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SIP電話(SIPフォン)とは?仕組みや種類・メリットとデメリット

SIP電話(SIPフォン)とは?仕組みや種類・メリットとデメリット

2024年02月08日掲載
※ 記載された情報は、掲載日現在のものです。

SIP電話(SIPフォン)とは?仕組みや種類・メリットとデメリット

テレワークの需要が高まっている近年では、場所を選ばずに使えるIP電話に注目している企業も少なくありません。その中でも、SIP電話に興味を抱いている方もいるのではないでしょうか。SIP電話は、導入コストが抑えられたり設置場所を選ばなかったりといった特徴があります。

当記事では、SIP電話とはどのような電話か、またSIP電話の仕組みや種類、メリット・デメリットについて解説します。SIP電話の導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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1.SIP電話(SIPフォン)とは?

SIP電話(SIPフォン)とは?仕組みや種類・メリットとデメリット

SIP電話(SIPフォン)とは、インターネットのデータ通信を利用したIP電話の一種です。SIP電話の通信には、SIP(Session Initiation Protocol)と呼ばれる通信プロトコル(規格・約束事)を利用します。

1-1.SIPとVoIPの違い

SIP電話を含むIP電話には、VoIPの機能が利用されています。IP電話に関する用語としてSIPとともによく登場するのが、「VoIP」という言葉です。

VoIPは「Voice over Internet Protocol」の略称で、データ回線を利用して音声通信をするための技術を意味します。

一方、SIPはVoIPによる音声通信をサポートするためのプロトコルの1つです。SIPは通信を接続したり切断したりといったデータの流れを制御する機能によって、安定した通信を実現しています。SIP電話における発着信・終話・保留などは、SIPによって実現している機能です。

IP電話の利用には、電気信号をIPパケットに変換・復元する「VoIPゲートウェイ」という機器も必要になります。「VoIPゲートウェイ」について知りたい方は、下記記事もぜひご覧ください。

2.SIP電話の仕組み

SIP電話(SIPフォン)とは?仕組みや種類・メリットとデメリット

SIP電話は、SIPサーバー経由で通話者同士がお互いのIPアドレスを取得し合い、最終的には通話者同士を直接つなぎます。SIP電話の具体的な仕組みや、通話をつなげる手順は以下のとおりです。

まずは、電話をつなぐための下準備をします。SIP電話を起動すると電話番号やIPアドレスなどのデータがSIPサーバーに送られ、SIPサーバーに利用者情報が登録されます。

次に、電話をかけて受信者につないでもらいます。電話をかけると受信者の情報がSIPサーバーに送られ、受信者には通話の要求が入ります。
SIPサーバーは着信があると、通話要求に基づいてデータベースに登録された電話番号からIPアドレスを検索し、受信者に発信メッセージを送ります。受信者の電話からの応答メッセージがSIPサーバーを経由して発信者に送られると、お互いの電話がIPアドレスを取得できた状態になります。この状態になると、通話者同士の電話がお互いのIPアドレスに直接接続し合い、音声通話ができるようになります。

SIP電話では、SIPに対応したIP-PBXやクラウドPBXを利用できます。特に電話交換機の役割を果たすIP-PBXは、機能の拡張などが柔軟に行えるSIPサーバーと相性が良好です。

3.SIP電話の種類

SIP電話は、ハードウェアベースとソフトウェアベースの2種類に大別でき、両者にはそれぞれ特徴があります。ここでは、ハードウェアベースとソフトウェアベースのSIP電話の特徴を解説します。

3-1.ハードウェアベース

ハードウェアベースのSIP電話は、見た目や使い勝手が一般的な電話機と変わらない機器を使用する点が特徴です。通常の電話機から乗り換える場合でも使い方はほとんど同じなので、多くの人が抵抗なく移行できるでしょう。

SIP接続用のソフトウェアやLANポートといった、SIPの利用に必要な機能が備わっています。録音・再生機能や着信履歴の表示、ビデオ通話といった機能が搭載された機種もあります。

