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Starlink(スターリンク)の仕組みとは?メリット・デメリットや利用方法も解説

Starlink(スターリンク)の仕組みとは?メリット・デメリットや利用方法も解説

2024年02月08日掲載(2024年11月19日更新)
※ 記載された情報は、掲載日現在のものです。

Starlink(スターリンク)の仕組みとは?メリット・デメリットや利用方法も解説

Starlink(スターリンク)は、数千機の低軌道周回衛星によって提供されており、 従来の衛星通信サービスに比べて大幅に高速かつ低遅延のデータ通信を実現するサービスです。山間部や離島といった通信が不安定になりやすいエリアでも利用できることから、導入する企業は少なくありません。

Starlinkの導入にあたっては、メリット・デメリットはもちろん、仕組みについても理解しておくことが大切です。そこで今回は、Starlinkの仕組みと既存のネット回線や衛星通信との違いを解説した上で、Starlinkのメリット・デメリットを紹介します。さらに、法人向けにStarlinkの利用方法と導入事例も紹介するので、ぜひお役立てください。

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1.Starlink(スターリンク)とは

Starlink(スターリンク)の仕組みとは?メリット・デメリットや利用方法も解説

Starlinkとは、アメリカのカリフォルニア州ホーソンに本社を構える航空宇宙メーカー「スペースX」が展開・提供する画期的な衛星通信サービスです。すでに登場から5年程が経ちました。

以下ではStarlinkの仕組みや、既存のネット回線との違いなどを解説します。

1-1.Starlinkの仕組み

StarlinkはスペースXが運用する低軌道衛星を介して、エリア・環境に左右されない高速でのインターネット通信を可能にしています。

Starlinkの通信に利用する低軌道衛星とは、高度約550kmを飛ぶ非静止衛星のことです。多数の人工衛星群を連携させる「衛星コンステレーション」という技術により、世界中の多くの地域で衛星通信を提供できます。

なお、Starlinkの低軌道衛星は、2022年時点で3,000基以上が運用されています。最終的には数千基の投入が予定されていて、衛星コンステレーションにより地球全体をカバーする計画です。

Starlinkの低軌道衛星から発信された電波は、地上側に設置した専用のアンテナで受信して、インターネット通信ができる仕組みとなっています。

出典:日本経済新聞「スターリンクとは」/https://www.nikkei.com/topics/22101900

1-2.Starlinkと既存のネット回線や衛星通信の違い

インターネット通信には、固定のネット回線や衛星通信を用いたサービスがあります。

固定のネット回線は、物理的な接続ケーブルをオフィスに引き込んだり、基地局からモバイル端末に電波を送信したりすることで、インターネット通信を提供しています。固定のネット回線は通信の遅延が少なく、安定してデータ通信ができる点が特徴です。

しかし、固定のネット回線を利用するには通信回線の敷設や電波塔の設置などが必要であり、山間部や海上などの条件では通信が難しいという課題があります。

また、既存の一般的な衛星通信は、高度約3万6,000kmを飛んでいる静止衛星を利用して通信を行っています。既存の衛星通信には環境を問わず通信できる利点があるものの、衛星との距離が離れているため、通信速度の低下や遅延が問題点となっていました。

Starlinkは、既存のネット回線と衛星通信が抱えていた課題をいずれも解決できる通信方法です。
Starlinkは高度約550kmの低軌道を飛ぶ人工衛星を使って通信しており、速度は低遅延かつ高速です。さらに、回線の敷設が不要で、アンテナを設置するだけでインターネット通信を利用できます。

2.Starlinkのメリット・デメリット

Starlink(スターリンク)の仕組みとは?メリット・デメリットや利用方法も解説

Starlinkはさまざまなメリットがある一方で、人によってはデメリットと感じられる部分もあるでしょう。

ここでは、Starlinkの代表的な4つのメリットと、1つのデメリットを紹介します。

2-1.【メリット】ネット環境がないエリアでも使える

Starlinkは衛星通信によりインターネット接続ができるため、ネット環境がないエリアでも使えます。Starlinkの対応エリアは日本のほぼ全域であり、離島のような従来のインターネットサービスが使えない場所でもインターネットを利用できます。

Starlinkの導入により、山間部の事業所でもインターネットを安定して利用できるほか、災害時のバックアップ回線としてBCP(事業継続計画)にも活用できます。通信途絶が起こりにくいため、企業のインターネット業務をより効率化でき、万が一のときの事業継続性も高められるでしょう。

2-2.【メリット】工事不要で始められる

Starlinkはアンテナを設置するだけで利用できるインターネットサービスであり、工事不要で始められます。

光回線などの一般的なネット回線を利用開始する際は、オフィスに光ファイバーケーブルを引き込む回線工事をします。回線工事には専門の資格が必要であるため、独力でインターネットの開通はできません。

