みなさんの中には、事務所・オフィスの立ち上げや部署の増設にあわせて、ビジネスフォンの導入や回線数の増設を検討している企業担当者もいるのではないでしょうか。
ビジネスフォンを導入する場合「購入 or リース」「新品 or 中古」といったように、どのような導入方法を選択するかによって価格に違いがあります。
当記事では、ビジネスフォンの価格相場がどのくらいなのかという点にくわえて、導入方法によって価格の違いがある理由や、安く導入する方法について確認しましょう。
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1.ビジネスフォンの価格相場はどのくらい?
ビジネスフォンの価格は、導入方法によって異なります。電話機本体は購入もしくはリースで導入でき、購入の場合は機種代金、リースは月額のリース料金がかかります。
新品のビジネスフォン購入価格は、1台あたり1万円〜5万円ほどが目安です。中古は安いものだと1台3,000円から購入でき、ものによりますが高くても1万5,000円程度までと考えておけばよいでしょう。
一方で、リースはビジネスフォン導入時の出費を抑えられます。リース料金は、月額3,000円〜1万3,000円が相場です。リースする機器の導入価格にリース利率を掛けた金額が月額費用になるため、機種の性能や電話機の設置数によって価格が変動します。
ビジネスフォン導入方法 | 価格相場 | |
---|---|---|
購入 | 新品 | 1万円~5万円 |
中古 | 3,000円~1万5,000円 | |
リース | 3,000円~1万3,000円 |
1-1.ビジネスフォン導入には主装置・PBXや工事費用もかかる
ビジネスフォンの導入には、電話機本体の導入費用のほかに、主装置・PBXの本体価格や機器の設置工事費用がかかります。それぞれの概要は、以下のとおりです。
●主装置
主装置とは、社内すべての電話機を管理して電話回線の切り替えや共有、転送を行う機器です。電話機と同機種でないと使用できず、安くても20万円ほどかかるのが一般的です。搭載機能や接続可能な電話回線数が多いほど高額になります。企業規模によって価格が大きく異なり、価格相場は数十万円〜数百万円と幅があります。
●PBX
PBXも回線を管理するためのハードウェアで、パソコンを接続したり別拠点を内線でつないだりするなど、より大規模な環境での接続が可能です。PBXには種類があり、レガシーPBX、IP-PBX、クラウドPBXの3つに分類されます。数万円〜数百万円が相場で、規模によっては数千万円におよぶこともあります。クラウドPBXは月額制で、基本料金は1契約あたり2,000円〜3万円ほどで導入可能です。
●設置工事費用
設置工事費用には本体の搬入、主装置の設定、配線工事、作業員の人件費が含まれています。1台ごとに1万円〜2万円が相場といわれており、FAX接続データ設定を追加する場合は、数千円〜1万円程度の加算が目安といわれています。実際はすでにある配線を使う場合や引き直す場合、既存の配線であっても、希望のとおりの場所に引けるかの調査が発生するため、トータルのコストはピンキリです。具体的に検討している場合は、対象の事業者に直接問い合わせてみましょう。
以下では、主装置・PBX(新品)・クラウドPBX・設置工事の価格相場を表にまとめました。主装置やPBXの導入に関しては、場合によってかなり高額になることが分かります。
項目 | 価格相場 |
---|---|
主装置 | 数十万円~数百万円 |
PBX(新品 | 数万円~数百万円 |
クラウドPBX | 2,000円~3万円/月 |
設置工事 | 1万円~2万円/台 |
1-2.主装置の価格はクラスや企業規模によって異なる
ビジネスフォンの導入価格を大きく左右するのは、主装置の価格です。主装置は機器のクラスによって価格が異なり、企業規模が大きいほど上位クラスの主装置が必要になります。
主装置のクラスは、接続可能な電話機の台数と回線数によって「S・M・L」の3つに分けられます。Sクラスは10台4チャンネルの接続ができ、Mクラスは30台12チャンネル、Lクラスは80台24チャンネルに対応している点に違いがあります。クラスが上がるほど価格も高くなる傾向です。
主装置のクラス | 接続可能台数 | 回線数 |
---|---|---|
Sクラス | 10台 | 4チャンネル |
Mクラス | 30台 | 12チャンネル |
Lクラス | 80台 | 24チャンネル |
小規模なオフィスや店舗であれば、数台を接続できれば問題ありません。従業員や部署の多い企業では、人数が多い分小規模なオフィスなどよりも多くのビジネスフォンの接続が必要になるため、接続可能台数の多い主装置の用意が求められます。
