもありますが、すべてを消費できておらず、フードロスの一因となっています。
消費期限や賞味期限が切れて廃棄されてしまう
小売店や飲食店への納品や、顧客への販売、購入後の消費の段階で、消費期限や賞味期限までの期間が切れてしまった食品は、破棄されてしまうことがほとんどです。
なかでも小売店や百貨店には、製造日から賞味期限までの期間を3等分にし、3分の1以上期間が残っていないと納品できない「3分の1ルール」という商習慣が広く普及しています。そのため、フードロスを多く出してしまう原因となっていました。
過剰生産されたものが廃棄されてしまう
需要に見合っておらず売れ残り、さらに保存も効かないものは廃棄されてしまう、過剰生産という問題もフードロスの原因です。農畜産業では、生産量をコントロールするのが難しく、需要が落ち込んでも生産量を減らすことが出来ず、過剰生産となってしまうケースもあります。
また、小売業では、クリスマスケーキや恵方巻きなどの、季節商品の過剰生産によるフードロス増加が問題視されています。
食べ残しが廃棄されてしまう
家庭内や飲食店での食べ残しもフードロスの原因です。食べられる食品を破棄する理由として多くの割合が食べ残しとなっており、問題視されています。近年問題とされている「飲食店の予約の当日キャンセル」によって、既に仕入れてしまっていた食材が無駄になってしまうことなども要因として考えられます。
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SDGsとは
SDGsとは、2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」内で示された、2030年までに持続可能な世界を目指すための国際目標のことです。17のゴールとそれぞれに設定された合計169のターゲットで構成されており、世界上で生活する人を誰ひとり取り残さないとしています。
このSDGs=持続可能な開発目標は、発展途上国、先進途上国に関わらず取り組まれており、日本でも積極的な取り組みが勧められています。
フードロスとSDGsの関係
フードロスは、SDGsの目標12「つくる責任つかう責任」と関連性が深い問題です。目標12は「持続可能な生産消費形態を確保する」をテーマとして、11個のターゲットから構成されています。
3つ目のターゲットでは「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる」としてフードロスについて明確に示されており、世界共通の問題として取り上げられています。
SDGs達成のために個人ができるフードロス対策
日本でも、SDGs達成のためにフードロス削減への取り組みを実施する個人や企業が増えています。ここからは、個人でできるフードロス対策について解説します。
食材を食べ切る
食材を余らせたり、消費できずに劣化させてしまったりして廃棄することのないように、購入した食材は使いきってすべて食べ切ることが大切です。
食べきることを意識するだけでなく、余った食材は劣化しないように冷凍したり、リメイクして早めに使い切ったりという工夫ができます。
必要以上に購入しない
食材を必要以上に購入すると、余らせてしまいフードロスにつながります。必要な分を確認して買い物に出かけることや、使いきれる量だけを購入することもフードロス削減の一歩です。
いつもより安くなっていたり、遠方でなかなか買い物に行けなかったり、大目に購入してしまう理由はさまざまですが、余ってしまい破棄してしまえば意味がありません。普段の買い物から、食材や食品はよく考えた上で購入するように意識することも大切です。
期限表示を正しく理解する
食材や食品の期限表示には、「賞味期限」と「消費期限」の2種類があります。賞味期限はおいしく食べられる期間、消費期限は安全に食べられる期限を示しています。
賞味期限は、多少期日が過ぎても食べられるため、期限が迫っていたり、少し過ぎていたりしてもすぐに捨てる必要はありません。すぐ使うものであれば賞味期限が迫っているものから購入する、少し期限を過ぎているくらいなら食べきるというのも、フードロス削減の一環になります。
食品に合わせた保存方法を選ぶ
食品を長持ちさせられるよう、食品に合わせた方法で保存することも大事です。野菜なら乾燥しないようにラップや濡らした新聞紙で包む、肉や魚は1回分の量に分けて冷凍するなどの方法があります。
適切な保存方法で劣化を防ぐことで、フードロスを削減できます。
規格外の食品を選ぶ
