オフィスに取り入れたいリフレッシュスペース｜導入のメリットも解説

オフィスのリフレッシュスペースは単なる休憩室ではなく、従業員がオンとオフを切り替え、心身をリフレッシュできる空間です。リフレッシュスペースをオフィスに取り入れることで、社員の創造性や生産性によい影響を与え、部署を縦断したコミュニケーションも生まれやすくなると言われています。

この記事ではオフィスのリフレッシュスペースの必要性や導入のメリット、導入するにあたっての注意点を解説します。社員にとってより働きやすいオフィスを作りたいと考えている方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

1.オフィスのリフレッシュスペースとは?

オフィスのリフレッシュスペース（リフレッシュルーム）とは、従業員が休憩するために設けられたスペースのことです。従業員の心身のリフレッシュを目的とした空間であり、忙しい仕事の合間に従業員が一息つけるようにと、導入する企業が増えています。

オフィスに休憩所を設けている企業は少なくありませんが、リフレッシュスペースは、従来の単なる休憩所とはコンセプトが大きく異なるものです。休憩所は仕事から離れて休憩時間を過ごす場所であるのに対し、リフレッシュスペースは心身を休めることに重きを置いています。デザインやレイアウトを工夫し、グリーンを導入するなどして、よりリラックスできる空間を作り上げている企業も多い傾向です。

1-1.オフィスにリフレッシュスペースは必要?

リフレッシュスペースは、クリエイティブオフィスを実現するための方法の1つとして注目されています。

クリエイティブオフィスとは、従業員が創造性を発揮しながら働けるように環境を整えたオフィスのことです。従業員一人ひとりが創造性を発揮できるオフィスでは、企業全体の生産性・創造性を向上でき、また、従業員のモチベーションや作業効率アップも図れます。

クリエイティブオフィスを実現するために重要な要素の1つとして、空間設計の工夫が挙げられます。リフレッシュスペースを設置すれば、心身の休息だけではなく部署を超えたコミュニケーションを取ることも可能になり、従業員の知的創造行動を促せるのが大きな魅力です。

2.オフィスにリフレッシュスペースを設けるメリット

オフィスにリフレッシュスペースを導入することで、従業員だけではなく企業全体としてもさまざまなメリットが得られます。メリットのうち、代表的なもの4つについて詳しく解説します。

2‐1.社内のコミュニケーションが増える

リフレッシュスペースには部署によらずさまざまな従業員が集まるため、社内のコミュニケーションの活性化が期待できます。

社内のコミュニケーション不足は、多くの企業が自社の課題として挙げる重要な問題です。企業の仕事は複数の従業員が連携して進めることがほとんどですが、コミュニケーションが不足している職場では仕事が円滑に進みにくくなります。社内のコミュニケーションが不足していれば従業員同士の信頼関係を構築できず、モチベーションの低下も招きかねません。

リフレッシュスペースは心身ともにリラックスできるよう整備されているので、従業員同士が気軽に親睦を深めやすいのが魅力です。部署を縦断したコミュニケーションによって、個々の部署だけでは生まれなかった新たなアイデアが生まれ、新商品や新サービス開発につながることもあるでしょう。

2‐2.ブランディングにつながる

社内にリフレッシュスペースを設けると、従業員を大切にする企業であることを社内外にアピールでき、オフィスブランディングに直結します。オフィスブランディングとは、従業員にとって働きやすい職場環境を実現しつつ、企業のブランディングを確立することです。

リフレッシュスペースを設置し、社外に向け発信することで、「社員を大切にする会社だ」「働きやすそうな会社だ」というように、企業イメージの向上に寄与します。最近ではオフィス環境を重視する就職希望者も増えているため、優秀な人材を採用する際の頼れる武器となるでしょう。

2‐3.生産性の向上が期待できる

リフレッシュスペースを設置すれば、適度な休息により従業員の集中力がアップし、生産性の向上にもつながります。

効率よく仕事に集中するためには、適度に休憩を挟み、オン・オフをしっかりと切り替えることが必要です。例えば、事務作業では1時間おきに15分程度の休憩を取るのが望ましいと言われています。

