クラウドPBXとは?業者の選び方のポイントや導入メリットを解説

通信機器の進歩により、離れた拠点の連携がより楽になった現在、企業の電話環境も従来のオフィス内PBXからクラウド化へと移行する動きが進んでいます。特にクラウド上で外線や内線の管理を行う「クラウドPBX」は、インターネット環境さえ整っていれば簡単に導入できるため注目されている電話交換システムです。

この記事では、クラウドPBXの基本的な仕組みやメリット・デメリット、および自社に合ったサービスを選ぶためのポイントと業者選びの注意点を解説します。今後の通信インフラ整備を検討している企業の方は、ぜひ参考にしてください。

1. クラウドPBXとは?

PBX（Private Branch eXchange）は複数の電話回線をまとめて外線と内線の接続、内線どうしの接続などを制御する、いわゆる企業内の電話交換システムを指します。従来のPBXは主装置となる機器をオフィス内に設置するタイプのもので、拠点が異なる場合は別のPBXシステムを利用する必要があるなどの課題もありました。

クラウドPBXとは、PBXが担う役割をクラウド化することで、外線通話や内線通話、転送といった電話機能をインターネット上で利用できるサービスを指します。クラウド化することにより、従来のPBXと比べて場所や時間にとらわれにくい電話環境を構築できます。

2. クラウドPBXを導入するメリット・デメリット

クラウドPBXは従来のPBXと比べて多くのメリットがある一方、導入の際に気を付けたいポイントやデメリットもあることに注意が必要です。ここでは、クラウドPBXサービスを導入するメリット・デメリットについてそれぞれ解説します。

2-1. クラウドPBXのメリット

クラウドPBXを導入することで得られるメリットとして、次のような内容が挙げられます。

クラウドPBXのメリット

クラウドPBXの場合、専用の電話機の購入が必要となるケースがあるものの、PBXを購入する必要がないため導入時にかかるコストを削減することが可能です。また、従来の機器を設置して利用するPBX（オンプレミスPBX）のように、クラウドPBXでもスマホの内線化が可能である点も押さえておきましょう。

なお、工事の必要性はオフィスの環境によって異なります。オフィス内に固定電話機やコードレス電話機を設置する場合は、インターネット回線やルーター、電話機設置の工事などが必要なケースもありますが、スマホなど携帯端末のみの利用であれば、ライセンスが開通すれば利用可能であるため、導入の際の回線工事は必要ありません。

さらに、スマホに固定電話機の役割を持たせられることも、クラウドPBXを利用する大きなメリットの1つです。デバイスを1つに集約できて管理がしやすくなるため、顧客・取引先への電話対応や電話営業などの業務効率化につながるでしょう。外出先や従業員の自宅などでも利用可能な点も魅力の1つです。

加えて、クラウドPBXはインターネットに接続さえできれば災害時でも利用できます。Starlinkをはじめとした衛星回線や、モバイル回線を使えば電話での情報共有が可能で、有事の際の事業継続にも役立つ点も強みです。

2-2. クラウドPBXのデメリット

クラウドPBXにはメリットもあります。導入の際には下記のような点に注意しましょう。

クラウドPBXのデメリット

クラウドPBXは、通話料金以外にも月額料金（月額利用料金・オプション費用など）が発生します。オンプレミスPBXの導入コストやランニングコストを考えると安価であるケースがほとんどですが、利用状況によっては負担を感じる場合もあるでしょう。また、導入するサービスや通話環境・オフィス環境などにより、音声品質に差が生じる可能性があることにも注意が必要です。

クラウドPBXに引き継げない電話番号があることも忘れてはなりません。双方向番号ポータビリティが開始され、既存のPBXから引き継げる電話番号の種類も増えていますが、FAX番号や「050」番号は引き継げません。また、緊急時の「110」や「119」など、発信できない番号があることも考慮した上で、クラウドPBXの導入を検討しましょう。

3. クラウドPBXを導入するときの業者選びのポイント

クラウドPBXを導入する際には、自社に適したサービスを提供している業者（ベンダー）を選ぶことが大切です。クラウドPBX導入の目的や解決したい課題などを整理した上で、複数の業者・サービスを比較しながら検討を進めましょう。

クラウドPBX選びのポイント

また、実績の有無を確認することも業者を選ぶ際のポイントの1つです。クラウドPBXを導入する際には、上記の「クラウドPBX選びのポイント」から、さらに検討したいポイントや相談ごとが多数発生する可能性があります。そのため、サポート体制が充実し、かつワンストップで総合的な判断や最適な提案ができる、実績豊富な業者を選ぶとよいでしょう。そうすれば、社内で判断することが難しい場合も、すぐにアドバイスを受けることができて安心です。

まとめ

クラウドPBXは、場所を問わずに利用できる柔軟性やスピーディな導入が魅力的ですが、通話品質や対応可能な電話番号など注意すべき点もあります。

導入を検討する際には、月額利用料やサポート体制、セキュリティ面など、サービス提供会社ごとの違いをしっかり比較しましょう。また、双方向番号ポータビリティが進む中でもFAX番号や050番号の取り扱いは事業者によって異なるため、事前の確認が欠かせません。

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