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DXハイスクールにおけるデジタル人材育成に向けた効果的なアプローチ

DXハイスクールにおけるデジタル人材育成に向けた効果的なアプローチ

2025年03月26日掲載
※ 記載された情報は、掲載日現在のものです。

2024年春に文部科学省がスタートさせた「高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)」では、デジタル分野を中心とした成長分野を支える次世代の人材育成を目指し、理系科目や文理横断的な学びの強化と環境整備が求められています。その実現に向けた効果的なアプローチとして、動画・写真編集ソフトの活用が一例としてあげられます。
本事業の概要および学校における編集ソフトの活用事例とメリットについて、ご紹介いたします。

執筆協力

会社名: サイバーリンク株式会社
設 立: 1996年2月
H P: https://jp.cyberlink.com/

サイバーリンクは1996年に設立。パソコン上で動作するデジタルマルチメディア分野での世界的リーダーであり、パイオニアです。教育機関、企業、官公庁、それぞれのニーズに最適化された先進的なソフトウェアを提供しています。最新のAI技術を活用することで、効率的なデジタルコンテンツ制作をサポートいたします。

デジタル機器整備、専門人材による研修も、
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DXハイスクールとは

「高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)」は、情報や数学などの教育を重視したカリキュラムや、ICTを活用した文理横断的・探究的な学びの強化に取り組む学校に対し、文部科学省が支援を行う補助事業です。
この事業は、全国の大学でデジタル・理数分野の学部設置や増員が進む中で、高校段階におけるデジタル人材育成を強化することを目的としています。
2024年度に採択された1,010校には、1校あたり最大1,000万円の補助金が支給され、ハイスペックPCや3Dプリンターなどのデジタル機器整備、専門人材の派遣等に活用されます。
文部科学省は、令和7年度には継続校約1,000校に加えて新規校約200校を対象とし、約1,200校への支援を計画しています。

出典:「高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)」|文部科学省

出典:「高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)事業趣旨」|文部科学省

出典:令和6年度文部科学省関係補正予算(案)事業別資料集|文部科学省

デジタルを活用し生徒の学習意欲を高める

生徒が楽しく活動しながら社会でも役立つスキルが身につく授業づくり。
それは、多くの教育者が目指す姿ではないでしょうか。
生徒にとって身近なメディアに関連するデジタルツール、例えば動画や写真編集ソフトを授業に取り入れることは、効果的な手段の一つとして挙げられます。
ここでは、生徒の学習意欲を高め、スキル習得につなげている具体的な事例をご紹介します。

さまざまな研究発表

生徒は研究活動の成果を、グループごとにプレゼンテーションの形式で発表します。研究テーマは地域課題、環境問題など多岐にわたります。環境ポスタープロジェクトでは、自然環境やゴミ問題に関する写真素材を収集し、画像編集ソフトで色の調整、レイヤー編集、文字挿入などを行い、環境保護を訴えるポスターを制作します。こうした活動を通して視覚的なメッセージ伝達力を養うとともに、社会問題への関心を高めることができます。完成作品は校内に掲示し、見る人の意識変容を目指す学習活動となります。

学校紹介動画の制作

高校の魅力を同世代の視点で効果的に伝える学校紹介動画の制作に取り組みます。中学生や保護者など、ターゲットを明確にしたコンセプトを設定し、学校行事や部活動、特色ある授業風景など、盛り込むべき要素を検討して、具体的な構成案を作成。生徒が企画から撮影、編集まで一貫して手掛けます。完成した動画を全員で鑑賞しフィードバックを共有することで、創造力と表現力を総合的に磨く授業となります。この授業内容は高等学校の選択科目である「情報Ⅱ」に含まれています。

インターンシップの活動報告

インターンシップ(就業体験)では、生徒たちはグループを組み、協力しながら体験内容を報告するためのプレゼンテーション動画とスライドを制作します。動画編集ソフトを活用し、カット編集やシーンの切り替え、テキストの挿入、ナレーションの追加などの基本的な動画編集技術を習得し、さらにプレゼンテーションを通して表現力を身につけています。

動画・写真編集を活用するポイント

高校での動画・画像編集ソフトの活用事例から、教育への効果的な実践ポイントが見えてきます。

まず重要なのは、段階的な能力開発アプローチです。1年次は自己紹介など基礎的な制作から始め、学年が上がるにつれて対外的な発表へと発展させていきます。はじめは生徒一人ひとりに教員が寄り添いながら丁寧にサポートし、徐々に生徒の自主性を重視した制作へと移行することで、創造性と表現力を養い、情報を効率的かつ魅力的に伝える力を身につけていきます。

実体験に基づくコンテンツ制作では、インターンシップ報告や実習記録など、実際に経験した学習内容のより深い理解と定着に結びつけることができます。グループ学習を行う場合には、協力しながら制作や発表準備を進めることで、生徒たちは自然とチームワークやコミュニケーション能力が養われていきます。
また、上級生の発表内容を下級生が見学する学年横断の取り組み機会を設けることで、学習意欲が向上し、次年度の制作に向けた課題や目標を具体的にイメージすることができます。

関係者への報告の場や、そこで教師やほかの生徒からもらうフィードバックを通じて、実践的なプレゼンテーション経験を積み、社会に向けた情報発信力を育成しています。これらの要素を組み合わせることで、技術習得にとどまらず、コミュニケーション能力や創造性、実践力を総合的に育成する効果的な教育実践が実現されています。

学校紹介動画制作では、効果的にストーリーを伝える基礎的な表現技法を習得した生徒の育成を目指します。また、チーム活動を通じて企画力やコミュニケーション能力を高め、他者と協働しながら目標を達成できる人材を育てます。さらに、動画編集ソフトの基本機能を習得し、それらを活用して独創的な制作活動に取り組める生徒を育成します。これらの能力を総合的に身につけることで、デジタル社会で活躍できる創造的な人材の育成を実現します。

まとめ

動画・写真編集ソフトは、文理横断的な学びを後押しし、生徒の能力を引き出しながら未来の可能性を大きく広げることが期待できます。

サイバーリンクは、DXハイスクールの補助金の活用も視野に入れ、まずは環境づくりを行い、生徒に合わせた学習方法を模索しながら、未来を担う人材の育成に向けた学習を支援させていただきます。

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