IPネットワークへの接続方法は、LANケーブルやWi-Fiです。インターネット回線が通っていれば電話線などの工事は必要ないものの、機器の設置工事が必要なケースもあります。

3-2.ソフトウェアベース

ソフトウェアベースのSIPフォンは、パソコン・タブレット・スマートフォン(スマホ)といったデバイスに専用のソフトウェアをインストールして利用します。

手持ちのデバイスで使用できるため専用の電話機を用意する必要がなく、初期費用をあまりかけずに導入できる点が魅力の1つです。デスクトップパソコンなどで通話する際は、ヘッドセットを使用するのが一般的です。

IP電話のソフトウェアベースの電話には、ソフトフォンと呼ばれるものがあります。

4.SIP電話のメリット

SIP電話(SIPフォン)とは?仕組みや種類・メリットとデメリット

SIP電話を導入するメリットは、次のとおりです。

コストを削減できる

SIP電話は、従来の電話機のように高額な端末が必要ありません。配線の数を減らすことで設置工事の工数も減らせるため、導入費用などのコストを削減できます。また、一般的な電話回線より通話料が安く、同じSIPサーバーにつながるSIPフォン同士の通話は内線電話となるため、通話料が無料になります。

どこでも設置できる

SIP電話は複数拠点をつなぐために専用の電話システムを使わず、インターネットに接続できればどこでも電話を使えるシステムです。場所を選ばずに設置できることから、事務所やオフィスを移転・増設させたい場合などにも手軽に電話を導入できます。

拡張性が高い

ソフトウェアベースのSIP電話は、専用の電話機を用意する必要がありません。ユーザーのデバイスの状態も把握できるほか、簡単にアカウント数を増やすこともでき、テレワークやサテライトオフィスでの運用にも活躍します。

また、SIP電話はインターネットや他のアプリケーションとの親和性が高く、電話そのものの機能を拡張しやすい点も特徴です。ビデオ通話やファイル共有といったさまざまな機能を、ニーズにあわせて導入することで利便性を高められます。

5.SIP電話のデメリット

SIP電話には多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。SIP電話のデメリットは次のとおりです。

SIP電話を使えない番号がある

SIP電話は、一部の番号で発信・通話ができません。たとえば、110番や119番などの緊急ダイヤルやフリーダイヤルは、一般的にSIP電話では使えません。緊急時にはスマホなど別の連絡手段を使ってデメリットを補う必要があります。

インターネット回線の影響を大きく受ける

インターネット回線の状況が不安定になると、音声が途切れたり雑音が入ったり、通話品質が低下するおそれがあります。回線に障害が発生すると一切通話ができなくなるケースもあります。

ただし、障害の原因が災害や停電などの場合は固定電話も使えなくなることがほとんどなので、他の通信手段と比べて大きく劣るわけではありません。複数の回線を契約するなど、インターネット環境をより強化するとデメリットを和らげられるでしょう。

固定電話の番号を引き継げないケースがある

従来の固定電話からSIP電話に切り替えると、それまで使っていた電話番号を引き継げないおそれがあります。電話を切り替える前に、それまでの電話番号が引き継げるかどうかを確認することが大切です。番号を引き継げない場合は、電話番号が変わる旨や新しい番号を取引先やお客さま先へ周知したり、公的機関へ変更の届けを出す準備をしておきましょう。

SIP電話は、従来の電話の代わりとして使えるわけではありません。メリットとデメリットを正しく把握した上で運用し、対策をとることでデメリットの影響を抑えることが大切です。

まとめ

SIP電話は、SIP(Session Initiation Protocol)という通信プロトコルを利用したIP電話の一種です。専用の電話システムが不要なため場所を選ばずに設置でき、電話の通話料や導入費用が削減できるといったメリットがあります。またSIP電話はクラウドPBXも利用できるため、インターネット環境さえあれば、簡単に電話をすることが可能です。

KDDI まとめてオフィスでは、クラウドPBXを利用した電話サービス「Cisco Webex Calling」を提供しています。固定電話の番号をスマホやPCから使えるため、オフィスの電話機から解放された、自由で柔軟な働き方を実現します。通信環境をより快適なものにしたいとご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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