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Microsoft 365とは?概要を初心者向けに分かりやすく解説

Microsoft 365とは?概要を初心者向けに分かりやすく解説

2025年01月31日掲載
※ 記載された情報は、掲載日現在のものです。
Microsoft 365とは?概要を初心者向けに分かりやすく解説

Microsoft 365は、現代の働き方を支えるために開発された、「Microsoft」の統合型クラウドサービスです。個人向けから大企業向けまで、多様なニーズに対応する柔軟なプランを備え、Officeアプリケーションやクラウドストレージ、セキュリティ機能を統合的に提供します。

当記事では、Microsoft 365の特徴やプラン内容、活用方法、導入のメリットなどを初心者にも分かりやすく解説します。初めてMicrosoft 365に触れる方でも安心して活用できるよう、各ステップを丁寧に紹介しますので、ぜひ最後までご一読ください。

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1. Microsoft 365とは?

Microsoft 365とは?

Microsoft 365とは、「Microsoft」が提供するサブスクリプション型のソリューションです。「Word・Excel・PowerPoint」などのOfficeアプリをはじめとして、プランに含まれるさまざまなアプリ・サービスを利用できます。

1-1. Microsoft 365の概要と特徴

Microsoft 365はクラウドベースのサービスで、Officeアプリとクラウドサービス、セキュリティ機能を統合しています。パソコン(PC)・スマートフォン(スマホ)・タブレットなど複数のデバイスからアクセスできて、自動更新によって常に最新版のソフトウェアを利用可能です。

Microsoft 365には、学生向け・個人向け・中小企業向け・大企業向けなど、さまざまなニーズに対応する複数のプランが用意されています。

1-2. 「Microsoft 365」と「Office 365」について

「Office 365」とは、「Microsoft」が2011年に発売したサブスクリプション型のサービスです。

Microsoft 365は、「Office 365」を名称変更する形で2020年に登場しました。「Office 365」の機能を包含し、「Windows OSライセンス」や「EMS(Enterprise Mobility + Security)」などを追加しています。「Office 365」は、主にOfficeアプリとクラウドサービスを提供するのに対し、Microsoft 365はより包括的なソリューションとなる製品です。

また、「Office 365」は301名からの大企業向けとして、「Office 365 Enterprise E1(No Teams)」「 Office 365 Enterprise E3(No Teams)」「 Office 365 Enterprise E5( Office 365 Enterprise )」というプランが現在も販売中です。グループウェア機能のみであれば「Office 365 Enterprise E1(No Teams)」、Officeアプリとグループウェアを利用したいのであれば「Office 365 Enterprise E3(No Teams)」、さらに高度なセキュリティ機能が必要であれば「Office 365 Enterprise E5 (No Teams)」がおすすめです。

なお、各プランにはいずれもTeamsが含まれていないため、必要であれば別途「Microsoft Teams Enterprise」を申し込む必要があります。

※2024年11月30日時点の情報です。

1-3. 主要なアプリケーションとサービス

Microsoft 365の主要なアプリとサービスは以下のとおりです。

アプリ・サービスの名称 主な用途
Word 文書・資料の作成
Excel 表計算・グラフ作成・データ管理
PowerPoint プレゼンテーションスライドの作成
Outlook メールの作成や表示
Teams チャットやWEB会議などのコミュニケーションや共同作業
OneDrive 個人のストレージへのファイル保存や他者へのファイル共有
SharePoint 組織のストレージやポータルサイトの作成
Exchange 組織のメール送受信や保持・予定表の一元管理

ほかにも、ビジネス向けアプリである「Access・Publisher・Power Apps・Power Automate」が提供されています。AIアシスタントの Microsoft 365 Copilot もアドオンで使用可能です。

