オフィスの移転にかかる4種類の費用と相場|費用を抑える方法も解説
オフィスの移転には退去費用、入居・構築費用、引っ越し費用、その他諸経費と、主に4種類の費用が発生します。
移転費用の相場は、オフィスの規模や立地によって異なり、数百万円は超えるケースも少なくありません。オフィスの移転は、企業にとって大きな決断であり、費用面だけでなく、業務への影響や社員の満足度なども総合的に考慮しつつ、慎重に計画を進めることが求められます。
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1.オフィスの移転にかかる4種類の費用と相場
オフィスの移転にかかる費用は、引っ越し作業の費用だけではありません。新しいオフィスのレイアウト設計、必要なオフィス家具や機器の購入、インフラの設置、リフォームや内装工事などの費用も含まれます。
そのため、規模が大きい会社ほど、費用が高額になる傾向があります。以下で主なオフィス移転費用とその相場について詳しく解説します。
1-1.現オフィスの退去にかかる費用
オフィスを退去する際は、現在のオフィスを元の状態に戻すための「原状回復工事費」と不要になった什器やOA機器、書類などの「廃棄物処分費」が発生します。
原状回復工事は、入居時に行った内装工事の撤去や、パーティションの解体、床や壁の補修、クリーニングなどがあり、オフィスの規模によって費用は変動します。
【原状回復工事】
坪数 | 費用 |
---|---|
50坪未満 | 約3万〜5万円 / 坪 |
50坪以上 | 約10万〜20万円 / 坪 |
廃棄物の処分についても、不要物の量に応じて費用が増減します。
廃棄物処分 | 費用 |
---|---|
2トン車 | 約7万〜9万円 |
4トン車 | 約10万〜15万円 |
オフィス移転専門の業者に依頼することで、安全かつ効率的に進めることができます。また退去通知期間にも注意が必要です。通常は6カ月前に通知する必要があり、原状回復期間も契約期間に含まれます。その点も踏まえて、早めに連絡するように計画しましょう。
1-2.新オフィスの入居・構築にかかる費用
オフィスに入居するためには、敷金(保証金)や礼金が発生します。オフィスの規模や物件によって異なりますが、一般的に敷金は賃料の4〜12カ月分、礼金は1〜3カ月分の賃料が相場です。さらに、仲介手数料や火災保険料、保証会社への費用なども必要となります。
オフィスの内装工事費は、オフィスのデザインや機能性によって異なり、1坪あたり10万円〜30万円程度が目安と言えます。内装工事の内容は、フロアのレイアウト変更、パーティションの設置、床や壁の仕上げなどです。さらに、ネットワークやその他のインフラ整備には、1坪あたり5万円〜15万円の工事費が必要となる場合が多く、セキュリティやサーバー設置の要件によってはさらに高額となる可能性があります。
また、オフィス家具などの什器購入費は、オフィスの規模やスタッフ数、プロジェクター完備の部屋といった特別な設備を持つ部屋の要件などに応じて、1人あたり10万円〜30万円程度かかる場合があります。
1-3.引っ越しにかかる費用
オフィスの移転に伴う引っ越し費用は、従業員1人あたり2万円〜5万円程度が相場とされています。2階以上からの引っ越しや、荷物用エレベーターがない場合の作業は通常よりも工数がかかるため、料金が上昇する要因です。
具体的な引っ越し費用は、移転するオフィスの立地や作業条件によって異なるので、複数の業者に問い合わせ、相見積もりをすることが大切です。
1-4.その他の諸費用
本店所在地を変更する際には、法務局へ本店移転登記の申請が必要です。その際、登録免許税が発生します。他にも、以下のような手続きが必要です。
税務署 |
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年金事務所 |
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労働基準監督署 |
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公共事業安定所(ハローワーク) |
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上記以外にも、都道府県税事務所や市区町村役場、金融機関、郵便局などへの手続きも必要となります。