コールセンターや営業会社のように電話業務が多いと、主装置が高額になりやすいです。
下記は、主装置の導入にかかる価格相場を企業の規模ごとにまとめた表です。主装置の数にくわえて電話機代と設置工事費用がかかることを踏まえて、ビジネスフォンの導入に必要なコストをイメージしましょう。
規模 | 価格相場 |
---|---|
小規模(従業員5名程度) | 20万円~30万円 |
中規模(従業員30名程度) | 80万円~170万円 |
大規模(コールセンターや営業会社) | 430万円~670万円 |
2.ビジネスフォンの導入方法によって価格に違いがある
ビジネスフォンを導入する際は、導入方法によって必要な費用が変わる点に注意しなければなりません。以下では「購入とリース」「新品と中古」という2つのケースに分けて、価格にどのような差が生じるのか、また価格差の仕組みについて解説します。
2-1.購入とリースで価格に違いがある理由
購入とリースの価格の大きな違いは「初期費用」です。ビジネスフォン本体の購入費用が気がかりな場合、電話機をリースすることで初期費用を抑えられます。
リース契約では、一定期間のみ機器を借りて、期限がきたらリース会社に返却します。契約期間は5〜7年で、月額割賦支払いが一般的なため、毎月1万円前後の支払いでビジネスフォンの導入が叶うでしょう。
月額料金は、主装置や回線、設置工事にかかる費用に、契約期間に応じたリース利率を掛けて算出されます。リース期間が長いほど利率が低くなり、月額料金を抑えられます。
ただし、通常の導入費用にリース料が上乗せされているため、支払総額は購入する場合よりも費用が高くなる点に注意が必要です。購入は初期費用としてまとまった出費がかかるのに対し、リースは利率がかかり支払総額が多くなるという特徴があります。
2-2.新品と中古で価格に違いがある理由
購入する場合でも、新品と中古で価格に大きな違いが生じます。ビジネスフォンメーカーは開発スピードが早く、新商品の発売スパンはおよそ1年〜2年です。そのため、モデルの入れ替わりが激しく、旧モデルは中古として安く販売されています。3分の1の価格で購入できる機種や、古い型だと10分の1の価格になっている機種も珍しくありません。
中古品と言っても、販売店がクリーニングや動作チェックなどのメンテナンスをした上で販売している商品です。数年前のモデルであっても、内線通話や転送機能など基本機能は最新モデルと遜色ない機種がほとんどです。細かいデータ設定ができるかといった点やデザイン性の違い程度で、基本的な使い方をするのであれば問題なく使えます。
3.ビジネスフォンを安く導入する方法
ビジネスフォンは、機器の本体価格が費用の大部分を占めます。導入コストを抑えたいなら中古ビジネスフォンを選んだり、新品ビジネスフォンをリースして月賦払いにしたりなどの工夫が大切です。
以下では、導入コストを抑える方法として2つのポイントを紹介します。
3-1.クラウドPBXを利用する
クラウドPBXとは、クラウド上に設置されたPBXにインターネットでアクセスして、内線・外線といったビジネスフォンの機能を利用できる電話システムです。インターネット回線を利用するため電話回線工事が不要であり、拠点ごとにPBXを設置する必要もありません。
通常、主装置やPBXを購入すると高額な本体費用だけでなく、定期メンテナンス費用が発生します。その点クラウドPBXは、オフィス内に物理的な機器の設置が不要なため、設置費用や機器本体の保守費用がかかりません。
主装置は高額で、企業規模によっては数百万円かかるケースもあります。クラウドPBXにすれば高額な主装置の購入が不要になり、結果的に初期費用を節約できるでしょう。
3-2.企業規模・目的と照らしあわせて検討する
ビジネスフォンは、企業規模や導入の目的にあわせて、計画的に導入することが大切です。例えば、10台ほどの接続で十分にもかかわらず、接続可能回線の多い高額な機種を導入すると、余分なコストがかかってしまいます。
反対に、安いからと接続回線数の少ない機種を選ぶと業務に支障をきたし、結局追加費用を払って増設することになりかねません。規模に見合ったビジネスフォンを選ぶことで、無駄なコストをカットできます。
また、販売業者によっては複数台のビジネスフォンをセット価格で販売しているところもあります。セット購入すると1台あたりの価格が安くなるケースが多く、必要な分をまとめて購入するほうが割安です。
まとめ
ビジネスフォンの価格相場は、導入方法や企業規模によって数百万円かかるケースも少なくありません。できるだけコストを抑えてビジネスフォンを導入したい場合は、クラウドPBXを検討するとよいでしょう。
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