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21世紀の教育改革、生成AIと未来の学び|オンラインセミナーレポート

21世紀の教育改革、生成AIと未来の学び|オンラインセミナーレポート

2023年12月19日掲載(2024年03月25日更新)
※ 記載された情報は、掲載日現在のものです。

2023年10月27日、「教育現場での生成AIの活用(基礎・基本編)~文部科学省の「生成AI利用ガイドライン」を読み解く~」と題して、牛来峯聡様に学校現場における生成AIの活用方法についてご講演いただきました。

登壇者プロフィール

牛来 峯聡様

牛来 峯聡様

教育委員会で島しょ教育、小中高校教育、情報教育、教員研修、学校経営など幅広く業務を担当。公立・私立学校の校長として、新教育課程や高大接続改革、グローバル教育、ICT教育などを推進。文科省のICT教育などの委員、全国高等学校情報教育研究会会長を歴任。
現在は管理職のマネジメント支援を行いつつ、学校経営、共創教育、情報教育、探究活動などの研究活動に取り組む。

※ 島しょ教育:東京都島しょ地域(伊豆諸島及び小笠原諸島)での教育

はじめに

2023年7月4日、文部科学省は「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」を発表しました。それを受け、各教育委員会ではガイドラインを作成、東京都では「生成AI研究校事業」が開始され、9校が研究校に指定されました。

革新的な技術が次々と生み出される中、学校現場はどのように向き合い、取り組んでいくべきなのか。生成AIの基礎的な知識に触れながら、牛来様にお話しいただきました。

講演の中では計22の事例が取り上げられました。以下で講演内容の各トピック概要をご紹介します。

出典:文部科学省|初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン
出典:東京都教育委員会|令和5年度「生成AI研究校事業」の開始及び「生成AI研修会」の実施について

1.生成AIって何!?(初歩から分かる生成AI)

生成AIの基本的な仕組みや代表例をあげられました。
また有識者による意見、関連する調査結果や市況についても紹介されています。

2.生成AIの教育への活用(実践事例による基本的な活用)

学校現場で利用されうる場面を想定した11の事例が紹介されました。

  • 古典の一節についての解説を指示
  • 学校説明会用のキャッチコピーの作成
  • 文章の要約
  • 保護者向け通知文の作成

など

また生成AIを上手く活用する上で大事になる、回答の精度を高める質問(指示)の仕方について解説されています。

講演スライド:質問(指示)の仕方(2)

講演スライド:質問(指示)の仕方(2)

3.生成AI×管理職・推進リーダー(生成AIで21世紀の教育改革をリード)

学校全体で生成AI利用に取り組んでいく場合、建学の精神・これまでの教育活動を踏まえ、ICTや生成AIの活用を考えることで新たな価値を創出する共創(協創)教育の実現ができるのではないか、と考えを示されました。

講演スライド:ICTや生成AIでわくわくした特色ある学校づくり

講演スライド:ICTや生成AIでわくわくした特色ある学校づくり

4.「生成AI利用ガイドライン」を読み解く(校内での取り組みに向けて)

文部科学省が発信したガイドラインについて解説され、まずは学校で利用ガイドラインを整備し、可能な取り組みから実施することを提案されました。

講演スライド:教員・生徒による「ICT/生成AI活用」の形態

講演スライド:教員・生徒による「ICT/生成AI活用」の形態

5.実践的な活用事例の紹介(生成AIは教員の有能な秘書)

こちらのパートでは、主に校務でのより実践的な活用を想定した10の事例が紹介されました。

  • 校外学習の企画案
  • 周年記念事業アンケート(長文)の分析
  • お祝いの英文での手紙
  • ExcelのVBAで学校日誌を自動作成(管理職支援)

など

事例を複数紹介しながらも「生成AIの回答が正しいとは限らない。」と注意喚起し、ファクトチェックの習慣が大事だと強調されました。

6.まとめと考察(教育現場における生成AIの活用と心得)

牛来様は、「学校は生成AIなどの新たな技術を避けては通れない状況である」と語り、一方で活用により教育効果や教職員の業務効率を高めることができるとお話しされました。

講演スライド:まとめと考察(1)「教育への活用にあたっての心得」

講演スライド:まとめと考察(1)「教育への活用にあたっての心得」

生成AIは知識を持って正しく使うことで、子どもたちの力を伸ばすことも多忙な教職員の業務を改善することもできます。「今回のセミナーで取り上げた事例を参考にどんどん生成AIを使っていってほしい。そうすることで、校務でどう活用していくのかという方策が見えてくると思います。」と牛来様はお話しされ、セミナーは締めくくられました。

7.オンデマンド配信のご案内

当セミナーのオンデマンド配信を開始しました。
視聴後のアンケートにご回答いただいた皆さまへ、講演資料を進呈します。
また、牛来様が文部科学省のガイドラインから抜粋・簡略化を行った「学校における生成AIの利用ガイドライン」と「生成AIの利用チェックリスト」もあわせてプレゼントしておりますので、各学校さまにあわせて適宜編集の上、ご活用いただければ幸いです。

配信は終了しました。資料に興味のある方はこちら

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「その他にご相談したい内容がございましたらご入力ください」の項目に「生成AIと未来の学びの資料がほしい」とご入力ください。

8.最後に

KDDI まとめてオフィスでは、KDDIが長年培ってきた高品質でセキュアな通信を軸に、教育現場で役立つソリューションを提供しています。通信環境の整備から、ICT教育に必要なタブレット・パソコンなどの端末や教材も、ワンストップで提供可能です。
また、導入後の活用についての積極的なサポートや、教員のみなさまを対象にしたセミナーや研修なども実施しております。ICT導入や運用についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

※ 記載された情報は、掲載日現在のものです。