なお、Publisherについては2026年10月以降、サポートされなくなることが公式に発表されているためご注意ください。

出典:Microsoft Publisher は、2026 年 10 月以降はサポートされなくなります

2. Microsoft 365の主な機能と活用方法

Microsoft 365にはさまざまなアプリ・サービスがあり、具体的に何ができるかが分かりにくいと感じる方もいるでしょう。

以下ではMicrosoft 365の主な機能を3つ挙げて、それぞれの活用方法を紹介します。

2-1. Officeアプリケーションとクラウド連携

Microsoft 365には、「Word・Excel・PowerPoint」などの従来のOfficeアプリケーションが含まれています。これらのアプリケーションはクラウドと連携しており、従来のオンプレミス版とは異なるメリットがあります。ファイルをOneDriveやSharePointに保存することで得られるメリットは以下の通りです。

  • 異なるデバイスでファイルを開いて編集できる
  • リモートワーク時に自宅のパソコンで作業を継続できる
  • ほかのユーザーとファイルを簡単に共有できる

OneDriveは個人利用向けのクラウドストレージサービスで、無料プランでは5GBの容量が提供されます。Microsoft 365のfamilyプランを契約した場合は、最大6TBまで利用が可能です。法人向けのMicrosoft 365のOneDrive容量は、1ユーザーあたり1TBが割り当てられます。

ファイル共有時は、「リンク共有」機能を使用して共有したい相手にファイルのリンクを送信します。このリンクはチャットやメールで送信できるほか、OneDrive上で直接メール送信することも可能です。

セキュリティ管理のため、ファイル共有時にはアクセス権限の設定や外部共有の制限などを適切に行うことが重要です。

2-2. コラボレーションツール「Microsoft Teams」

「Micrsooft Teams」には、チームの情報共有や業務効率化を促進できるコラボレーションツールとしての機能があります。

Teamsの「チャット」や「チーム」にファイルを共有すれば、必要なメンバーへのアクセス権限付与や、Teams上でファイルの共同編集を簡単に実現することが可能です。

Teamsにはテキストチャットやオンライン会議などの機能があり、ビジネスにおける複数のコミュニケーション手段を、1つのアプリで利用できます。直感的に操作できるため、初心者でも簡単に扱えるでしょう。

2-3. セキュリティと管理機能

Microsoft 365には、「多要素認証(MFA)」をはじめとした多彩なセキュリティ機能が備わっています。

「多要素認証」は、不正アクセスを防止する基本的なセキュリティ機能です。Microsoft 365ではサインイン時のパスワード入力と、モバイルアプリ・電話・SMSなどで多要素認証を実施します。

上記のほかにも、暗号化によるデータ転送機能やマルウェア対策機能といったMicrosoft 365のセキュリティ機能を使用することで、セキュリティを強化できます。

3. Microsoft 365のプランと料金

Microsoft 365のプランと料金

Microsoft 365のプランは大きく分けて「個人向けプラン・ビジネス向けプラン・エンタープライズ向けプラン」の3つです。3つのプランは、さらにいくつかのプランに細分化されます。

以下ではMicrosoft 365のプランについて、プランごとの詳細と料金を解説します。

3-1. 個人向けプラン

個人向けプランは以下の2つがあります。

プラン名 Personal Family
ユーザー数 1ユーザー 1~6ユーザー
料金(年額) 14,900円(税込) 21,000円(税込)

★プラン内容は2024年11月30日時点のものです。料金はすべて税込です。

どちらのプランも「Word・Excel・PowerPoint・OneDrive」などのサービスを利用できます。なお、「OneDrive」の容量は「Personal」が1TB、「Family」は最大6TBです。

個人向けプランは、個人事業主の利用や家庭用を想定したプランとなっています。法人向けプランとの主な違いは、「Teams・SharePoint・Exchange」といったコラボレーションツールが含まれていないことです。

3-2. ビジネス向けプラン

ビジネス向けプランとしては、「Microsoft 365 Business」の4つのプランがあります。

プラン名 年契約(月額/ID) 月契約(月額/ID) ユーザー数
Microsoft 365 Business Basic 990円 1,188円 最大300名
Microsoft 365 Business Standard 2,057円 2,475円
Microsoft 365 Business premium 3,630円 4,356円
Microsoft 365 Apps for business 1,364円 1,628円

