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フリーアドレスは失敗しやすい?原因やうまく導入するポイントを解説

フリーアドレスは失敗しやすい?原因やうまく導入するポイントを解説

2024年02月29日掲載
※ 記載された情報は、掲載日現在のものです。
フリーアドレスは失敗しやすい?原因やうまく導入するポイントを解説

フリーアドレスは、固定席を持たずにオフィスの席を自由に使って業務を行うオフィススタイルの1つです。フリーアドレスを導入すると社内での交流が活発化するほか、オフィススペースを有効活用できるメリットがあります。しかし、導入したにもかかわらず定着せず廃止に至る失敗例もあるため、問題点を分析して対策することが重要です。

当記事では、フリーアドレスが失敗する原因と成功のポイントを紹介します。フリーアドレスの導入を検討している方は、ぜひご覧ください。

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1. フリーアドレスが失敗する原因

「フリーアドレス」固定席を持たずにオフィス内の席を自由に選んで働くワークスタイル

フリーアドレスとは、固定席を持たずにオフィス内の空いている席を自由に選んで働くワークスタイルです。社内コミュニケーションの活性化や業務効率化、スペース活用といったメリットが期待されます。デジタル化やテレワークの普及でオフィスのあり方も変化しており、フリーアドレスはその一環として注目されているスタイルです。

しかし、フリーアドレスは常に成功するわけではありません。導入したものの定着せず廃止に至る失敗例も多いため、問題点を理解し対策することが、フリーアドレスを成功させる鍵といえます。まずは、フリーアドレスがうまく導入できない失敗原因を5つ解説します。

1-1. 導入の目的が曖昧になっている

フリーアドレスを導入する際は、明確な目的が必要です。目的が曖昧な場合、社員が導入の意図を理解できず、期待する効果が得られないケースがあります。「コミュニケーションの活性化」や「生産性の向上」など、具体的な目的の設定が重要です。

また、レイアウトや働き方の変更に関しても、目的に基づいて計画しなければなりません。目的が曖昧なまま導入に踏み出すと失敗の可能性が高まります。事前に目的や解決したい課題を明確化し、フリーアドレスの導入理由や目的・メリットなどを社員に伝えることが大切です。

1-2. 新人への指導が難しい

新人指導の難しさもフリーアドレスが失敗する原因の1つです。上司や先輩が近くにいる固定席では、日常的な情報共有や指導が容易に行えます。しかし、フリーアドレスでは誰がどこにいるか把握しにくく、適切な指導やサポートのタイミングを逃すケースがあります。

このため、新人や異動者が十分な支援を受けられず、社員がなかなか成長できないといった影響を及ぼす恐れがあります。フリーアドレスの導入に当たっては、新人は先輩とペア席にしたり新人用の固定席を作ったりするなどの工夫が必要です。

1-3. フリーアドレスを導入できる環境が整っていない

フリーアドレスの運用に適切な環境が整っていないと、思ったような効果は得にくいです。重要なのは、ペーパーレス化やモバイル端末の活用で、どの席からでも業務がスムーズに行えるようにすることです。書類やデータがデジタル化されていなければ必要な資料を常に持ち歩く必要があり、紛失したり置き忘れたりするリスクがあります。

また、モバイル環境や電源確保が不十分だと作業効率が低下します。個人の荷物が邪魔にならないよう、パーソナルロッカーや収納庫も十分に用意したほうがよいでしょう。単に席を固定しないだけではなく、周囲の環境整備がフリーアドレス成功の鍵です。

1-4. 運用のルールがない

フリーアドレスが失敗する一因として、運用ルールの不足があります。適切なルールがないと、席の固定化やコミュニケーション不足に陥りがちです。効果的なフリーアドレス運用のためには、以下のルールが重要です。

フリーアドレスの運用に効果的なルール
  • 電子ファイルの共有化およびペーパーレス化の推進
  • 席の固定防止、席移動を促すルールの設定
  • グループアドレスの導入やチームごとの座席配置を検討
  • 郵便物や電話の取次方法の明確化
  • 職種や業務にあったレイアウト・デザインの設計
  • 会話やWeb会議、飲食のルール設定
  • 収納スペースの確保とルール設定
  • 整理整頓や清掃の習慣化

以上のルールを事前に設定して社員に周知しておくと、フリーアドレスの運用がスムーズになりメリットを最大限に活用できるでしょう。

1-5. フリーアドレスに向かない部署にも導入している

フリーアドレス導入は適切なルールがないと効果的な運用が困難

フリーアドレス導入の判断は、業務内容や部署の特性を考慮しなければなりません。適さない組織(企業・部署)に無理に導入すると、かえって生産性が低下する可能性があります。フリーアドレスに向いている組織、向いていない組織の特徴は以下のとおりです。

【向いている組織】
  • 在席率が低い
  • 業務の多くがデジタル化できる
  • リモートワークや柔軟な働き方ができる
  • 部門間連携が必要な業務がある
【向いていない組織】
  • 紙ベースの作業が多い
  • 個人情報や機密情報を扱う
  • 社外秘の情報やデータを扱う
  • 全体の人数が少ない

2. フリーアドレスを成功させるには?