また、移転により名刺やパンフレット、会社案内といった印刷物の更新が必要となるため、制作物関連の費用も考えておく必要があるでしょう。新オフィスでのIDカードやセキュリティカードの発行にも1人あたり数千円程度の費用がかかります。
2.オフィス移転の費用を抑える方法
オフィスを移転する際に費用を抑える1つの手段として、シェアオフィスを活用することが挙げられます。それ以外にも、オフィス移転の費用を抑える主な方法として、4つの案を紹介します。
2-1.家具や備品を再利用する
既存のオフィス家具や備品を新オフィスでも利用することで、新規購入にかかる出費を減らすことができます。例えば、社内の人だけが使用する倉庫や更衣室などは、現状の備品をそのまま使いつつ、来客があるエリアのみ新規に購入するなど、備品を使い分けることでコスト削減につながるでしょう。さらに、オフィス家具を導入する際にサブスクリプションサービスを活用することで、イニシャルコストを下げることも可能です。
また、不要になった家具はリサイクル業者に相談するようにしましょう。費用を抑えるだけでなく、環境にも配慮することができます。
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2-2.居抜き物件を利用する
「居抜き物件」とは、前の入居者が使用していた内装や設備、備品がそのまま残されている物件を指します。既存の内装や設備などを活用することで、初期投資の削減が可能です。
また、必要な設備や家具が備え付けられている「セットアップオフィス」も同様の利点があり、移転後すぐに業務を開始できる点が魅力です。
しかし、既存のレイアウトや設備が自社の要件にあわない場合、改修工事が必要となることもあります。居ぬき物件やセットアップオフィスの利用を検討する際は、既存の設備が自社に適しているかを慎重に見極めましょう。
2-3.オフィス移転の専門業者を利用する
オフィス移転の専門業者は、内装工事から引っ越し作業、不用品の廃棄までトータルで対応が可能です。プロジェクト全体の工程管理や各種調整を一手に引き受けてくれます。
サービス内容や見積もり金額は業者によって異なるため、複数の業者から相見積もりを取って比較することが大切です。
KDDI まとめてオフィスではオフィス移転のサポートを行なっていますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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2-4.オフィスのオーナーにフリーレントの交渉をする
「フリーレント」とは入居後の一定期間、家賃の支払いが免除される制度で、一般的には1〜3カ月間の期間が設けられることが多いです。特に入居率が低い物件において、オーナーがフリーレントを提供するケースがあります。
交渉時には、物件の入居率や市場の状況を踏まえ、貸主の立場を理解した上で、双方が納得のいく条件を目指して交渉することが重要です。
フリーレント期間中は家賃が免除されるものの、共益費や管理費などの維持費は発生することが多いです。また、フリーレントを設けることで契約期間内の解約が制限される場合もあるので、そのあたりの条件も考慮に入れておきましょう。
3.オフィスの移転で失敗する原因と対処法
オフィス移転で失敗するケースとして主に挙げられるのは、以下の項目です。
- ランニングコストの増加
- 業務効率の低下
- 通勤、アクセスの不便さ
移転によって家賃以外の経費が増加したり、作業スペースが不足したりすることによって作業効率が悪くなるケースもありえます。また以前よりも通勤が不便となる従業員が多くなったり、お客さまが来訪しにくくなったりすることも考えられるでしょう。
上記のような問題を防ぐためには、移転前に従業員の通勤面や、業務の運営方法、顧客の訪問頻度などを考慮した上で、総合的なコストとメリットを慎重に検討することが重要です。
まとめ
オフィスの移転費用の相場は、オフィスの規模や移転距離、時期、業者選びなどによって大きく変動するため、一概に数字で出すことはできません。しかし、小規模でも数百万円、大規模であれば数千万円を超えることが一般的です。
オフィスの移転費用を抑える方法としては、オフィス家具や備品の再利用やサブスクリプション契約、居抜き物件やセットアップオフィスの検討、フリーレント期間の交渉、一括でサービスを提供する専門業者の利用などが挙げられます。
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