近年では、働く時間や場所を自由に選択できるなどのワークスタイルの変化から、フリーアドレスを導入して社員の固定席を作らない会社も多くあります。他部署の人との交流が生まれたり席を選ぶことで自身の集中できる環境で働けたりなど、フリーアドレスにはさまざまなメリットが存在します。しかし、フリーアドレスに苦痛を抱えてしまう人も珍しくありません。
以下では、フリーアドレスの導入で生まれる苦痛を感じるパターンと、ストレスのないフリーアドレスの導入方法を解説します。
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1. フリーアドレスによって感じる苦痛とは?
フリーアドレスとは、オフィスの中で社員の固定席を用意せず、それぞれ自分自身で席を選択して業務を行うワークスタイルのことです。コスト削減や従業員の生産性向上、スペースの有効活用など、フリーアドレスにはさまざまな導入メリットがあります。
一方で、社員の中にはフリーアドレスを苦痛に感じる人が一定数存在するでしょう。以下では、フリーアドレスにおいて社員が苦痛に感じやすい点を解説します。
1-1. 毎回自分の席を選ぶ必要がある
フリーアドレスでは、出社するたびに自分が座る席を選ぶ必要があります。毎回選ぶとなると、社員は席選びを面倒だと感じる可能性があります。席選びが面倒でいつも同じ席に座るようになれば、フリーアドレスの導入効果が薄れるでしょう。
席選びが面倒なことによる導入の失敗を防ぐためには、席選びをストレスなくできるようにするための工夫が必要です。具体例としては、席をくじ引きなどで決めるのがよいでしょう。くじ引きでランダムに決定すれば、毎回同じ席に座ることはありません。さらに、自分で席を選ぶストレスも改善されます。
1-2. 荷物の移動が大変に感じる
固定席の場合、机上や引き出しの中に荷物を置いたまま帰宅できます。しかし、フリーアドレスではデスクに収納場所がなく、荷物を置いておくことができません。そのため、席を離れるたびに私物や文具を持ち運ぶ必要があります。毎回荷物を手で持って運ぶのは手間がかかり、面倒に感じる社員も少なくないでしょう。
荷物に関するストレスの解消方法として挙げられるのは、収納スペースを設けることです。デスクから離れた場所に、私物や文具を収納できる場所を用意しましょう。加えて、個人で社内用の持ち運びバッグなどを用意するのも1つの策です。肩にかけて持ち歩けるバッグは、手が塞がらず自由に動けるためおすすめです。
1-3. 誰がどこにいるか分かりにくい
フリーアドレスだと毎回社員の場所が変わるため、社員の位置を把握するのが大変に感じるケースもあります。特に電話の取り次ぎを行う際は、すぐに特定の社員を探し出せずストレスを感じるシーンが増えやすくなります。
社員の位置が分からず困るのを防ぐためには、居場所を確認する方法を社内で決めておきましょう。確認の仕方としては、以下のようなものが挙げられます。
- 社員のスマートフォンの位置情報をチェックできる端末を利用する
- 社員それぞれが座る場所をホワイトボードやExcelなどに書いておく
- 座席管理システムを導入する
1-4. チームでのコミュニケーションがしにくい
フリーアドレスには、他の部署など社内全体のコミュニケーションが増えるという強みがあります。一方で、固定席だったときはスムーズにできていた、チーム間などにおけるコミュニケーションはしにくくなるというリスクも存在します。
定期的なチームミーティングを実施したり、チャット・Web会議といった対面ではないコミュニケーションの方法を採用したりすることが大切です。
1-5. 作業に集中できない
フリーアドレスのオフィスは会話が響きやすく、人によっては作業に集中しにくいと感じる可能性があります。集中を持続させるためには、集中できるスペースを確保しましょう。集中して作業を行う人専用のブースなどを設置すると、メリハリを付けて作業ができる環境をつくれるでしょう。
2. ストレスなくフリーアドレスを導入するには?
フリーアドレスによって感じる苦痛は、集中スペースを作ったり、システムを活用したりすると解決につながりやすくなります。以下からは、社員にとってのストレスを抑えつつフリーアドレスを導入するために必要なスペースや制度について紹介します。
2-1. 集中スペースを設ける
社員の中には、「周りの目が気になる」「他の社員がいると落ち着かない」といった理由で、オープンな場所での業務にストレスを感じる人もいます。そうした社員が心理的負担を感じず集中する上で、集中スペースは大きな役割を果たします。
集中スペースを用意する際は、普段業務を行っている場所から離れたところに設置したり、周囲をパーテーションなどで囲ったりしましょう。こうするとオープンな場所との距離感が生まれ、業務に集中しやすくなります。
2-2. 収納スペースを設ける
私物や文房具、カバンなど、会社で必要不可欠となるアイテムについては収納場所を考える必要があります。収納スペースの1つとして、個人ロッカーの用意を推奨します。出社時にロッカーから取り出し、外出や退社の際にロッカーにしまえば、オフィスの外まで持っていく手間が削減されます。ロッカーを設置する際は、施錠機能をつけてセキュリティを強化しましょう。
また、荷物の置き場所を考えるだけでなく、そもそも荷物を減らすという工夫も大切です。私物を減らすために文房具を共用にしたり、ペーパーレス化を進めたりすることで、設けるべき収納スペースを削減することが可能です。
2-3. 座席管理ツールを導入する
座席管理システムとは、フリーアドレスにおいて座る席を予約したり、どの社員がどの席に座っているかを確認したりすることができるシステムです。座席管理システムを導入することで、空席を探す手間や、用のある社員を探す手間が削減されるでしょう。
席を管理するだけでなく、会議室を予約したり、出勤状況をチェックしたりする機能が搭載されているものもあります。自社の運用に合う座席管理システムを導入しましょう。
2-4. フリーアドレスの運用ルールを決める
フリーアドレスを導入する際は、「同じ席に座りすぎない」「他の社員の作業を妨げない」といったルールを設けましょう。運用ルールを決定しておくと、フリーアドレスによるストレスやトラブルの発生を防ぎやすくなります。特に決定すべきルールは、以下に関するものです。
シーン | 決定すべきルールの例 |
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Web会議 |
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飲食 |
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席選び |
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電話の取り次ぎ |
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2-5. グループアドレス制を検討する
グループアドレスとは、部署ごとに席を自由に選べるようにするフリーアドレスのグループ版です。個人単位で席を決めるフリーアドレスとは異なり、チーム・部署単位でまとまった席になります。そのため、チーム間でのコミュニケーションの減少が防げます。
グループアドレスであれば、チームメンバーの進捗をチェックしたり、困っているメンバーがいないか確認したりするのも容易です。チームでの交流を減らさず、フリーアドレスの強みを享受できる、いいとこ取りのシステムだと言えるでしょう。ただし、グループアドレスには注意点もいくつかあります。詳細が気になる方は、ぜひ下記記事も併せてご覧ください。
まとめ
フリーアドレスとは、オフィス内で社員の席を固定せず、自由に席を選んで働けるワークスタイルです。さまざまなメリットがありますが、フリーアドレス環境の社内で働く人の中には集中ができなかったり荷物の移動を負担に感じたり、席選びが面倒に感じたりする人も少なくありません。
フリーアドレスを導入する場合は社内に集中できるスペースを設け、ロッカーを設置して私物などを収納できるようにするのがおすすめです。個人ではなくグループアドレス制を設けると、チーム・部署間でのコミュニケーションの減少が防げます。
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