SaaSやオンライン会議により増加するトラフィックに対応する際にチェックすべきことは?
働き方の多様化への対応や業務効率化を目指して各種のデジタルツール(SaaSやオンライン会議ツールなど)を導入する際は、ツール利用によるトラフィックの増加を見越してネットワークやネットワーク機器も見直すのがおすすめです。なぜならば、トラフィックの増加がネットワークの輻輳(ふくそう)などにつながり、業務効率の低下要因になる可能性があるからです。
今回は、輻輳が起こる仕組みと、通信環境を見直す際にチェックすべき項目をまとめます。
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ネットワークの輻輳とは、データが"渋滞"している状態
ネットワークの輻輳とは、ネットワーク上でデータの送受信が増加し、ネットワークの帯域幅が限界に達した状態です。例えると交通渋滞のようなもので、ネットワーク帯域を道路、データパケット*を車と考えるとイメージがしやすいかもしれません。そして、この渋滞(輻輳)が起こると、通信速度の低下やインターネット接続が途切れるなどの事象が発生し、通信環境が悪化します。
*パケット・・・インターネットなどでデータを通信する際に Internet Protocolによって分割されたデータの単位
輻輳は、大きく分けると2つの発生要因があり、1つ目が「ネットワークの帯域不足」で、2つ目が「データ送受信量の増加」です。交通渋滞の発生と同じで、道路(ネットワーク帯域)に対して交通量が多い際や、一時的に交通量が増えた(データの送受信量)際に発生するのです。
輻輳が起こりやすい場所も渋滞と同じで、ネットワークの合流地点や、分岐地点で発生します。
輻輳を解消するには、ネットワークやネットワーク機器の見直しが必要
輻輳が発生し、通信環境が悪化した場合、まず道路(ネットワーク帯域)の流れをチェックします。
最初に通信の総量をチェックし、常に通信量が多い場合は、インターネット回線の速度やLANの破損の有無などのネットワーク状態を確認します。ネットワークに問題がなければ次は、ルーターやセキュリティ機器などのネットワーク機器を確認します。ネットワーク機器をチェックする際は、ルーターの通信方式や帯域、各種機器のファームウェアが最新のバージョンになっているかを確認しましょう。
道路の流れに問題がない場合は、一時的に交通量(データの送受信量)が増えるタイミングがないかを調べます。
データの通信量は、同時に複数のパソコンやモバイル機器でインターネットに接続し、SaaSを利用したり、オンライン会議を行っていたりする場合に増加します。ほかにも、何らかの大量のデータを社内でやり取りした場合にも起こり得ます。
これに対しては、従業員のデバイス(パソコンやモバイル機器)のOSを最新版にしたり、パソコンのメモリーを増やしたり、大きいサイズのデータのやり取りを回線の利用者が少ない時間に行うことなどで対応します。
改善が見られない場合には、専門家に相談を
別のコラムでも詳しく紹介していますが、各種SaaSやオンライン会議ツールの使用が増えたことにより、数年前と比べてもトラフィックは増加の傾向にあります。ネットワークやネットワーク機器を見直し、従業員の利用方法を確認しても通信環境が改善しない場合は、回線の変更や通信プロトコルの見直しなど専門的な対応が必要となります。
通信環境の悪化に対して解決策が見えない場合には、KDDI まとめてオフィスにご相談ください。
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