★プラン内容は2024年11月30日時点のものです。料金はすべて税込です。

「Basic・Standard・Premium」は、料金に比例して利用できる機能が増えるプランで、「Apps for business」は、クラウド版のOfficeと大容量ストレージが利用できるプランです。

3-3. エンタープライズ向けプラン

ここでは、「エンタープライズ向けプラン」のうち、 「E3・E5」の2つを紹介します。

プラン名 年契約(月額/ID) 月契約(月額/ID) ユーザー数
Microsoft 365 E3(No Teams) 5,566円 6,677円 上限なし
Microsoft 365 E5(No Teams) 9,031円 10,835円

★プラン内容は2024年11月30日時点のものです。料金はすべて税込です。

「E3」は業務に必要なアプリやセキュリティが含まれており、「E5」は「E3」の機能に加え、より高度なセキュリティを搭載しています。上述の「E3・E5」は、ともにTeamsは含まれていません。さらにコラボレーションを加速させたい場合は、別途Microsoft Teamsのお申し込みが必要です。

「エンタープライズ向けプラン」は、社員数300人を超える大規模組織において、豊富な機能を活用して業務効率化を図りたいときに向いています。

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4. Microsoft 365の導入メリット

Microsoft 365の導入メリット

Microsoft 365の導入を検討している方は、導入によって自社にどのようなメリットがあるかを把握することが大切です。Microsoft 365の導入メリットを3つ紹介します。

4-1. 生産性向上とコスト削減

Microsoft 365では、リアルタイム共同作業が可能なコラボレーションツールや、迅速な情報共有を実現するクラウドストレージを利用できます。業務の迅速化やミスの削減に寄与し、生産性向上を実現できるでしょう。

また、オンプレミスからクラウドへの移行により、設備の初期投資や維持管理費用を削減可能です。ライセンスの追加・削除といったライセンス管理も企業の規模にあわせて行えて、ライセンスコストが過剰に発生しません。

「Microsoft 365 Copilot」を利用すれば、情報検索・データ分析・レポート作成などの作業効率も向上します。「Microsoft 365 Copilot」は、生成AI技術を活用した生産性向上ツールです。「Word」や「Excel」といったOfficeアプリでの文書作成やデータ分析をサポートしてくれます。「Microsoft 365 Copilot」を活用することで、ユーザーがよりクリエイティブな作業に集中できるようになり、結果として生産性向上につながるでしょう。

4-2. リモートワーク環境の整備

Microsoft 365の機能はクラウドベースで提供されていて、リモートワークに必要なソフトウェアを揃えられます。コラボレーションツールの「Teams」でチャットやWEB会議も行えるため、勤務場所が違っていても社内外の関係者とのコミュニケーションを円滑化できます。また、Microsoft 365は同じIDでログインすることで、複数のデバイスで利用できるため、オフィスではPCで、出先ではスマホやタブレットで、とシーンに応じて適切なデバイスを選択して業務を遂行できるメリットがあります。

リモートワーク環境を整備するときには、データ保護やセキュリティ対策が必要です。Microsoft 365には、「多要素認証」をはじめとするさまざまなセキュリティ対策があり、業務遂行の安全性を高められます。

4-3. セキュリティ強化

Microsoft 365には、包括的なセキュリティ機能が組み込まれており、ビジネスデータを効果的に保護します。主な特徴は、以下のとおりです。

  • 多要素認証(MFA)
    アカウントへの不正アクセスを防止します。
  • 高度な脅威保護
    メールやOfficeドキュメントに対するフィッシング、マルウェア、スパム対策を提供します。
  • デバイス管理
    企業や個人が所有するデバイスのセキュリティを確保します。
  • データ損失防止(DLP)
    機密情報の漏洩を防ぎます。
  • 暗号化と権限管理
    重要なデータを保護し、アクセス制御を強化します。

