業務効率化を実現するオフィスの電話改革のポイントを紹介している本シリーズ。固定電話とスマートフォンの連携によって、想定以上のコスト削減や業務の効率アップにつながることもあります。コラム第2回は、内勤社員や外勤社員にとって意外に負荷のかかる『電話の取り次ぎ』についての現状や、課題解決におすすめのFMCサービスの概要、具体的な事例をご紹介します。
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業務の効率を下げる、実は負荷の多い『電話の取り次ぎ』
地味ながら内勤の社員に大きな負荷をかけているのが『電話の取り次ぎ』です。一例として、電話の取り次ぎにどのくらいの時間が割かれているのかを見てみましょう。
オフィスにお客さまからの電話があった場合、まず担当者の所在を確認することになります。その場ですぐに確認できれば、電話をその担当者に転送するだけで済みますが、担当者の所在が確認できない場合や外出中の場合、お客さまにその旨をお伝えし、一旦 いったん電話を切ります。その後、担当者である社員が持っている携帯電話に連絡しなければなりません。
こうした一連の手続きをスムーズに行えた場合、平均3分かかると仮定します。これを1日に10回繰り返すと、電話の取り次ぎだけで1日に30分もの時間を費やしていることになります。電話を受ける社員は、そのたびに作業を中断することになるため、業務効率も非常に悪くなります。
また、取り次ぎに時間がかかる場合、架電したお客さまに迷惑がかかってしまいます。さらに、聞き間違いによる伝達ミスも起こりやすくなります。担当者へのスムーズな電話の取り次ぎができないと、顧客獲得の機会を逃すおそれもあります。
スマートフォンを内線化!電話の転送で業務を効率化
電話取り次ぎの課題を解決するために役立つのが「FMCサービス」です。 FMC(Fixed and Mobile Convergence)とは、「固定通信と移動体通信の融合」を意味します。FMCサービスを導入することにより、携帯電話やスマートフォンを、オフィス内の固定電話(IP電話)の内線電話として利用できるようになります。言い換えれば、固定電話とモバイル通信を別々に考えるのではなく、これらを連携させる仕組みです。
例えば、オフィスの固定電話にお客さまから外出中の営業担当者宛ての着信があった場合、FMCサービスを導入していなければ、内勤の社員が電話を取る必要があります。
一方、FMCサービスを導入すれば、外出中の営業担当者の携帯電話へ着信を直接転送できるため、内勤の社員は電話を取る必要がありません。
このように、電話を いったん切ってからかけ直す手間がなくなり、お客さまと社内のコミュニケーションが効率的になります。
FMCサービスの導入により、電話の取り次ぎ業務が減り、業務効率が向上します。また、通話料金などのコスト削減にも寄与します。お客さまにとっても、待つことなく直接担当者につながるため、 よい印象を与えられるでしょう。信頼性が高まり、新規顧客やリピーターの獲得にもつながる可能性があります。
取り次ぎ業務の負担を軽減するスマートフォンへの電話転送
ここでは、電話の取り次ぎによる業務負担を軽減させることに成功した事例をご紹介します。
■課題:営業担当者とお客さまをダイレクトにつなげたい
中堅の医療機器商社であるR社。北関東を商圏として、250人の営業担当者が医療機関や福祉施設に営業を行っています。
営業担当者にとって日中はお客さまの訪問が基本。しかし、お客さまからのお問い合わせ、消耗品の発注などは直接オフィスに電話がかかってきます。営業状況は営業担当者しかわからないため、連絡を取って折りかえし連絡する手間が非常に多くなっていました。内勤担当者から電話に出たくないという声さえ上がるように。
■問題解決法:FMCサービス導入で取り次ぎがなくなり、お客さまも満足
営業担当者のデスクに設置されていた個別の固定電話を廃止し、FMCサービスを導入しました。これにより、担当者はスマートフォンを内線電話として使用できるようになりました。お客さまからの電話は直接営業担当者につながり、その結果、「欠品している消耗品をすぐに発注できる」というお客さまからの喜びの声が寄せられました。また、内勤の担当者も電話の取り次ぎ業務が不要になり、無駄な業務が減ったと好評です。
さらに、外出中の営業担当者を呼び出す際にかかる通話料金も大幅に削減されました。固定電話の台数が減少したことから、総合的に見てコスト削減が実現しました。
FMCサービスの ほかにも、通話サービスの選択肢は存在します。次回はその1つである「クラウド電話」について、その魅力をご紹介します。
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