成功の秘訣 事前の準備や適切なツールの導入 継続的な評価

フリーアドレスを失敗で終わらせないためには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。大切なのは、事前の準備や適切なツールの導入と、継続的な評価です。

ここでは、フリーアドレスをうまく機能させる5つの方法を紹介します。

2-1. 事前準備をしっかりと行う

フリーアドレスの成功には、以下の事前準備が重要です。

フリーアドレスの導入で重要な事前準備
  • 導入目的を全社員と共有する
  • 在席率を把握し、オフィスに設置すべきデスク数や座席数を算出する
  • フリーアドレスの目的にあわせて、適切なオフィスレイアウトに整える
  • ペーパーレス化を進め、紙の書類はデジタル化する

在席率の算出方法は、以下のとおりです。

在席率の算出方法
1 「在席」「一時的に離席」「退席」の3項目を設定する
2 すべての曜日・時間で在席状況を計測する
3 「在席」「一時的に離席」「退席」の最小・平均・最大値を出す

これらの準備をしっかりと行えば、フリーアドレスの導入をスムーズかつ効果的に進められるでしょう。

2-2. ABWの導入も検討する

フリーアドレスの成功には、ABW(Activity Based Working)の導入も検討するとよいでしょう。フリーアドレスがオフィス内の席が自由なワークスタイルであるのに対し、ABWは仕事の内容や性質にあわせて、適した場所を自ら選んで働けるスタイルです。

ABWでは、個室やオープン席・外部のコワーキングスペースなど、さまざまな場所での仕事を可能とします。フリーアドレスと同様に業務を効率化できるほか、「ワークライフバランスを実現しやすい」「アイデアが生まれやすい環境をつくれる」などABWならではのメリットもあります。

2-3. コミュニケーションツールを導入する

フリーアドレスでは、同じ部署のメンバーが常に近くにいるとは限りません。部署内の情報共有の不足やコミュニケーション不足といった問題を解決するには、ビジネスチャットツールを導入するとよいでしょう。チャットツールを使えば、場所を問わず気軽な情報共有が可能です。

また、チャットツールであれば、社内だけでなく社外にいる社員とも効果的に連絡が取れるようになります。Web上で書類を管理できるファイル共有ツールや、互いのタスクを把握できるタスク管理ツールの導入も検討するとよいでしょう。

2-4. 座席管理ツールを導入する

フリーアドレスには、「誰がどこにいるか分からない」「どこが空席か分かりにくい」といったデメリットがあります。座席管理ツールや座席予約ツールを導入すれば、社内の座席使用状況が可視化され、座席の管理や確保が容易になります。また、社員の居場所が一目で分かるようになるため、用事のある相手を探す時間を削減できるでしょう。

出社率や座席の利用履歴から適切な席数を把握したり、座席の固定化を防止したりすることも可能です。座席管理システムは座席管理に優れた「特化型」と座席管理以外の機能も持つ「多機能型」があり、企業の規模や目的にあわせて適切なタイプを選ぶことが大切です。

2-5. 問題が発生していないか定期的に確認する

フリーアドレスを成功させるためには、導入後も問題が発生していないか定期的な確認が必要です。「運用ルールが守られているか」「座席が固定化されていないか」「座席利用率に明らかな偏りはないか」などをチェックし、必要に応じて見直しを行います。

フリーアドレスの導入後に問題が発生した場合は、レイアウトを再検討しなければなりません。社員の意見をサーベイなどを通じて収集し、適宜改善策を検討しましょう。定期的な確認と改善によって、フリーアドレスをよりスムーズかつ効果的に運用することができます。

まとめ

フリーアドレスとは、固定席を持たずにオフィス内の空いている席を自由に使って働くワークスタイルです。フリーアドレスには社内コミュニケーションの活性化や業務効率化などのメリットもありますが、導入後に定着せず廃止に至る失敗例も多くあります。

フリーアドレスが失敗する主な原因は、「導入の目的が曖昧になっている」「導入できる環境が整っていない」「適切な運用ルールがない」などが挙げられます。フリーアドレスを成功に導くには、導入目的を全社員と共有し、目的にあわせて適切なオフィスレイアウトにすることが大切です。

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