対して、Starlinkはアンテナを設置するだけであるため、基本的に工事は不要です。アンテナキットが届いた後は、自分でアンテナを設置してすぐにインターネットを利用できます。

ただし、アンテナを屋根に固定する場合は、アンテナの固定および電源確保のためにアンテナ設置工事が必要になるケースもあります。

2-3.【メリット】回線速度が速い

Starlinkは回線速度が速い点もメリットです。

Starlinkの公称の回線速度は、日本全域で下り速度150Mbps、上り速度25Mbps以上となっています。一般的なポケットWiFiや携帯電話の回線と比べて高速です。

出典:Starlink「Availability Map」/https://www.starlink.com/map?view=download

下り速度・上り速度がともに200Mbpsを超えることが一般的な光回線サービスと比べると、Starlinkの回線速度はやや遅くなっています。

しかし、エリア・環境に左右されないネット環境である点を考慮すると、高速通信と呼べる水準を満たしていると言ってよいでしょう。非常時にも回線速度は十分な速さを保てるため、安定した通信インフラとして役立てられます。

2-4.【メリット】事前に公式アプリを使って電波がつながる場所か確認ができる

Starlinkがつながるかどうか事前に公式アプリを使って設置場所の衛星通信状況を確認できるのもメリットの1つです。

Starlinkを利用するには肝心の衛星通信が届く場所であることが重要です。
iOS・Android向けに配信されているStarlinkの公式アプリを使えば、設置場所の衛星通信状況をその場でチェックが可能です。

アプリを起動して諸設定を済ませるだけで簡単に確認することができます。
購入前の稟申時のエビデンスとしても活用できます。

2-5.【デメリット】空が開けた場所以外では通信が遅くなる

Starlinkは、人工衛星との通信に専用のアンテナを使用します。そのため、空が開けた場所以外にアンテナを設置すると通信が遅くなる点がデメリットです。

Starlinkの通信を速く・安定させるためには、アンテナを設置する場所の周囲に電波を妨げる障害物がないことが重要です。

ビジネス用にStarlinkのアンテナを設置する場合、最も適した設置場所はオフィスビルの屋上です。ベランダなども一見すると空が開けているものの、Starlinkのアンテナには角度の自動調整機能があるため、窓・外壁やフェンスが周囲にある場所は最適とはいえません。

3.【法人向け】Starlinkの利用方法と導入事例

Starlink(スターリンク)の仕組みとは?メリット・デメリットや利用方法も解説

Starlinkを法人で利用する場合は、「KDDI Starlink Business」をおすすめします。

KDDI Starlink Businessとは、KDDIが日本国内の法人向けに提供する、Starlinkを利用したインターネット通信サービスです。基本的なインターネット通信はもちろん、利用目的を満たせる各種商材と組み合わせた提案にも対応しています。

KDDI Starlink Businessの導入を検討したい方は、下記のページからぜひお気軽にご相談ください。

2024年6月時点でのStarlinkの月額料金は、下記のとおりです。

プラン名 ビジネス固定プラン ビジネス移設プラン
月額料金 9,800円~ 37,000円~

ビジネス固定プランはオフィスでStarlinkを利用したい方向け、ビジネス移設プランは業務の都合に合わせてStarlinkのアンテナを移設したい方向けのサービスです。

関連料金情報 Starlink Businessの料金

最後に、実際に「KDDI Starlink Business」を導入いただいた企業様の導入事例を2つ紹介します。

事例1 野外イベントでのインターネット通信を提供

キッセイコムテック株式会社様は、音楽フェスなどの野外イベントで利用できるインターネット通信手段としてKDDI Starlink Businessを導入しました。野外イベントの物販における電子決済や、ツールを利用したスタッフ間の情報共有などに活用されています。

事例2 衛星通信で遠隔臨場ができる環境を実現

宮田建設株式会社様は、工事発注者の遠隔臨場に対応できる通信手段としてKDDI Starlink Businessを導入しました。サービス導入により、遠隔臨場ができる環境を実現できただけではなく、工事現場における通信手段の確保にも役立っています。

2社の導入事例をより詳しく知りたい方は、下記のページをご一読ください。

まとめ

Starlinkとは、スペースXによる衛星通信サービスのことで、低軌道衛星を活用し、ネット未接続の地域や災害時にも利用できる点がメリットです。一方で、空が開けた場所以外では通信が遅くなる可能性があり、アンテナの設置場所に注意が必要であるというデメリットもありますので注意しましょう。

KDDI まとめてオフィスでは、Starlink Businessを取り扱っています。有事の際の事業継続の手段として、または僻地の事業所や移動先での安定したインターネット利用の手段として、利便性高く活用できる点が魅力です。また個人用のStarlink Businessを導入するのと違い、設置方法など事前の相談や、アフターサポートなどを受けられる点も魅力といえるでしょう。法人利用で導入を検討している方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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