傷が入っているものやサイズが小さいものなど、規格外の食品を販売しているスーパーなどもあります。そのような規格外品やパッケージに傷があるもの、賞味期限が近いものなど、廃棄されやすい食品を選んで購入することもフードロス対策になります。
ドギーバッグの相談をする
ドギーバッグとは、飲食店で食べ残したものを持ち帰るための容器や袋のことで、欧米では一般的なアイテムです。ヨーロッパでもドギーバッグの習慣が広がっており、当たり前になっている国も増えていることから、日本でも注目が集まっています。
日本では、品質保証ができないことから持ち帰りはできないところもありましたが、フードロスが問題視されるようになり、持ち帰りも可能となっている飲食店が増えています。
3010運動をする
3010運動とは、宴会やパーティでの食べ残しを減らすための取り組みです。宴会やパーティの最初の30分は料理を楽しみ、席を立っていても終了の10分前には席に戻り最後まで料理を楽しむことを呼び掛けています。
宴会やパーティでは、大人数用の料理が用意されるにもかかわらず、話に夢中で残してしまうことも多くあります。職場や友人と3010運動に取り組むことで、気軽にフードロス削減の取り組みが実施できます。
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SDGs達成のために企業で取り組むフードロス対策
SDGs達成のための取り組みは、企業アピールにもなります。食品を扱う企業だけでなく、それ以外の企業でもフードロス対策に取り組むことで、SDGsへの積極的な姿勢を見せることができるでしょう。
ここからは、企業が取り組めるフードロス対策について解説します。
食材の提供支援をする
取り扱っている食品や調理済みで廃棄となるはずの食材を、子ども食堂などの食べ物を必要としているところに提供して支援する取り組みができます。
日本でも多くの企業がフードロス対策を発表しており、その中でも食材の提供による支援をする企業が増えています。
フードバンクやフードドライブに寄付する
フードバンクとは、まだ食べられるのに廃棄される予定の食品を引き取り、食品を必要とする人に届ける活動のことです。フードドライブも同じ活動で、企業だけでなく個人でも参加できる取り組みとして注目されています。
まだ品質としては問題なく食べられる賞味期限の切れた食品や、食べきれない食品をフードバンクやフードドライブを実施している団体に寄付すれば、フードロスの削減につながります。
規格外商品を販売する
食品の製造過程で出た規格外商品(欠けてしまった、形が崩れてしまったなど)を、アウトレット商品として販売する企業も増えています。
製造過程で出てしまう規格外商品は廃棄されてしまうケースも多く、企業のフードロスの原因となっています。その規格外商品を通常よりも安価で販売することで消費してもらい、フードロスを減らそういう取り組みです。規格外品や賞味期限が近い食品を専門的に販売するお店なども出てきています。
キャッシュレス型の食事補助サービスを活用する
福利厚生として社員食堂やケータリングなどの食事補助サービスを導入する企業がありますが、食べ残しなどによってフードロスを引き起こす要因となっています。さらに、働き方改革の推進やコロナ禍によるテレワーク導入が多くの企業に広まっていることから、食事補助サービスを見直すのもおすすめです。
フードロス対策をしつつ、多様な働き方をする従業員が公平に利用できる、キャッシュレス型の食事補助サービスがあります。外回りが多い営業マンや、家庭の都合などで在宅勤務をする従業員など、オフィス以外で働く従業員であっても、いつでもどこでも、従業員はスマートフォンをかざすだけで、好きなタイミングに利用できる点がメリットです。
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まとめ
SDGsでも触れられているフードロス問題は、貧困問題や環境問題にもかかわる深刻な問題として注目されています。個人だけでなく、企業でもフードロスを始めSDGsへの取り組みが求められている中で、何か1つでも取り組んでいる姿勢を見せることは、企業のアピールとしても有効です。
KDDI まとめてオフィスでは、キャッシュレス型の食事補助サービス「まる得ランチ」をご提供しています。従業員の健康ケアやエンゲージメント向上のほか、社員食堂などで発生するフードロスをなくす取り組みにもなります。SDGsに関する取り組みの一環として、ぜひご検討ください。
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