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【後編】探究学習先進校が実践するInspire High活用事例

【後編】探究学習先進校が実践するInspire High活用事例

2023年04月21日掲載(2023年11月06日更新)
※ 記載された情報は、掲載日現在のものです。

探究学習先進校が実践するInspire High活用事例

はじめに

2022年度より「探究学習」の授業が本格的に始まりました。
昨年度までに先行実施を行う学校も多い中で、試行錯誤をされていた教育現場も多いのではないでしょうか。前編ではこれまでの学びと探究学習との違いや探究のプロセスを効果的に実施していくための方法について、株式会社Inspire High様に解説いただきました。
後編では、オンラインプログラムである「Inspire High」を探究的な学習において活用している学校の取り組み事例についてご紹介いただきます。

前編はこちら

Inspire Highとは
世界中の想像力と教室をつなぐEdTechプログラム
動画コンテンツとワークショップツールが一体になったサービス。
セッションは、「ガイドトーク」「アウトプット」「フィードバック」「リフレクション」という4つのステップで構成され、40分で完結をする。
詳細は前編「探究的な学びとは?効果的な学びのプロセスから考える」をご覧ください。

執筆協力
会社名:株式会社Inspire High
設 立:2019年11月
H P: https://www.inspirehigh.com/

目次

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探究学習でのInspire Highの活用事例

前編では探究的な学びのプロセスに注目し、「内化」と「外化」のサイクルについてお伝えしてきました。後編では、実際にInspire Highを活用いただき、探究プロセスをどう工夫されているのかをご紹介したいと思います。

事例①安田女子高等学校

広島県の安田女子高等学校では、「STEAMコース」が新設され、このコースでInspire Highが活用されています。このSTEAMコースではプロジェクトベースの学びが導入されており、カリキュラムの最初や途中の触発のきっかけとして、Inspire Highが使われています。生徒の興味喚起のブースターのような役割です。

少人数の授業で、それぞれが好きな動画を見て感想を伝えあう

少人数の授業で、それぞれが好きな動画を見て感想を伝えあう

具体的には、芸人の渡辺直美さんがガイドを務める「自分らしさをどう見つける?」というセッションをカリキュラム冒頭で活用することで、生徒それぞれの自分らしさと向き合う時間を設け、自分がどんな人間か、どんなことを好きと感じるのかなどを意識できるようにしています。

渡辺直美さんのセッションでは、自分を肯定する姿勢を学ぶことができる

渡辺直美さんのセッションでは、自分を肯定する姿勢を学ぶことができる

ご担当の先生からは「様々な出演者の人生を追体験することで、相対的に自分が見えてくるところがとても良い」と言っていただいています。

事例②近畿大学附属高校

近畿大学附属高校では、大学入学前のモチベーション向上のために導入されています。近畿大学に入学する前に自身の興味関心や課題意識を明確にするためです。

Inspire Highでの学びを発表する様子

Inspire Highでの学びを発表する様子

実際には、元アイドルで起業家のゆうこすさんのセッション「個性ってなんだろう?」を活用し、アウトプットテーマである「自分にハッシュタグをつける」というお題を実施し、自身の個性と向き合う時間を設けています。

また、自身も最近大学に進学したタレントの田村淳さんのセッションでは、「学ぶって大事なこと?」というテーマで、これから大学で学んでいくための考える癖やマインドセットを身に着けています。

先生が作成した授業構成案

先生が作成した授業構成案

さらに、生徒たちはまずInspire Highを体験し、そこからインスピレーションを受けて、今度は自分達が下級生をインスパイアする発表会を行うようなカリキュラムになっています。受動的に動画を見ることから、能動的な学びへと展開しているユニークな事例です。

事例③広尾学園中学校

広尾学園では中学1~3年の全学年でInspire Highを活用した授業を、探究の時間で実施しています。例えば、中学2年生では「自分を見つける」というテーマで1年間のカリキュラムが組まれています。その際のInspire Highの動画の選定については「生徒たちは、どの人の話に刺激を受けるのか」を意識しながら選定いただいています。

真剣にアウトプットに取り組む生徒

真剣にアウトプットに取り組む生徒

特に宇宙飛行士の山崎直子さんのセッション「未来の自分はどうなってる?」をご活用いただいたときには、身を乗り出して話を聞く生徒も多かったそうです。自分の興味関心を広げる入り口としてご活用いただいています。

山崎直子さんのセッションでは、夢を追いかけることについて実体験をもとに学ぶことができる

山崎直子さんのセッションでは、
夢を追いかけることについて実体験をもとに学ぶことができる

ご担当の先生からは「最初は、自分の進路に関してあまり考えていない子が多かったのですが、1年を通じてこの授業を受けたことで、留学や大学進学後の進路についての質問がすごく増えました」というお声もいただきました。

興味関心から始まる学びの循環へ

このように探究的な学びの一番の課題は最初のスタートにあります。興味関心が湧き上がってくると、生徒たちは自然と何かを調べたり、気になったりしてきますし、そこからの情報はネット上にもたくさんあります。

Inspire Highをご活用いただくことで、探究プロセスのスタートをスムーズで刺激的なものにすることができます。ガイドトークという動画コンテンツと、アウトプットやフィードバックという能動的な機能が一緒になっているからこそ生み出せる学びの循環になっています。

生徒の学びの内化と外化の循環を起こすきっかけの提供が、いまの学校現場には求められていますので、Inspire Highのようなツールをご活用いただき、その循環のスピードアップを図っていただければ幸いです。

最後に

今回は前編後編に分けて、株式会社Inspire High様に「探究学習」をキーワードに解説や実際の学校事例についてご紹介いただきました。
「予測不可能な未来社会」を生きる力を育むための「総合的な探究の時間」。
子どもたちも大人も自ら考え、多様な人々と協働し取り組んでいくことが重要となっています。

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