上述の機能により、サイバー攻撃のリスクを大幅に軽減し、情報セキュリティを強化することが可能です。「Microsoft 365 Business Premium」では、より高度なセキュリティ機能が利用でき、組織のニーズに応じてカスタマイズできます。

適切な設定と運用により、Microsoft 365のセキュリティ機能を最大限に活用すれば、組織としてのセキュリティ体制強化にも寄与します。

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5. Microsoft 365の始め方は?初心者向けステップガイド

Microsoft 365を導入したいと考えていても、始め方や使い方で不安を感じる方もいるでしょう。最後に、Microsoft 365の始め方と基本的な使い方を説明します。

5-1. アカウント作成と初期設定

Microsoft 365を利用するにはアカウント作成が必要です。ユーザーのアカウントは、以下の手順で管理者が作成します。

1 Microsoft 365 管理センターに管理者アカウントでサインインします。
2 左メニューの「ユーザー」から「アクティブなユーザー」を選び、「ユーザーの追加」をクリックします。
3 ユーザー情報の入力とパスワード設定を行います。
4 ユーザーに割り当てる製品ライセンスと役割を選択します。
5 内容を確認し、「追加の完了」をクリックします。

アカウント作成後のパスワード変更を促すときは、ユーザー情報の入力時に「初回サインイン時にこのユーザーにパスワードの変更を要求する」のチェックを入れましょう。

また、管理者はユーザーアカウントの多要素認証も設定可能です。

1 「ユーザー」から「アクティブなユーザー」の「多要素認証」をクリックします。
2 ユーザーを選択して、「有効にする」から「multi-factor auth を有効にする」をクリックします。

5-2. 基本的な使い方とTips

「Word・Excel・PowerPoint」などのアプリを使用するときは、ホーム画面左側にあるアイコンをクリックして起動します。

ほとんどのプランはWeb版アプリを使用するものの、デスクトップ版との大きな違いはありません。一部のアプリはチーム内での同時編集や、AIによる翻訳機能も利用できます。

また、Microsoft 365には下記のような便利な機能があります。

  • 「Windows・Shift・Ctrl・Alt」の4キーを同時押しするとMicrosoft 365を起動できます。
  • Officeテンプレートを使うと、ひな型を活用して文書などの作業時間を短縮できます。
  • Teamsでチャット投稿時、@の後ろにメンバー名やチーム名を入れるとメンション機能が利用できます。

Microsoft 365の主要アプリケーションは、多様な機能で業務効率を大幅に向上させることが可能です。「Word・Excel・PowerPoint」などでは、共同編集機能やAI翻訳、デザインサポートなどにより、従来の作業スタイルを革新できます。

具体的な時短テクニックとして、Officeテンプレートの活用、@メンション機能によるコミュニケーション、ショートカットキーの使用が挙げられます。さらに、各アプリケーションの言語設定変更やエディター機能のカスタマイズにより、個人に最適化された作業環境を構築可能です。

OneDriveやSharePointとの連携により、ファイル管理も効率的に行えるため、これらの機能を戦略的に活用すれば、生産性を飛躍的に向上させられます。上述の機能やTipsを日々の業務に取り入れることで、作業時間の短縮やコミュニケーションの円滑化、文書の品質向上など、多岐にわたる業務改善が期待できます。

まとめ

Microsoft 365は、あらゆる規模のユーザーにとって生産性向上と効率化を実現する優れたソリューションです。Officeアプリやクラウドストレージ、セキュリティ機能を統合したプラットフォームであり、リモートワーク環境の整備にも最適です。

また、プランの柔軟性が高く、個人から大規模な企業まで幅広く対応します。当記事で解説した特徴や利用方法を参考に、Microsoft 365を最大限活用し、新たな働き方を始めてみてください。

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