普段仕事をしているデスクで休憩するのではなく、仕事をする場所と休息する場所を別にすことで、よりオン・オフを切り替えやすくなり、生産性を高められるでしょう。また、軽い運動ができるリフレッシュスペースなら、休息時間に体をほぐすことも可能で、従業員の健康増進にもつながる点も メリットです。

2‐4.社員の満足度・定着率が上がる

1日の内、多くの時間を社内で過ごす従業員も少なくないため、社員エンゲージメントを高めるためには、オフィス空間を見直すことが重要です。リフレッシュスペースをはじめ、より快適なオフィス環境が整えられていると、従業員は「会社が自分たちのことを考えてくれている」と実感しやすくなります。

結果として従業員の満足度が上がり、人材の定着、帰属意識の醸成につながる点が大きなメリットです。さらに、会社や組織への貢献意識も芽生え、従業員一人ひとりが能動的に有益な行動を取るようになります。これにより、会社全体の生産性向上も期待できるでしょう。

3.オフィスにリフレッシュスペースを設けるときの注意点

従業員が休憩時間にしっかりリフレッシュできるか否かは、仕事の成果に大きな影響を与えます。そのため、オフィスにリフレッシュスペースを設けることが望ましいものの、闇雲に設置するだけでは望ましい効果を得られない点に注意が必要です。せっかくコストをかけて設置しても、従業員にとって使いにくい空間であれば活用されずスペースが無駄になり、会社にとっての損失にもつながりかねません。

オフィスにリフレッシュスペースを設けるときの注意点を3つ紹介するので、導入を検討する際の参考にしてください。

3‐1.目的・用途を明確にする

リフレッシュスペースは、目的や用途によって必要なオフィス家具やレイアウトが異なります。例えば、従業員同士のコミュニケーションを重視する場合、カフェ風のリフレッシュスペースを目指すのが有効です。カフェ風のリフレッシュスペースを設置するためには、北欧風・アンティーク風のおしゃれな家具か、木製のナチュラルな家具を揃えるとよいでしょう。

仮眠できるリラックス空間を目指す場合は、ブランケットや寝転がれる大きなクッション、マッサージチェアなどを設置するのがおすすめです。漫画・雑誌などを充実させて誰でも読めるようにしたり、トレーニング機器や卓球台などを置いたりすれば、気分転換ができるフリースペースも作れます。

リフレッシュの方法は人それぞれのため、まずは目的・用途を明確にし、どのようにアプローチするかを考えるとよいでしょう。

3‐2.設置する場所を検討する

リフレッシュスペースのメリットを最大限に活かすためには、設置する場所を慎重に検討する必要があります。最も大切なのは、リフレッシュスペースを従業員が通りやすい場所に設置することです。従業員が出入りしにくい場所や、行くだけで時間がかかる場所に設置すると、利用されない確率が上がってしまいます。リフレッシュスペースは、執務室の中心または出入り口付近などに設けるのが理想的です。

3‐3.ワークスペースとはデザインを変える

従業員の十分な気分転換のためには、リフレッシュスペースのデザインを普段仕事をするスペースとは大きく変える必要があります。例えば、リフレッシュスペースをリラックスできる空間にする場合は木目調や落ち着いた色合いで統一するなど、目的・用途に合ったデザインにするのが大切です。また、観葉植物など緑を取り入れると、ストレスの軽減や緊張の緩和などの効果が得られます。

ポイントは、ワークスペースとリフレッシュスペースの印象をがらりと変え、一時的に仕事から解放された気分になれる空間を作ることです。デザインの違いが顕著なほど、リフレッシュスペースの特別感が増し、利用者の増加にも期待できます。

まとめ

オフィスにリフレッシュスペースを設置すれば、社員同士のコミュニケーションの場ができるだけでなく、適度な休息によって生産性もアップします。従業員の満足度向上・離職率低下も期待でき、ひいては福利厚生を重視する働きやすい会社であるというブランディング強化にもつながるでしょう。

ただし、従業員にとって使いやすい空間でなければ、リフレッシュスペースを設置しても活用は難しくなります。事前にリフレッシュスペースの目的や用途を明確にした上で、利用しやすい場所に設置してください。ワークスペースとはデザインを変え、しっかりとオン・オフの切り替えができる環境づくりを意識しましょう。

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